クール!ジャパン!その発想はなかった!の巻 - ジェイロック回顧主義 #5

──℃-uteが日本武道館です!フランス・パリ公演です!

ですね、おめでたいところですがちょっと複雑な気持ちというか、、、

──℃-uteに関してはこのところ酷評してましたもんね。。。

酷評じゃなくて好みの問題ですかね、自分の求めるところと違う方向に行ってしまったというか、ファン心理なんて勝手なものですから。去年の今くらいか?アイドル横丁に出たときのネガティブ発言みたいな部分に違和感を覚えてしまい、それから露骨になってきてなんだかなぁなんて思ってしまって。でもそれがきっかけで人気が出て来たわけだし、やっぱりAKB以降のアイドル像みたいな苦悩テーマが世間ではウケるんだなぁなんてしみじみと。現にヒット曲どころか、キラーチューン、ファンにそこまでウケが良い曲も来てなかったわけだし、改めて近年のブレイクは楽曲じゃないんだぞってことを感じました。

──現場も若い子増えてますね。

そうそう、コンサート会場の平均年齢が若返った!逆に1年ぶりのBerryz工房のツアー行ったら相変わらずで安心した。そう言えば終わった後に女ヲタの人と話したんだけど「Berryzは女ヲタが少ない」と。℃-uteやBuono!だと女の子グループ固まって会場前とかでキャッキャしてるんだけど、Berryzではそういう光景あまり見かけない、なんて。でも決して居ないわけじゃない、一人ヲタが多いんだと。女性限定エリアやファミリー席に居るんじゃなくて一人でフラっと来て一般席に居る場合が多いんですよね、濃いおじさんヲタなんかに囲まれちゃって大丈夫かなぁなんて思ってると、いざ始まれば誰よりも完璧なフリコピ始める、、、そんな女性ヲタが多い印象です。

──はぁ。

非ヲタの人がTVに出てるももちさんを見てどう思うかってこととか、最初「ウザイ、キモイ」とは思っても何度か見ていくうちに、あの子の裏側にあるもの、本質みたいなところが解る人には段々解るようになる。それは多分人生経験がある人ほどそう感じるのではないかと。そういう深みがありますね、ベリには。だからTopYellで〈極東の異形〉〈放し飼いの猛獣が〜〉なんて書かれても喜んでr

──あの、そろそろ本題に、、、

そっちが話振ったんじゃないか!

「クールジャパン」→「その発想はなかった!」

──今回は黒服・ヴィジュアル系ではないJ-Rockの系譜みたいなところを予定してたのですが、この〈J-Rock回顧主義〉の流れと最近このブログで「世界的に見た日本の音楽市場」というテーマ性の記事が多いので、流れ的に「クールジャパン」に先に触れておこうかなと思いまして。つい先日、秋元康氏の発言やクール・ジャパン政策が話題になったことですし。

あれまだよく解らないからどうこう言うのも、、、って感じなんですけど、そもそも経済産業省に「クール・ジャパン室」ってのが何かアレなんで。

──そもそも「クールジャパン」の語源みたいなものってあるんですか?

アメリカのDouglas McGray(ダグラス・マクグレイ)と云うジャーナリストが2002年にForeign Policyという雑誌上で“Japan’s Gross. National Cool”という記事を書いてます。簡単に言えば「ポップミュージック、家電、ファッション、料理、、、日本の文化は今日の文化超大国である」という内容なんですが、この“Japan’s Gross. National Cool”という言葉をかつてのイギリスカルチャーブーム“Cool Britannia”(クール・ブリタリア)になぞらえて“Cool Japan”と呼ぶようになった。日本でしか通用しない言葉とも言われていましたが、今は海外でも使われてますね。どちらかと言えば“Japan, Cool”のほうが多いけど。日本政府が経済産業省に「クール・ジャパン室」を置いたのが2010年。こちらの場合は〈・なかぐろ〉が入ります。ただ、「クールジャパン」に関してはアニメやV系のようなサブカルチャーな印象が強いけど、海外から見ればそれは日本文化の一部に過ぎなくて、家電、食べ物、折り紙や浮世絵などの伝統芸能含めて“Cool Japan”なんですよ、そもそもヲタク文化として良く使われるサブカルチャーだって、海外での意味はハイカルチャーに対しての大衆文化と言う意味ですし。

──日本の伝統芸能と、そもそも海外で産まれたアニメ文化を日本のオリジナル文化として同列に並べるというのもどうかな、という意見もありましたよね。

ただ、ダグラス氏は日本のマクドナルドを例に挙げてその発展を文化の一つとして紹介してるんですよね、アメリカで産まれた企業だけど、日本ほどマクドナルドが栄えた国はないと。それはラーメンにしろ、カレーライスにしろ、アニメだってロックだって同じで、海外から入ってきたものが日本独自の発展を遂げた。以前も触れた話ですが、アメリカ人の握った寿司ってちょっと抵抗あるじゃないですか?でもカリフォルニアロールって意外と美味しいかも?みたいな。向こうからしてみれば「日本人が英語でハードロックだと?」と思うかもだけど、もっと奇抜なメイクと衣装のヴィジュアル系バンド見て「その発想はなかった!」となっているのが今日の評価なわけで。

アニメとロックの融合

──〈日本の音楽が世界中でどれだけ聴かれているかを調べてみた〉を見て解る通り、アニメと音楽の関連性って非常に深いというか、正直ここまで影響しているとは思ってなかったり、そもそもこんなにロックバンドがアニメ主題歌をやっていたのだなと改めて思ったりも。

でもそこにおける海外人気は結果論ですよね、今でこそ話題になるけど、ちょっと前まではアニメにしてもヴィジュアル系にしても冷遇というか、一部コア層向けのジャンルだったわけで。だから最初から海外でウケるだなんて思ってなかっただろうし。最近では海外ウケを狙ってアニメ主題歌タイアップを狙う手法もあるわけだけど、昔は単純にアニメタイアップは比較的に取りやすかったんだろうなとは思っています。

──CMやドラマに比べると、というところですね。

LOUDNESSが『湘南爆走族』の主題歌になったとき(1989年)は賛否両論あったし。元々6,70年代はアニソンと言われるアニメありきの主題歌だったじゃないですか。それが80年代に入り、おニャン子クラブなどの女性アイドルが主題歌担当するようになったり、男の子向けアニメではそれこそ影山ヒロノブのようなアツイロック路線であるとか。アニメ自体もスタイリッシュに見せたい方向に行ってた時代だと思うし。
バンドブーム世代って『ガンダム』『キン肉マン』『聖闘士聖矢』なんですよ、その世代が段々大人になって、それに合わせていった感もあるのかな。その世代も子供が出来、戦隊モノの特撮ドラマがグラビアアイドルやイケメン俳優起用して親も楽しめる作風に持っていったのと同じで。そう考えるとロックバンドがアニメ主題歌をやるという時代の流れも自然なのかなと思います。

──そもそも海外で日本のアニメが注目されたのっていつくらいなんでしょうか?

実は6,70年代から北米を中心に日本のアニメ輸出って結構盛んに行われていたんですよね、手塚治虫作品であるとか。ただあんまり話題にはなってなかった。あとは文化、解釈の違い。『フランダースの犬』は〈負け犬の死〉として酷評されたりしましたから。
日本のアニメが世界的に注目を浴びたのは1989年にアメリカで公開された『AKIRA』からだと言われています。日本が描く近未来SF感、ハリウッドの映画技術は凄いけど、そういったものを二次元、アニメという世界で表現した、海外ではアニメと言えば子供向けが基本でしたから、大人が楽しめるアニメという部分でもウケが良かったと。

──『エヴァンゲリオン』『攻殻機動隊』のような世界観、勿論『ガンダム』もありますし。こういうジャンルはロックも似合います。

エヴァと言えばBOØWY『MARIONETTE』のMVがガイナックス作品ですよね、アニメを取り入れて。半分CDで半分レーザーディスクというCDV(CD VIDEO)という規格で発売されてた。87年にこういうSFアニメやってたんだよなぁ、当時はあまりよく解ってなかったけど後々凄さを知る。布袋寅泰『GUTARHYTHM』のクリップ集でもガイナックスが参加してます。

──話は違うんですけど、PVのこと最近MVって言いますよね?

昔は宣伝目的として作られたビデオがPV(”Promotion Video”)で。最近は初回盤などで販売目的とする場合があるから単純にMV (”Music Video”)、Webの閲覧数 “Preview” もPVと言ったりするから混同しないようにする目的もある。昔はPVとは別にアルバムの世界観を出すために全曲映像作品を作ることが多くて、その場合は”Clip”って言ったり。正式には “Music Video Clip” というのが世界共通なんだろうけど、呼称に関しては国内外問わず、レコード会社やアーティストによってまちまちですね。

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外国人オーディエンスが大合唱する日本語楽曲

──世界進出で成功した日本のバンドといえばLOUDNESSと少年ナイフが居るわけですが。

個人プレイヤーでは1972年に再結成したFreeのベーシストに山内テツ氏が加入したり(1974年 The Faces加入)、Japanのラストツアーのギタリストとして土屋昌巳氏が参加したりもしたんだけどバンドとしてはLOUDNESS。少年ナイフは海外デビューが先で逆輸入ですから。逆輸入バンドといえば、SUPE JUNKY MONKEYとか、そう言えばSJMのベースのかわいしのぶさんは山内テツ氏のお弟子さんですね。

──この頃はまだ世界進出するためには英語が必須とされていた時代だったと思うんですが、今となっては逆に日本語で歌わないとダメだというところが。

DIR EN GREYに『THE FINAL』という海外で人気No.1楽曲があるんですが、何千人もの外国人オーディエンスが拳挙げながら「華々しく散って」「虚しき華と知る」なんて大合唱してる光景はカルチャーショック、圧巻ですよ。あれで後発のバンドたちは「無理に英語で歌わなくとも海外行けるんだ」と勇気付けられたと思います。

──V系、J-Rock含めて海外での日本の音楽の地位ってDIRの功績はやはり大きいですよね。

ですね、数年前までは「X JAPANもLUNA SEAも知らないけど、DIRは知ってる」状態でしたから。DIRの海外進出は2002年から。アジア、欧州と来て2006年にアメリカ進出。KORNの「THE FAMILY VALUES TOUR」にも参加したけど、映像見るとこの頃はまだちょっと冷ややかな客がまだ多いですね。まぁ彼らは冷たくされながらもめげずに定期的に海外ツアーをやり続けた部分が大きいんですが。向こうのお客さんはシビアですから。
そして彼らは洋楽に媚びなかった部分も大きいですよね、ヘヴィロック化もしたけど、根本的な和の陰の部分、余情感であるとか、それこそヴィジュアル系特有の歌い回しみたいなとこを捨てなかった、勿論日本語で歌うこともだけど。
あ、DIRで思いだしたけど、V系の人気要素の一つに楽器、ギター、ベースっていう楽器側面もあるらしい。所謂ミュージシャンモデルというヤツ。海外では割りとフェンダー、ギブソン系のオーソドックスなタイプか、ミュージシャンモデルもESPやアイバニーズのようなHR/HMご用達のソロイスト系ばかりで。だからV系バンドが持ってるような奇抜なデザインはウケると。DIRのDIEなんかギターのみならずアンプまで真っ赤だから。対バンのバンドやギターテックまでも「あ、あの赤い男だ」と色々言われるらしい。SUGIZOのPR(プリンスクラウドシェイプのギター)もebayあたりで高値になってますし。

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MySpaceはやっぱり国境超えた感ありましたね

──丁度その2002年くらいから、国内でも〈ネオ・ヴィジュアル系〉なんて言葉も出て来てV系再ブームになりつつあったわけですが、世界的に日本の音楽に注目が集まってきたのもその頃ですかね。

日本の文化に注目が集まった決定打は2003年からだと思います。『LAST SAMURAI』が公開された年、あれで一気に日本の文化が色んな意味で世界に認知された。現に2000年からフランス・パリで開催されてる”JAPAN EXPO”の来場者数が2003年に2万人から2004年は約倍の4万人に増えてるんですよ、この年から飛躍的に増えていくんだけど。

──インターネット、特にSNSの後押しもありましたし。やはりMySpaceは大きかったですよね。

MySpaceはやっぱり国境超えた感ありましたね。情報も楽曲・動画も視聴出来る、アーティストのサイトはMySpaceで済んでしまう。現に2006年辺りにNine Inch Nailesが今までかなり力を入れてたサイトを簡素化し、MySpaceメインに移行してたし。当時はYouTubeもGoogleじゃなかったし、オフィシャルとして使えるレベルでもなかったわけで。Lily AllenはMySpaceから誕生したと言っても過言ではないアーティストだし、My Chemical RomanceもブレイクのきっかけはMySpaceだという声もあったり。マイケミはメイクもしてたし、ジェラルドはフェイバリットにラルクなどのJ-Rockバンドを挙げていました。日本では何気に相対性理論もそうなんですよね、凄い再生数だった。あとたむらぱんとか。V系も勿論だけど、ゴスロリ界隈、北出菜奈、オーラルヴァンパイアや妖精帝國も強かったですが。

──ゴスロリに関しては日を改めて、触れていこうかなと考えてます。

個人的にMySpaceで上手かったなぁと思ったのはSCANDALで。出だしはアニメアイコンで得体が全く解らなかったんですよね、だから気になって皆見るのかいつも上位に居た。その勢いで向こうでライブもやってたし。モーニング娘。も早い段階でやってた、なんだかんだ今海外で人気のあるアーティストって結構早い段階でMySpaceやってたなぁ。今でこそFacebookに取って代わられてしまったけど、海外アーティストはまだまだやってますよね。

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洋楽曲と日本語曲

──日本の音楽がウケる要因として「日本語メロディーの面白さ」と「サビを主とした楽曲構成」、というところを以前言ってたと思うんですが。

日本語メロディーで言えば、イントネーションの問題。“I Love You”という歌詞があったとして、「アイ ラーブ ユー」という譜割りは出来ても「アーイ ラブ ユー」という譜割りは無理ですよね。逆に日本語ならば「あーいしてるー」でも「あいしーてる」でも「あーいーしーてーるー」でも、何でも自由が効きます。あとはリズムの収まり方でいうならば「っ」を入れてもいいわけで。「大きい」を「おおきい」というか「おっきい」というか、勿論その選び方次第で印象は変わってしまうんだけど、メロディーにハマり易いのは英語で。日本語は逆に言葉を重きに置く。日本だと歌詞を先に書くアーティストも居ますが、海外だと殆どが楽曲先行という話も。Mr.BigのEric Martinが2枚ほどJ-Rockカヴァーアルバムを出しているんでうが、日本のイントネーションや譜割り、語尾の伸ばし方に日本語楽曲独特の難しさ、メロディーラインがあると言ってました。

──「サビを主とした楽曲構成」というのはやはり90年代タイアップ市場が大きいわけですよね?

30秒尺で収まるサビだけ作って、プレゼンかけて、採用されたらそこだけ先にレコーディングして、CMソングとして流れて、CD作るときになって、Aメロを新ためて作るなんてことが行われていたりもしましたから。だからサビを活かすための歌いだしがあって、サビを盛り上げるためのBメロという概念が出来た。それ以前にはBメロという文化は殆ど存在してないですから。そもそもサビという言い回しが日本っぽいですよね、海外だとそういうのないし、あったとしたら”Chorus”と呼んでる。

──以前例に出したビートルズの『Help!』など歌い出し重視でサビが存在しないっていう話ですよね、でもサビやBメロがない日本楽曲というのがいまいち、ピンと来ないのですが、、、

では、有名な楽曲タイトルを上げるのでパッと頭の中で歌ってください。先ず、Aグループ、WANDS『世界が終わるまでは… 』、H Jungle with t 『WOW WAR TONIGHT』、Mr.Children『シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~ 』。そして、Bグループ、松田聖子『赤いスイートピー』、井上陽水『傘がない』、ガロ『学生街の喫茶店』

──ハイ。

解りやすい楽曲を並べたんだけどAグループ、これは90年代ヒット曲なんですけど、多分先ず出てくるのはサビですよね。それに対してBグループは懐メロというような古い曲ですけど、、、

──あ、歌いだしが出てくる!

そうなんですよね、そして『傘がない』『学生街の喫茶店』はサビっぽいところはあるんだけど、果たしてこれをサビと呼んでいいものなのかどうか。他にも太田裕美『木綿のハンカチーフ』、寺尾聡『ルビーの指輪』などなど、、、サビが存在しない楽曲はいくらでもあります。逆に長渕剛『乾杯』はBメロが存在しない。この時代の楽曲って懐メロなんて言葉で誤魔化されてるけど、もろに洋楽影響下の時代。洋楽っぽさを目指すアーティストって多いと思うんだけど、サウンドやコード、ボイシングの問題じゃないんですよね、楽曲構成の見直し。いくら英語で歌ってブリティッシュサウンドあたりを目指したところでAメロBメロサビって言ってる時点で邦楽の域は抜けられないなと。

──でもそういうところが日本独自の音楽が海外でウケていると。

宣伝目的で海外進出しちゃってる

──日本のガラパゴス音楽市場、そして海外で人気のある日本のアーティストの認識という部分でも温度差を感じますが。

自分で調べてみても驚いたこと多かったし。あれはLast.fmの中での話なんでそれが全てではないけど、PCオーディオは海外では日本とは比べ物にならないくらいスタンダードだから信憑性は高いのかなと。
ただ、やっぱり、AKBよりハロプロ、XよりDIR EN GREYのほうが人気があるというような現実を肝心の日本人が解っていない部分が大きいと思うので。何で日本の文化が海外でウケているのか、何がウケるのかを解っていない。外人がお土産屋の箱菓子の包装を「手品だ!」と驚愕するとか、プレゼントも向こうは袋詰めでしょ。そもそも今ウケているものは最初っから海外を狙っていたものではない、海外進出のために英語で本場のロックをやろうとしていたものではないわけで。

──結果論だから、狙ってどうこうって話じゃないわけですよね。海外ウケもどこか日本での人気度が比例してると思っちゃう節がありますよね。

音楽のみならず日本人が海外で活躍するにはまず国内の土台を、というのが暗黙の諒解のようにありますし。ウチで何度か紹介しているBonaparteっていうバンド、ドイツを拠点に活動してるんだけど、スイス人なんですよね。なんでだろうと思っていたんだけど、Vervet Two Stripesというスイスのバンドを知ったとき、彼女らのインタビューで「スイスでは私たちのような音楽が出来る環境がない、だからドイツに行くと思う」という発言をしていたんですよね、欧州は陸続きだからかもしれないけど、こういう活動拠点を移すことが多く見られる、このフットワークの軽さを少し見習っても良いんじゃないかなとも思ってます。島国だし、言葉の問題もあるからそう容易く行くことは出来ないけど、気の持ちようですね。

──海外公演を行う日本のアーティストも増えましたけど、それこそニュースサイトの情報操作というか、その辺の落差が日本人が日本のことを解っていないところもありますよね。

ネットに明るい人だったら「何千人のオーディエンスが」というニュースサイトに乗っていても実はそのうちの殆どが日本人で、みたいな現実だったり、ニュースになってないけど、海外公演を頻繁に行っているアーティストがいること、ちょっと調べれば解るんだけど。それが出来る人はごく一部で普通はそこまで調べない、殆どの人は報道が全てなわけですから。最近は海外公演含め海外リリースも大きなの話題・宣伝効果になってますから。正直そんなに海外人気・知名度がないアーティストも宣伝目的で海外進出しちゃってる。需要の問題、実際現地でどのくらい人気があるのかって話で。
先日Berryz工房がタイ公演を行って。2010年にも行ってるんですけど、向こうでひょんなことから人気が出て、私設ファンクラブが出来てそこが動いて何年か掛けて実現したって話なんですよね、まぁ、ハロプロは自分が好きだから情報も入りやすいし、そもそもファンがアツイので。フランスあたりでは来仏希望の署名活動も行われたり。
逆に某有名バンドが海外に行ったら、あれ?、、、って。でも翌日ドカーンと色んなところにレポが載ってたり。中には国内では一般には殆ど知られていないようなV系バンドが飛行機移動で欧州ツアーもやってたりもします。

『音楽に国境はない』けどジャンルの壁は厚い

──クールジャパンの発端と火付け役としてはよく、フランスが上げられてますが。

Japan Expoの影響は大きいでしょうね、フランスと言えば芸術やファッションの最先端なイメージですけど。だからそういう嗅覚が鋭いというか、プライドは高いけど他国でも良いものは良いという、そこは〈世界の音楽が世界中でどれだけ聴かれているのか調べてみた〉でのフランスのランキングを見ても解るんですが。例えば、『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦氏の原画展があのルーブル美術館で開催された、日本では考えられないというか「本当にいいんですか?」って恐れ多い感じですが、フランス人からしてみればアニメのセル画も絵画と同じだと。フィギュアだって、言わば自国のフランス人形、中には彫刻品レベルで扱われている趣があったりもします。だからコスプレだってファッション感覚。Japan Expoだって、音楽やアニメばかり持て囃されてますが、それと同レベルで折り紙や浮世絵なども人気なわけです。でもあまり国内メディアはそういうことを報道しない。

──良いものは良い、ジャンルや偏見に捕われない美的感覚、日本人には足りないものかもしれません。

フランスのみならず欧州はそういう感覚ありますね、昔ウィーンに行ったことがあるんですが、夜な夜な色んなところでオペラをやってるわけですよ。日本でオペラを観に行くと言えば正装というかある程度、ちゃんとした格好していかなきゃ、と思うんですが現地の人はTシャツ、Gパンで観に行っちゃう。それくらい気軽に行けるものだったりも。現地のロック好き女子高生、こちらで言うバンギャルに「好きなアーティストは?」と尋ねたら「DIR EN GREYとモーニング娘。とリヒャルト・シュトラウス」って答えが帰ってきた。これは結構衝撃でした。

──ジャンル云々拘ってるのがバカらしくなりますね。

だから日本の音楽が世界中で流行って『音楽に国境はない』なんて言っても、国内では「やれヴィジュアル系だ、ロキノン系だ〜」のジャンルの壁は厚いわけで。

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  • kedge

    続きありがとうございます!
    急かしたようで申し訳ないです。
    てっきり前回の延長線上になると思って楽しみにしてたら意外でした(笑)
    ヴィジュアル系と音楽性の話に突っ込んだところをもっとしてくれるのかな?と思ったのです。
    (個人的に自分もこれからそういったことをブログで書こうかなぁと思っていたのですが…)
    無理せずご自分のペースでやってください。今回も興味深かったです。

    • fuyu_showgun

      急かされたなんて思ってないでの大丈夫ですよ
      書きたいことは色々あるんですが、中々腰が重くて、、、

      このシリーズはジャンルに捕われず、各それぞれの関連性みたいなところに注目しておりますので、いつになく手広くやるつもりでおります。

      その分、終わりが見えづらいんですけど。。。