ヘドバン!お立ち台!長渕クラッカー!ファンノリを考えるの巻 - ジェイロック回顧主義 #15

執権:前回のつづきのフリ文化なんだけど、ヴォーカルじゃなくて“振りのお手本”みたいな煽り担当がいるバンドがあるんでしょ?




将軍:jealkbとかね。初見の人はノリやすいかもね。でもそれを言うならダンサーがいる米米CLUBの延長みたいだと、いやちょっと違うな。でもDragon Ashだって。煽りとか振りのお手本というわけじゃないけど。

https://www.youtube.com/watch?v=B_DJwJ2Vgzg
執権:Dragon Ashかぁ。ダンサー入るってきいたときは何考えてんだ?なんて思ったけど。うーん、まぁ、広い意味でのエンターテインメントショーってことで(笑)

だから、EXILEみたいなもんだよ。

お立ち台とヘドバン

──それはそうと、ヴィジュアル系バンドって、ヴォーカルがお立ち台に乗るでしょ?あれはどの辺から始まったのかね。

どうなんだろうね。DIR EN GREYが広めたのはあると思うけど。あれは京さんの背が(ry
DIRは踊るわけじゃないし、フリ含めてPierrotが流行らせたんだろうなとは。何となくだけど。でも絶対ジュリアナあたりにヒントはあったと思うんだけどなぁ。




──パラパラ影響下もあるしね。昔から、転がし(足下のモニター)に足掛けて乗ったりみたいなことは昔からやってたじゃない?

でも昔のライブハウス界隈ではダメだったんだよ。モニタースピーカーって高級だし、安定性もあまり良くないから。ジュンスカあたりが足掛けて歌って、それをみんなマネしようとしたんだけど。大概ハコの人に怒られるんだよ。メジャーアーティストの真似をアマチュアがしちゃいけない。今はそうでもないんだけど。

──だから、足掛け用に箱馬使ったり、最終的にお立ち台までエスカレートしていったのかなぁ。

演出の影響もあるだろうしね。DIRは元々黒夢のローディーだったでしょ。昔、清春がステージで首吊ってたんだよ。だからアレが元ネタなのかもしれない、首つり台 苦笑
でもね、ステージにプロンプターっていう、歌詞が出るテレビモニターを置く大物アーティストも多いんだけど。今は液晶モニターで、当たり前だけど昔はブラウン管なわけよ。それを利用してお立ち台として利用してたバンドがいました。ガンズ・アンド・ローゼスっていうんだけど。

https://www.youtube.com/watch?v=FViSh5-sAVY
──ガンズがやってたか(笑)この辺の感覚は万国共通なのかもしれない。

MERRYは学習机だけどね。

https://www.youtube.com/watch?v=1p6WY_nY89k
 

ヘヴィメタヘドバン

──ヘドバンとかどうなの?もちろん、向こうから来たのは解ってるけど。広めたのはジャパメタっていうよりもインディーズの頃のX界隈かね。

ジャパメタは少しアイドル要素があったから。そういう意味では、XやGUSTANKあたりの鹿鳴館ノリなのかな。『元気が出るテレビ』もあったけど、あれは茶化しのバラエティだったじゃん。『イカ天』当時、深夜番組で『ヘビメタ虎の穴』っていう番組やってたの。野沢直子司会で。こっちは硬派にヘヴィメタバンドの紹介。金網越しでスタジオライブやってたんだよ。LADIES ROOMや東京ヤンキースあたりはここから火がついたと思われる。

──やっぱり、エクスタシー勢強しってことか。

でも、ことヘドバンに関して言えば、エクスタシーよりフリーウィルのほうが印象強いかも。エクスタシーは少し大きくなってメジャー感あったし。フリーウィルのほうがパンキッシュな感じ。それこそ、かまいたち〜幻覚アレルギー〜THE DEAD P☆P STARSの流れ。かまいたちはみんなブースカのぬいぐるみ掲げて。かまいたちにかけて“鎌”もってるヤツがいたり無法地帯だったからね(笑)席無視の無差別スタンディング状態の渋谷公会堂のLAST LIVEが伝説です。

──CRAZEの「おまえら、席関係ないから前こいや!」で出禁になった話を思いだしました。

でも、当時は好き勝手にヘドバンやりたい人はやってる状態だったから、今みたいにみんな揃えてヘドバンみたいな風潮はSEX MACHINEGUNSからだと思うけど。

アーティストそれぞれのノリ

──ライブでアーティスト各々のお決まりの盛り上げ方があるじゃない?矢沢永吉のライブでタオル投げるとか。ああいうのは面白いよね、始めて観に行く人にとってはやっぱそういうのやりたいじゃん。Xジャンプとかさー。あ、そう言えばXジャンプと筋肉少女帯のダメジャンプの違いってなんだ?

それ、オーケンが「Xジャンプをパクった」と言ってたよ。

「勇次歌うぞぉおおおおーーー!」→クラッカー用意

──なんだよ(笑)。ああいう、独自の盛り上げ方で印象的なのある?

うーん、なんだかんだ言って、長渕剛のクラッカーかなぁ。

──「勇次」だっけ?あれ、会場的に問題ないの?消防法的に。

そりゃ、ダメでしょう。見つかったら没収されるし。主催者も強要しちゃいけないから。だから必ず本人がやる前に「勇次歌うぞぉおおおおーーー!」て叫ぶの。あれはずっと「クラッカー用意しやがれ」っていう客に対しての合図だと思ってたんだけど、実は会場内警備たちへの合図にもなってるんだよね。その一声で警備員の目の色が変わる。客は、見ず知らずの隣の人に「クラッカー待ってますか?」って言うんだよ、持ってなかったあげる、警備員の目を盗んでのその駆け引きがスリリングなわけよ。向こうも全部没収出来るわけないとは思ってるけどさ。




3:45〜「撃鉄が落とされ」

──防ぎようがないもんね。結構もう古いお決まりでしょ。

「勇次」のリリースは1985年なんだけど、最初にクラッカーが鳴らされたのは「LICENSE」ツアーだから1987年。それ以来ずっとだから27年か。そう言えば、この87年の武道館以来、一時期武道館でライブやってなくてさ、消防法的にヤバかったから使用禁止になったという噂が。クラッカーもそうだし、ライブ3時間くらいやるから(笑)

──武道館は他会場より厳しいって話あったよね。ピックすら投げちゃいけないとか。

特効使うか使わないかで、使用料が変わるみたいな会場もあったし。その辺が厳しいのが武道館で。特効使うなら興行で抑えるんじゃなくてサーカスとして許可貰わなきゃいけないという。ラルクのkenが一時期くわえタバコでギター弾くのがトレードマークになっていた時代があって。でも武道館は火気厳禁だから電子タバコを吸ってた、みたいなね。
でもいつからかアリーナがスタンディングOKになったし。その辺は緩和されたんだろうな。ちなみに長渕がそれ以降で次に武道館立ったのは1993年です。その間のファイナル会場は東京ドーム、横アリ、代々木体育館だった。

──長渕ライブって拳上げてるじゃん?あれ公演中ずっとやってるの?

バラード曲以外は、ずっとやってる、正直めんどくさい(爆)
でも昔は手拍子だったんだよ。92年の東京ドームかな、あのときはギター1本だったから、コール&レスポンス的に「ヘイ!ヘイ!」で拳上げて盛り上げたんだよ。それが終盤戦のお決まりで定着して。忘れもしないのが96年のツアー。『家族』っていうアルバムのツアーだったんだけど、1曲目が「三羽ガラス」という歌なんだけど、「ヘイ!ホー!ヘイ!ホー!」っていう掛け声で始まるんだよ。ライブもオープニングがそれでさ、緞帳に浮かび上がった長渕シルエットが「ヘイ!ホー!ヘイ!ホー!」って叫ぶのよ。もちろん客もやるんだけど、その曲は勿論、次の「しゃぼん玉」まで拳上げるノリで始まりやがって(苦笑)。そんなノリじゃないのに。まぁ、色々あって復活後のツアーだったし、極真空手をかじり始めた頃だから(爆)

──長渕ライブってその頃からある意味、宗教的なノリになった?

いや、こと盛り上がりに関しては、デビュー当初からあったみたいだけどね。昔のフォーク歌手って、座ってたでしょ?エレアコなんて信用できない時代だからギターにマイク立てて。「演者が座ってるのに客が総立ちになるライブ」というので有名だった。

──ライブのノリの違いって面白いよね、アーティストの個性が出るというか、それこそ「ファンはアーティストの鑑」なんだなって。単純に男性客と女性客の比率だけでやっぱり雰囲気もノリも変わるのは当たり前だけど、V系でもバンドによってじゃ全然違うわけじゃない?DIR EN GREYとかなんか恐いもん(笑)

DIRはアンコールとか凄いもんな、惰性でやってない感じ。男性中心のファン、アイドルグループと声優アイドルじゃノリもまた違うし。浜崎あゆみだと女性多いんだけど、ジャニーズや韓流とは全然違う。あれは凄いのよ、なんというか説明出来ないんだけど(苦笑)

──深いな。土着文化な部分は大事にしたいよね。どっかのフェスみたいにアイドル呼んどいて、サイリウム禁止みたいなのはよく解らない。

「郷に入っては郷に従え」はあると思うけど、自分たちの物差し押し付けるのはちょっとなぁとは思ってます。そういえば、こないだ厚木のBerryz工房が出たイベントが面白かったんだよ。これなんだけど。

ベリヲタのお祭り騒ぎ

青年会議所の人がBerryz工房とベリヲタに感動している | ハロプロキャンバス

──「この人たちはオタクなんて揶揄されるものではなく、応援することに誇りと礼節を持つプロなんだと思いました。 」って、何したらこんなこと言わせるんだよ(笑)。青年会議所のお堅いお偉いさん相手に。

まぁ、ざっくり言うと夜のBerryz工房のライブの優先席取るために朝から並んで偉い人のご高説を聞かなきゃいけないとか色々あったんだけど。それすらもすべて全力で盛り上げてしまったというね。ここにまとまってるけど。

Berryz工房スッペシャルライブin「厚木大会」レポまとめ | ハロプロキャンバス

──ハロヲタ、ベリヲタ強いな。前も何かこんなことあったよね?

撃鉄とか、jealkbのやつね。色んな人が出て盛り上がるイベントも多いけど、出てる人が他のファンに向かって褒めるってことはなかなかないと思うのよね。こういうの大事。ミ○チル地蔵や場所取り問題云々ある中で、考えさせられるわけですよ。マネしろっていうわけじゃないけど、というかやろうと思って出来るもんじゃないからね。これはBerryz工房お祭り気質、つまりはアーティスト自体のノリや考え方みたいなものがファンに良い影響が出た好例なわけです。ファンはアーティストの鑑ですな。

──いい年したおっさんたちが自分の娘世代のアイドルに教育されて出来上がったって感じか。

ファンのライブノリが一番凄いのは長渕剛だと思ってました。Berryz工房に出会うまでは。

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