「何度も観たくなる」アイドル興行の遊園地システム

〈Berryz工房デビュー10周年記念コンサートツアー2014秋 ~ プロフェッショナル ~〉初日公演に行ってきました。内容については触れません。来春で無期限活動停止が発表された今、色々感慨深く観てしまうところも多々あれど、それを抜きにしても「Berryz工房のライブにハズレなし」という10年の貫録と楽しさを堪能出来ました。残された時間、出来るだけ多く観ておきたい!なんて言わないよ。だって今までも観られる公演は出来るだけ観てきたから。

何度でも行きたい遊園地

「同じ公演を何度も見る」昔はこの感覚が解らなかったんですよ。ロックバンド/アーティストであればツアー内多くて2回くらいでしょう。もちろんツアー追っかけ状態の熱狂的なファンもいるけど、それは一部。でもハロプロってそういうファンが多いんですよね。どのグループもツアー内で都内近郊の公演が複数あるし、1日2公演だし。セトリも基本は同じ。生演奏じゃなくてオケだからバンドマジックみたいなものもないし。もちろん歌だけもマジックみたいなのはあるけど。じゃ、なんで何回も観たくなるのかというと予定調和からの安心感とでも言いましょうか。宝塚を始めとする観劇ファンが同じ公演を何回も観に行くことであるとか、クラシックのコンサートは、演奏曲目を事前に発表するわけだし。そういうものに少し似てるのかな。そして何より圧倒的な公演数が何度も行きたくなる誘惑、いわば“遊園地感覚”のハロプロシステムは改めて凄いなと。飢餓感煽って動員稼ぐキメ打ちの大箱に行く方向とは真逆。世の中的には地味だけどね。

ユーザーへの誘導として「CDを複数枚買わせる」というのは、はっきり言って“ブラックに近いグレー”じゃないですか。でも「ライブに何回も来させる」ことはステージに立つ側・作る側に取って目標でもあり、最高の誉れでもあるわけです。

ハロプロの興行主体エンタメ

この辺はハロプロ最強システムともいうべき、興行主体のエンターテインメントだからこそ成せる業。「LOVEマシーン」で一世を風靡してから今のアイドルブーム以前の間、世間からは忘れられていた節もあったモーニング娘。がちゃんと数千人規模のホールツアーをやっていた、というハロプロの底力はよく話に挙げられるけど。流行に左右される浮遊層よりも根強いファンをガッチリと掴んできた強みでもある。ある意味中毒状態にされるわけです。だって、どのグループも平均して1年で2回の全国ツアーがあって3枚のシングルが出て、ハロプロ全体のコンサートが2回もあって。真面目にファンやって追っかけてたら、他に流れる余地はないわけ。こんなに興行やってるアイドルいないよ。

そんなハロプロもここ数年は個別握手会なんてものも増えましたが、接触イベントは賛否両論あれど、そのせいで興行を減らすようなはないですからね。他アイドルって、ぶっちゃけ興行よりも接触重視になっちゃてる節もありますし。

接触の数でCDセールスに影響が出るのも事実で。そういう意味ではセールスよりもライブ動員に人気を計るなんて。会場規模で人気ランク付けするみたいなものも最近よく見かけるんですが。それこそファンの飢餓感煽ったり、絞りに絞って、一発決め打ち大箱公演やってるところと、ちゃんと定期的にホールツアーやってるところの最大規模を比較しても全く意味ないと思うんだけど。そりゃ、世の中的な派手さで言えば前者のほうが派手に見えるし、話題にもなるし、ブレイクに繋がる節もあるとは思うんだけど。そもそもブレイクってなんだよ?

エンターテインメントの理想形態

変な言い方だけど、多くのファンを増やすことよりも一人の客単価を上げるというのは時流の影響下を受けにくいエンターテインメントのひとつの理想形態でもあるわけです。私が何度か言っている極論「ファンが100人しかいなくとも、その100人が毎月1人10万円落としてくればアーティストは活動していける」。熱狂的なファンを生み出すことが出来るかというね。もちろんそれに見合うモノを提供し続けることが重要なわけですが。

この辺の感覚が、アップフロント/ハロプロ凄いなと最初に感じたことで。それに興行だけでなく、芝居やバラエティ、あらゆるエンターテインメントを提供してるじゃないですか。

Berryz工房ってその集大成だったんじゃないかと改めて思ってます。黄金期と呼ばれる全盛期モーニング娘。の流れを受けてデビューして、冬の時代を通って今のアイドルブーム至る。2000年代アイドル時代のすべてを体感してきたんだなと。

だからね、常に色んなものを提供してくれて、何かしら遊園地感覚で足を運べたグループが居なくなっちゃうのは寂しい。春以降、メンバーが歌を続けるのか、他の芸能活動をするのか解らないけど、それを応援する、見守るにしても今までのようなわけには行かないんだなぁと。好きな女優や芸能人とアイドルって根本的に求めているものが違うんですよね。

「歌って踊って演技やってバカやって」何でもやる稀代の存在が見られなくなる寂しさ。バンドの解散とかと全く違う感覚だなぁと。

この記事をシェアする
follow us in feedly

どうせ何か買うならココ↓踏んでから買ってくれるとうれしい