追悼 ビル・ローレンス「愛用アーティストを集めてみた」


エレクトリックギター技術界の偉大過ぎる巨匠、Bill Lawrence(ビル・ローレンス氏)、2013年11月2日午前9時20分、永眠。享年82歳。

ビルは強く、勇敢な男だった。最後の数日間で、ビルは生きるために戦った。
 ☞ billlawrence.com

L-500、L-250など、今ではピックアップのスタイルの一つの主流となっているバータイプのマグネットを開発したことで有名。フェンダーとは一線を覆すサウンドを持つシングルコイル、Black Labelも今尚、愛用者が多い。

1931年、西ドイツ生まれ。プロのギタリストの傍らギターテクニシャン、ピックアップ製作に携わり、ハムバッカー“P.A.F”の生みの親、Seth Lover(セス・ラバー)の後任としてGibson社でピックアップ製作責任者を務める。退社後は独立し、世界で初めてピックアップメーカーを設立。ジミヘンのストラトのセットアップ、ジョー・ペリーやロイ・ブキャナンから絶大な信頼を得る。Dimarzio社のLarry DiMarzio(ラリー・ディマジオ)やBartolini社のBill Bartolini(ビル・バルトリーニ)もビル氏の下でピックアップ製作を学んだ。

とまぁ、ギター弾きなら神様みたいな存在の人です。
自分も始めて載せ換えたリプレイスメントピックアップがL-250のテレキャス用なので想い出深い。

ビル・ローレンス・ピックアップ愛用アーティスト

ということで、ビル氏追悼の意味を含めてビル・ローレンス愛用者の動画をまとめてみました。ギターを弾かない人でも楽しめるようなロック好き、おっさん/おばさんホイホイな内容です。

Roy Buchanan(ロイ・ブキャナン)

ビルと言えば、まずはこの人、テレキャスピッカーの神様。
もうぐうの音も出ない、圧巻のサウンド、テクニック、神業すぎる。。。

Deluxe Edition
Roy Buchanan
Alligator Records
Release: 2010

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Nuno Bettencout(ヌーノ・ベッテンコート) – Extreme

ビルPU使いで一番有名なのはやっぱりこの人じゃないでしょうか。
当時HR/HM系速弾きにはあまり興味がなかった私ですが、この人のスタイルには超シビれました。

The Best of Extreme
Extreme
A&M
Release: 2000

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Dimebag Darrell(ダイムバック・ダレル) – Pantera

当時はDiamond Darrell(ダイアモンド・ダレル)。この刻みたまんねー。ザクザクしてるんだけど粘っこい、ある意味、L-500の特性を引き出してる人です。

最強-ベスト・オブ・パンテラ(ウルトラ・ベスト 1200)
Pantera
Warner Music Japan
Release: 2013

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藤井一彦 - The Groovers

自分がL-250を選んだのはこの人の影響です。無敵のカッティング、右手のスピード感が凄いよなぁ。
最近の若い子に説明すると、元My Little Loverで、現The Birthdayのギター、藤井謙二の実兄。

近年はGretsch Rockjetがメインの藤井さんだけど、やっぱりFender Leadに限る。黒・黄色・バーストのLead、ごく初期まで使っていた自分でパーツを組み上げて作ったテレキャスターカスタム、亜流を気取ってたのに遂に王道に手を出してしまったと語るストラト(敢えて不人気の70年代のウォルナットカラーを選んでるのが氏らしい)、全てのギターにL-250を積んでいるほどの偏愛っぷりでございました。

Very Best of THE GROOVERS
The Groovers
Polydor
Release: 1999

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あとはBUCK-TICKの星野英彦が自分のモデル“通称:クワガタ”にL-250を積んでた。(殺シノ調べ〜d.t.dまで)
初期型のESP Charモデル(CM-MS)にも積まれています。

L-250
Bill Lawrence
¥7,850

Rakuten

L-500
Bill Lawrence
¥10,500

Rakuten

現在のピックアップブランド“Bill Lawrence”は、ビル本人は関わっていません。
ビルは“Wilde Pickup”というブランドを立ち上げております。

(2015年1月追記:現在も遺族によって、販売、オーダー受付されているようです)

ギターブランド“Bill Lawrence”

日本で有名なのは、ギターブランドのBill Lawrence。当時ギター製造技術の高かった日本のメーカーにOEMとして白羽の矢が立ったのはモリダイラのモーリス楽器製造。当時はH.S. Andersonというブランドでエレキギターを製造していました。
H.S.Andersonと言えば、Houston(通称:アップルギター、ニュートンのリンゴが落ちる様を〜という逸話を基に擬音「ヒュー、ストン」だからヒューストンと命名されたらしい。。。)というリンゴ型のギターをBUCK-TICKの今井寿が何故か戦闘機のパイロットのヘルメット被りながら弾いてたのが何かシュールでカッコよくて。

HS-A1 Custom Houston 【限定復刻】
H.S.Anderson
¥158,000

Rakuten

当時今は無き三鷹楽器で投げ売りされてたからそれを買ったと思われる。現にオリジナルのTALBOも使ってたし(92〜4年当時TALBOは製造中止で作りかけを組立キットとして三鷹楽器だけで投げ売りされていた)

さて、このBill Lawrenceブランドのギター、テレキャスピッカーだったビル氏とストラトメインで考えていたメーカーとの間に軋轢が生じ、立ち上げ以降はビル氏本人は一切関わっていないという本末転倒な形でした。
アーティストシグネイチャーを中心に独自の販売を展開。

木暮”SHAKE”武彦 - RED WARRIORS

Bill Lawrenceギターで一番有名なモデルはこれだろ。真偽は明らかではないのだが、フェルナンデスのZO-3が発売されるまで日本で一番売れたギターはこのシャケモデルだという話を聞いたことがある。
HR/HM界ではヴァン・ヘイレンの影響で「男のリア一発、トーンナシ」スタイルが流行ったものだが、シングルコイルでこれやった人は居なかったはず。当時は空間系エフェクト+ストラトハーフトーンでオシャレにキメるのが流行っていた時代なので。レスポールJr.だって、ダサイギターの代表機種みたいな扱いだったしね。

それにしてもこのジョリジョリサウンド。フェンダーとは全く違う系統のサウンドはLシリーズと並ぶ代表機種、”Black Label”の賜物。いやぁ、このシャケのサムピックで残りの指の爪で引っ掻く弾き方ねぇ、散々マネしたわー。あとヤマハのギターアンプ、Fシリーズは側面を底にして横に立てて使うんだよ。

歳取っても若い頃散々コピーした手癖がついてると言いましょうか、弾いていて気持ち良いフレーズって絶対あると思うんだけど、私は未だにレッズの「King’s Rock ‘n’ Roll」弾いちゃう。

Red Songs Best
Red Warriors
Columbia
Release: 1995

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奥居香 - Princess Princess

奥居香モデルのネックまで真っ赤なテレキャスターは衝撃的でした。途中から奥居モデルの名が取れて、真っ青と真緑のモデルもあった。テレは1S+1Hで、ストラトが2Hだった。

THE REBIRTH BEST~再会~
PRINCESS PRINCESS
SME
Release: 2012

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はたけ - シャ乱Q

真っ赤なギターと言えば、衝撃的だったのはこのはたけモデル。
こんな下品なギター誰が買うんだ?とセンスを疑ったものですが、この数年後ラルクのkenが真っ赤なLAを弾きだしたので関西人センスを解った気がしました。

テレキャスにハム積んでる人とハードテイルのストラト使ってる人は相当こだわってるなと思ってるんだけど、はたけモデルも裏通しのハードテイル。しかもHSHピックアップ。プレイスタイルからしてフロイドローズ使いそうなんだけど(アマチュア〜デビュー当初はアーム付きを使用)、ESPに移ってからの薔薇柄LPシェイプもみんな裏通しハードテイルですね。
ここ最近は原点回帰といいましょうか、ほぼビル時代と同じ仕様の真っ赤なESP製STシェイプ(Snapperになるのかな)を使用している。何だか一周廻ってこの真っ赤なギターがカッコよく見えてきたよ、最近。

それにしてもヴォーカルの人が大変なことになってる色んな意味で凄いPVだけど、改めて聴くとものすごくイカツイMIX&サウンドの楽曲ですね、、、これドラマ主題歌だったんだぜ。

シャ乱Qベスト~四半世紀伝説~
シャ乱Q
Sony Music Direct
Release: 2013

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森高千里

ミニスカートと脚線美も強烈でしたけど、日本の作詞概念を変えたと言われるほどの斬新な歌詞とあの、村上”PONTA”秀一を唸らせるドラム叩いたり、シンガソングライターとしてものマルチな才能を発揮していたお方。
リッケン600シェイプのカッコイイギター、森高モデル。これ気になるんだよね、たまにオークションで見かけるんだけど、殆どがMB-68(60,000円くらいの定価)のデタッチャブル仕様のヤツ。受注生産の上位機種にMB-120(120,000円くらい)というセットネック+エボニー指板仕様があったんですよ。絶対イイ音するに決まってる。ウワサによるとソリッドのアルダーボディなのに2.2kgしかないとか。結構探してる人も多いはず。

しかし、このギター持ってる立ち絵と弾き方、クソかわええな。

それにしても二人の子供の母となった今でも声も美貌も全く変わっていません。。。

余談ですが、℃-ute武道館に森高さんがサプライズで登場したときに「つんくが〜、つんくが〜」と言っておられて違和感というか会場内もどよめきみたいなものがありましたが、森高さんのほうが事務所の大先輩なわけで。ちょっと面白かった。

浅香唯モデルというものもあった。ミディアムスケールでピンクのSTシェイプの。「浅香唯ってギター弾くの?!」って訊いてはいけないそうです。

ザ・シングルス
森高千里
Warner Music Japan
Release: 2012

Amazon

五十嵐sun-go美貴 - SHOW-YA

泣く子も黙るSHOW-YA姐さん。sun-goモデルですよ!サソリ!サソリ!
山本恭司のSGやTAIJIのクリミナルやらジャパメタはボディにラメのTATOOみたいなシンボルマーク入れてましたよね、みんな真似しようとカッティングシートで頑張っただろ?
いや、しっかしめちゃくちゃかっけぇな、おい。

おい、いくつだよ!この人たちに老いや劣化はないのか!
当時は生で観た事なかったんだけど、復活後のライブはもう意味解らないくらい泣きながら両手上げてた私。
復活しても当時のビルを使ってます。嬉しいですねぇ。テッシーがアイバニーズからヤマハに持ち換えちゃったり、そりゃ好みも変わるのは解るけど、そのまんまの機材使ってるのは何か凄く嬉しい。

ゴールデン☆ベスト
SHOW-YA
Universal Music
Release: 2012

Amazon

この他にもECHOES伊藤浩樹モデルや、B’z結成前の松本孝弘モデル、X-RAYの湯浅晋モデルなどがありました。
海外アーティストモデル、ロイ・ブキャナンモデルやジョー・ペリーモデルもありましたけど、このモデルを本人が実際使ってたかどうかは不明。

そんなアーティストモデルに力を入れていたBill Lawrenceギターですが、90年前後くらいから奇抜的なシェイプとペイント等のアーティストモデルに主力をおいたフェルナンデスを始めとする他国産メーカーに押され、段々市場に出回る数も少なくなっていった気がする。あと、カタログ・広告デザインが壊滅的にダサかった。

最後にビルブランドのギターを店頭で見たのはラッカー仕上げでライトなレリックが施してある細身のストラト。
その後はHarmony Stratotone系の細身のLPシェイプみたいなモデルをシャケが使っていたり。受注生産みたいな形で一部アーティストに提供してるくらいだったのかな?それから数年、とっくに無くなったと思っていたものの、2005年くらいだかスピッツの草野マサムネモデルが出た。フェンダーサイクロンみたいなヤツ。受注で30万くらいしたと思う。

ピックアップ含めて、ギターもかなりコアなマニアがいるブランドなので、各モデルの詳細やらなんやらは省きますが。

ヘッドがダサイって?このフックのカッコ良さが解らない人には縁のないブランドですが。ダサイ、ダサイ言っててもヌーノモデルもこの形だぜ?一応、ヌーノ本人デザインってことになってますが、あれだけBill Lawrenceのピックアップにこだわっている人がこのブランドのギターを知らないわけがない。それともWashburnの関係なのかな。

ナカヤマアキラ Washburn N4 スペシャルインタビュー

ヌーノモデルのことならヌーノより知ってるんじゃないかとも言えるこの人を。

Wilde Pickups Open House August 14, 2010

最後はビル氏がギターをつま弾く貴重な映像。
バッハの調べを聴きながら日本ギター業界の父、H.S. Andersonの生みの親、椎野秀聰氏の『僕らが作ったギターの名器』を改めて読もう。この本はギターのみならず、モノ作りに対しての技術者情熱が伝わる素晴らしい内容です。


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  • たくみ

    THE WELLS 土山啓一モデルも思い出深いです。L-500を二発積んだテレキャスターシンライン(fホールはリッケンバッカー型)。ミュートマジャパンでWorking Machineのライブ映像が何度も流れてました。

    • fuyu_showgun

      あー、WELLS懐かしいですね!何かCMソングの印象強かったです。
      シンライン、何となく覚えてるような、、、ナチュラルのシンラインはよく弾いてたような、、、