楽器好きあるあるバトル「昭和生まれ × 平成生まれ」


英語の日本語表記って時代によって変化したりしますよね。Nestléがネッスルからネスレになったり、DENONがデンオンからデノンになったり。

楽器業界ではIbanezがイバニエズからイバニーズ、そしてアイバニーズに。会社&メーカー名なら社名変更なのでその変革もハッキリしているのですが。いざ、呼称となるとその辺が曖昧だったりします。そこでジェネレーション・ギャップを感じることも。

EMG

Zakk Wylde of Black Label Society @ Electric Factory
photo by Maclyn Bean

エーマーゲー × イーエムジー

言わずと知れたアクティブ・ピックアップのパイオニア。ドイツ語読みか、英語読みかの違い。ツェーマンゲーセン(15,000円)なんていうバブリーな業界用語的なにおいもプンプン。その影響もあったんでしょうか。

C(ツェー)、D(デー)、E(エー)…、音名をドイツ語読みするのはクラシックの世界。でも、フォークブームから80年代あたりまではギターコードもドイツ語読みするのが一般的でした。EMGはドイツの会社なので、間違ってはいませんが、今は万国共通で「イーエムジー」です。ヘッドフォンで有名なAKGもドイツの会社ですね、「アーカーゲー」という昭和スタイル、『けいおん!』以降は「エーケージー」です。

ちなみに、スティーブ・ルカサーのヴァレー・アーツや日本だと布袋寅泰の影響で80年代に大流行したこのEMG。近年はハイゲインご用達として81, 89あたりのハムバッカーが持て囃されております。良く言われる「EMGはアクティブ臭くてキライ」なんて言ってる人は、実際EMG使ったことないだろ?バスウッドやフロイド・ローズあたりのクセの出ないギターに搭載されていることが多いので、そういっや印象を持たれがちだけど、ヴィンテージ仕様のスペックのギターに載せると印象が大分違うと思います。所謂“枯れた音”ではないけど、今まで聴いたことないような周波数が出てるといいましょうか。パワーがあると思われがちですが、実際はエフェクトのノリが良いというだけで、別にパワーはあるほうではないです。ハイゲインピックアップのような「おまけしてくれる」感は少なく、逆に素のニュアンスが出やすいので弾き手を選ぶ感じです。「アクティブ臭さ」を強いてあげるのなら、音を出さないときの「サーッ」というノイズサプレッサーのようなところでしょうかね。最近ノイズサプレッサーってあまり聞かなくなったなぁ。

クリーントーンがきらびやかで美しいので、意外とカントリーに向いてるピックアップだったりします。
 

GHS

ガス × ジーエイチエス

アーニー・ボール、ダダリオと並んで人気の弦メーカーです、定番の“Boomers”。有名どころの中では1番テンションがキツイんじゃないでしょうか。私もエレキ弦はもっぱらコレです。

GHSを無理矢理「ガス」と読んでる?という話なんですけど、実は違います。以前気になって調べたことあるんですけど、昔のパッケージに“Gusなんちゃら”という表記があったとかで、当時は日本であまり有名なブランドではなく、その“Gus”の印象が強くて、そう呼ばれるようになったとか。それが“Boomers”のようなシリーズ名だったのか、何かのキャッチフレーズだったのか、ちょっと記憶が曖昧で、改めて調べてみたのですが解りませんでした。未だに“ガス”で販売している店もありますが、いうまでもなく、正式名は「ジーエイチエス」です。
 

Roland JC

ジャズコ × ジェーシー

ローランドの名アンプ、JC。最近はジャズコどころか、ジャズコーラスと呼ぶ人も少なくなりました。布袋寅泰世代はやっぱジャズコですよね。いつのまにかみんな“ジェーシー”と呼んでいて、時代を感じました。
 

PRS

ポール・リード・スミス × ピーアールエス

言うまでもなく「ポール・リード・スミス」が正式名称であることに間違いないんですが、そう呼ぶと若者からおっさん扱いされます、「ピーアールエス」です。サンタナが使ってる超高級ギターというイメージで、上手くなきゃ持っちゃいけないギターの代名詞でしたが、90年代中期あたりから多くのヘヴィロックバンドが使いだしたことにより、大分敷居が下がりましたよね。
 

Mustang

Japanese Voyeurs, 2000 Trees, Upcote Farm - 16 July 2011
ptoho by Jacqui Sadle

マスタング × ムスタング

発音的には「マスタング」です。フェンダー・ジャパンが設立されたとき(1982年)、同自動車名と混同されないように「ムスタング」で採用したという説が有力です(実際は登録商標問題があったのかもしれません)。というのも、以前のブログで私がこの説を唱えたら、Wikiが書き換えられてた…。実際は本家フェンダーにおいてムスタングは長い間、製造中止状態でして、そんな中、本家直系で設立されたフェンダー・ジャパンが「ムスタング」という表記を採用したというところが重要なわけです。

現在、フェンダーUSAにおいてレギュラー販売されているムスタングは全て、フェンダー・ジャパン製のもの。カート・コバーンモデルも、本人が晩年使用していたムスタングもフェンダー・ジャパンが贈呈したものです。ちなみにUSAからシグネイチャーが出た、Charさんは自分のモデルのことを「マスタング」と発音してます。

ちなみに現在のフェンダー・ジャパンは本家フェンダーUSAとは一切関係がなく、神田商会が商標とコピーライセンスの許諾を得ているだけのオリジナルブランドです。
 

Zemaitis

Zemaitis Guitar Display
photo by sleestakk

ゼマティス × ゼマイティス

布袋やロン・ウッド世代は前者、GLAYのHISASHI以降の世代は後者でしょうか。
発音的には昭和生まれの「ゼマティス」が正しいです。
 

Duesenberg

デューゼンバーグ × デューセンバーグ

ドイツのギターメーカー。ロン・ウッドのギターコレクションにたまに登場するくらいの珍しいギターでした。椎名林檎の使用で一気に有名になりましたね。当時はどこのメーカーか解らなくてグレッチだと思っていた人が多かったんです(そう紹介した雑誌もありました)。当の林檎嬢も最初はよく解らないで使っていたようで「デュードリッヒ坊や」と呼んでました。のちに彼女は「デューセンバーグ」といっておりますが、「デューゼンバーグ」が正しいです。有名なドイツ車と同じ発音、代理店のホスコ(細川)も「デューゼンバーグ」と表記してます。
 

Tuner

Tuning Fork
photo by Shaylor

チューメー(チューニングメーター)× チューナー

チューメーどころか、チューニングメーターという人も殆ど居なくなりました。
先日コレクターズの加藤ひさし氏が自身のポッドキャスト番組で「チューメー」と発言して、急に思いだしました。

余談ですが、昭和生まれ吹奏楽世代にお馴染の「バンドピープル」という雑誌がありまして。その中で東京佼成ウィンドオーケストラのホルン奏者、西郷雅則氏がヘンテコなDIYする連載があったのですが、「チューナーのエレキギターをさすINPUT端子にイヤフォンさしてそれに吸盤(金管楽器用)や洗濯バサミ(木管楽器用)を取り付けてベルに貼れば合奏中でも自分だけの音程が確認できる」という当時画期的な発明した(1990年)けど、今となってはどこのメーカーも採用してるし、完全に特許ものでしたね。
 

Top, Side, Back

IMG_7814
photo by Scott Lenger

表板・側板・裏板 × トップ・サイド・バック

アコースティックギター材で使われる言葉です。今は英語で言うのが一般的ですね。
「ひょうばん・そくばん・うらばん」と言っちゃう人も多いですが、正しくは「おもていた・がわいた・うらいた」です。ヴァイオリンもそうです。
 

歪み

Big Muff
photo by Maxxon

ゆがみ × ひずみ

初心者勘違いあるあるですが、実は「ひずみ」になったのって、バンドブーム期の機材誌が多く出回るようになってからだった思います。BOSSのカタログで「ひずみ」と読ませるような記述があったり。

それまでは結構曖昧で、雑誌も楽器メーカーも平然と「ゆがみ」と書いてるものが多く出回っておりました。よくよく考えれば“distortion”の和訳って“曲解する”「ゆがみ」のほうが近いんですよね。「ひずみ」だと“bend”のような気がしなくもないような。まぁ、個人的な印象ですが。

* * *

 
時代が変われば呼称も変わります。

「チョッパー」が「スラップ」になったり、「ライトハンド」が「タッピング」になったり、ここに上げたのはごく一部で、まだまだ色々ある思います。


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