White Zombie ホワイト・ゾンビ「ラウドロック界の最重要怪獣バンド」

ハロウィンだからといって何するというわけでもないんだけど。昨日の記事のようなモンスター(メイク的な意味で)要素たっぷりなバンドは大好物なわけで。(☞ ジョンです ウェスです ジムです「化粧オバケ変態ギタリスト三銃士です!」)なので、White Zombie(ホワイト・ゾンビ)をひたすら聴く日と心に決めております。

R35〜40世代には影響を受けた、よく聴いてた人も多い、まさに“後世に語り継ぎたい伝説のバンド”。メタルからの90年代オルタナ/ラウドロックへの掛け橋として最重要なバンドです。同時期にはKORNやRage Ageinst The Machine、メタル寄りにはHELMETやPANTERAも居たけど、攻撃性があって、どこか暗いイメージのそれらのバンドと比べるとホワイト・ゾンビは陰鬱さがなく、派手でキャッチーで解りやすかった。ラウドロックが市民権を得る過程での貢献度は非常に高い。特に日本では、(後述)

Rob Zombie(ロブ・ゾンビ )の強面イメージはなんとなく知っていても、昔組んでいたホワイト・ゾンビというバンドに関してはあまり良く知らない、という人のために。リアルタイムな人は懐かしんでください。

White Zombieとは?

White Zombie – Electric Head Pt.1 (The Agony) Music Video

1985年ニューヨークで結成、98年解散。1932年のベラ・ルゴシ主演のゾンビ・ホラー映画『White Zombie(邦題:恐怖城)』から取ったバンド名。ベラ・ゴルシに関しては、ホラー・ゴシックロックにおいても重要な人なのでコチラの記事を(☞ ゴスとポジパン講座の巻 - ジェイロック回顧主義 #1.5)。テストに出るよ!

White Zombie – Black Sunshine – Thunder Kiss 65 – I Am Hell – Live – MTV Halloween 93

西洋ホラーのどことなくユーモア溢れる要素を上手く、ロックに組み込んだルックスとサウンドで人気を博す。オジー・オズボーンが吸血鬼/血といったリアルな生々しいホラーを体現していたことと比較するとホワイト・ソンビはモンスター/ハロウィンといったキャラクター性をコミカルに昇華した、子供から大人まで幅広く受け入れられるようなホラーアイコン。この辺はヴォーカル、ロブ・ゾンビがバンド解散後に映画監督やマルチタレントとして活躍し、愛されてることからも解る。

メタルからオルタナ・ラウドロックへの架け橋として

90年代におけるラウドロックブームの火付け役。ジャンル的にはメタルであることに間違いはないのだが、メタルにおけるハイトーン・ヴォーカル、ギターの速弾きなどの要素がない。解りやすいリフ主体の楽曲に人を喰ったような歌い方、そしてキャッチーな歌メロディー。この辺りはインダストリアルにメタルなリフを持ち込んだ Ministry(ミニストリー)にメジャー感を足したとでもいうべきだろうか、メタルやインダストリアルというよりも“ヘヴィ・ロックンロール”という言葉がしっくりくる。リフ主体の楽曲にキャッチーなメロというのは、言わずもがな洋邦問わずラウドロックの主軸となっていく。

そして歌詞。「Mother Fxxker!!」要素もなければ、社会批判もない。ルックスから想像される生々しい血みどろ感すらない。では何を歌っているのかといえば?

「Thunder Kiss ’65」という楽曲がある。

White Zombie – Thunder Kiss ’65

歌詞を見れば、

悶えながら彼女は言った「世界中のモノに乗ってきたけど、コイツにはヤバイ快感があるわ」
痺れるようなキスをしたのが1965年というワケだ!

それをくれ、それをくれ、すぐにくれ!!

一見なんのこっちゃ?と思えるが、要は「1965年製ヴィンテージの車が欲しい」とひたすら言っている歌なのである。

「車」という言葉を出さずに、セクシャルな表現を用いることで歌詞に物語性を生みだす。いうなれば、RCサクセション「雨上がりの夜空に」の逆ヴァージョンともいえる歌。海外詞、特にアメリカは割と単刀直入な歌詞が多いのだが、ロブ・ゾンビには抽象的な作家的な物語描写が多い。そうしたセンスがこのバンドのエンターテインメント性を生んでいるわけだ。

魅惑の緑髪美女ベーシスト Sean Yseult


ホワイト・ゾンビを見たときに小汚い、いや、強面メンバーの中で一際目立っているのが、紅一点、緑髪の美女ベーシスト、Sean Yseult(ショーン・イスールト)

今でこそ、女性ベーシストも珍しくはないが、当時はそれほど居なかった。The Smashing Pumpkins(スマッシング・パンプキンズ)にD’arcy Wretzky(ダーシー・レッキー)がいたが、寡黙でミステリアスな存在のダーシーとは裏腹に、ショーンは下手すりゃロブ以上にアグレッシブなステージングとロックな弾きっぷり、セクシーとスタイリッシュさを兼ね備えたクール・ビューティー。見掛け倒しではない。ゴリゴリのドライブ感あるプレイもバンドサウンドの核となっている。こんなにも存在感のある女性ベーシストはいないだろう。

White Zombie – Live – Super Charger Heaven, More Human, Thunder Kiss 65 – MTV Invade Your Space

華奢な体型とスラリとした美脚でIbanez SRの細身ベースを低めに構えたシルエット最高。かっこいい。つーか、たまらん、ショーンおれだー(ry

解散後はFamous Monstersという自身のバンドを始めたり、今尚ベーシスト&デザイナーとして活動中。現在48歳。

Sean Yseult
WEBSITE

hideが大きく影響を受けた

さて、日本においてホワイト・ゾンビを広めたのは紛れもなく、hideだろう。
海外バンドの最先端サウンドをいち早く解りやすく咀嚼して我々に教えてくれたhide。Nine Inch Nails(ナイン・インチ・ネイルズ)やJane’s Addiction(ジェーンズ・アディクション)など、hideが愛し、影響を受けたアーティストを上げればキリがないが、元ネタのオマージュとして1番解りやすいのは、ホワイト・ゾンビだ。

hide-Bacteria (Live)

ギター、サウンドメイク、ヘヴィなリフにキャッチーなサビ、女性のあえぎ声サンプリングなど音楽的要素はもちろん、デスヴォイス直前スレスレのダミ声歌唱、言葉の詰め込み方、マイクの持ち方、地団駄を踏むような“カニ歩き”の異名を持つステージングなど、その影響は随所にみることが出来る、というか、そのまんまだ。デカイ帽子やダボダボ服など、ファッションにも共通項が見えるはず。

White Zombie – More Human – Live On Late Show w/ David Letterman – 7/14/95

hideが国境を越えて組んだ伝説のバンド・zilchに後年、ショーンが参加したことも忘れてはいけない(2001年)。

Zilch DOUBT FIRE WIRE 2001

ショーンが「Doubt」弾いてるとか、今考えても相当ヤバイ。

Zilch FUCTRACK#6 FIRE WIRE 2001 Sean Yseult(WHITE ZOMBIE)

ショーン「zilchはすごく好きよ。ホワイト・ゾンビよりも好きだわ。hideやRayのボーカルはとても好き。」

リスペクトしていたhideにとっては、最大の賛辞の言葉だろう。

さぁ、歴史的名盤『Astro Creep: 2000』を聴こう。


この記事をシェアする
follow us in feedly

どうせ何か買うならココ↓踏んでから買ってくれるとうれしい