今さら訊けない“グラミー賞”の仕組み


第55回グラミー賞が発表されました。いやぁ、今年はとくに面白かったんじゃないでしょうか。

☞ 55th Annual GRAMMY Awards Winners

Gotye, Mumford & Sons, Fun.,なんていう並びはインディー・ロックファンもしてやったりと言う結果で。「日本で何故か人気がない」並びでございます。Mumford & Sonsは『Babel』で初めてちゃんと聴いて偉く感動したので偉そうなことも言えないのですが、これも「日本ではカントリーとフォークが疎外されている」こととは真逆な如何にもアメリカ的な結果。受賞後に某音楽ニュースサイトが「Mumford & Sonsとは?」なんて記事を投稿していて「えっ、そこから?」と思いつつも、だよなぁなんて思ったり。思えば一昨年のグラミーもLady Antebellumが最優秀レコード賞を受賞しましたが、コテコテのカントリーバンドだったので日本ではいまいち盛り上がりに欠けてました。

現地でグラミー授賞式を見た人と話したりもしたんだけど、今年はやはり例年以上に盛り上がったようで。近年のアメリカ音楽市場は活気がありますね。過去には商業的すぎると言われた時代もあったし、ロックを中心とした音楽不況もいち早く訪れたのもアメリカだったし。でもここ数年は、表面的な数字ではないところ、中身で勝負しようという気迫や風潮が作ってるほうにも聴いてるほうにもある気がしています。売上に囚われず質の高いモノを作ろうという。

アメリカは国の広さ含めて日本の比じゃないわけで、日本のように全国どこでも街に出ればCDショップがあるというわけでもなく。だからDL文化が主流になるのも当たり前ですし、それが逆にCDなどの音楽パッケージ商品や売上に囚われることのない音楽の中身・本質そのものが問われているんだなとも感じます。ヨーロッパ諸国などに比べ、国の歴史が浅い故の文化遺産へのコンプレックスがある分、音楽・芸術などの知的財産を非常に重んじる国柄ならではのところではないかと。

だからこそ、セールスや地位名声に依存することのないグラミー賞がますますに盛り上がってくるのも解る気がします。

グラミー賞とは

歴史が古く名誉ある音楽賞、ということこと以外は意外と知らない人が多いんですよね。日本のレコード大賞みたいなものだと思ってる人が多いのでは?レコード大賞はグラミー賞を意識して作られたものですが、中身は大分違います。

National Academy of Recording Arts & Science(NARAS)という組織にて主催されています。

NARASは、音楽市場の発展とその文化の発展・向上、音楽教育・育成(スタッフ・エンジニアなど)、レコーディング環境の保全などを目的とする組織。
P&E Wing (Producers & Engineers Wing) GRAMMY U (GRAMMY University Network) に分かれており、P&E Wingはミュージシャン、プロデューサー、レコーディングエンジニアなどのプロフェッショナルな音楽制作におけるクリエイター業界人(レコード会社や宣伝関係の人は含まれない)、GRAMMY Uは音楽業界で働くことを目指す大学生/専門学生で構成されています。

第一線で活躍する業界人とそれを目指す音楽好きな若者たち、こういった人たちが主催しているのがグラミー賞。会員数は正式には発表されていませんが、2013年現在約2万人と言われています。この無類の音楽好きの2万人がメジャー/インディー、一切関係なく、ロック、ヒップホップ、カントリー、ジャズ、クラシック、、、ジャンル問わず「良い!」と思った楽曲を選ぶのがグラミー選考。プロ/学生関係なくガチな多数決投票制。レコード会社やマネジメントの宣伝政治力は一切ありません。無論、売上枚数なんてグラミーの前では無力です。いかにもアメリカ的な発想ですよね。これで盛り上がらない訳がない。

そんな内容ですので、我が国の売上枚数・レコード会社やマネジメント次第で色々左右されてしまうモノと比べたら、、、

「沢山売れたら賞が取れる」のではなく、「賞を取った(ノミネートされた)ことにによって注目される(売上が伸びる)」のがグラミー賞なのです。

1931年以来由緒あるレコード会社、EMIが分割売却、4大メジャーレコード会社が3大メジャーへと変わろうとしています。CDなどの音楽パッケージに拘らないアーティストが増えてきました。音楽配信・クラウドサービスの充実により、アーティストは世界中の人たちへ自分の音楽を届けることが容易になりました。リスナーは、自分の気に入ったものを探すことが容易になりました。

そんなな時代だからこそ、メディアに左右されないグラミーのようなリスナーが選ぶ音楽の大切さというものが今後ますます重要になっていくんじゃないでしょうか。


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