ベリース活動停止によせて「永久に不滅なんだ」って改めて感じてる

Berryz工房が活動休止を迎えて、3週間…
まだそれしか経ってないのか。もっと経ったような気がする。

今更ですが、リアルサウンドで書かせてもらったヤツ。

あまりにすばらしい最後であり、何より楽しく充実感に溢れた有終の美。11年間のアイドルすべて、グループの最期として最高の、いや、その名目なくしても最高レベルの興行だったんじゃないだろうか。あんなもの見せられたら、もうこの先ずっと勝手に美化されて生きて行くしかないじゃないか。ちくしょう。

自分がなぜBerryz工房にハマったのかということを考えると、アイドルの概念をブチ壊してくれたということ。それまではアイドルにハマったことは一度たりともない。別に嫌ってたわけじゃないけど、興味が持てなかった感じ。「歌は別に上手くない」「年ごろの女の子が和気あいあいしてる」「常識がなくて高飛車」、、、みたいなイメージがあったり。ただ、それは偏見というよりも、琴線に触れるか触れないかの話。その辺を一切合切ひっくり返してくれたのが、Berryz工房だった。

「私の未来のだんな様」 (MV)

知れば知るほど、興味深くて面白くて飽きない。次に何やらかしてくれるのかわからない未知の部分も。自分はアイドルだろうがバンドだろうが、やっぱり“歌”あってのものだと思ってるから。この“歌”というのは、歌唱そのものも、もちろん含まれているんだけど、楽曲と歌い手、双方で作り出されているもの。バックボーンやキャラクター含めてのトータルの話ね。

アイドル?アーティスト?「なんとかならねぇかな」

やってることがね、ある種アーティストレベルというか。大人の介入がなくて、自分たち発信でやってる。何を以てしてアイドルなのか、アーティストなのかというのは色々あれど、アイドルというのは歌、楽曲、コンセプト、見せ方、プロモーション、、、すべてにおいての総合芸術であり、それを大人たちが作り、“やらされてる感”があることが一番大きいと思う、悪い意味じゃなくてね。逆に自分の意志を持って表現しているのがアーティストなんじゃないのかって。だから、別にスキルが凄いとか楽曲制作するからアーティストというような上辺なものではなく。じゃあ、Berryz工房はアイドルじゃなくて、アーティストなの?といえばそうじゃない。誰が見たって見たって紛れもなくアイドルなんです。だからすごいの。

「アーティストよりアイドルを下に見る」みたいなことは、炎上の釣りネタになるわけだけど、結局それに異を唱える人のほうがそう見てるじゃん。成長だとか、未完成だとか、もっともらしい言葉で誤魔化してるけど。楽曲派()な人たちだって、結局は「クオリティの高いトラックに平坦な歌」が好きじゃないですか。だから、そういう人、ネットに強い御意見番インフルエンサー的な人たちにとって、Berryz工房はプロッフェショナルすぎて、完成されすぎていて面白くなかったんだと思う。上から目線で語れないというか。だから、今までアイドルに見向きもしなかった媒体がブームに乗ってこぞって手のひら返したとき、ハロプロに触れても、何故かBerryz工房だけキレイにスルーされていたじゃないですか。

個人的には「好きだ」という感情はもちろんなんだけど、「なんとかならねぇかな」という思いも大きく。この感情は簡単に言ってしまえば、“布教”のような「もっと評価されるべき」ということなんだけど、「もっと売れなきゃおかしい」ということでもなくて、いうなら「解る人には解るだろ」感覚。この“解る人”がまだどこかに居るんじゃないのか、というさ。

「アイドル戦国時代」におけるラストサムライ

同じく、リアルサウンドでラスト前に書いたもの。

「アイドル戦国時代」なんていう言葉もあったけど、それを云うのなら、Berryz工房はラストサムライだったんじゃないのかなって。セールス、動員、そうした格差競争が露骨なアイドルシーンで、そこから離れた場所で自分たちなりのものを貫いてきた。それは普遍的なアイドル像であり、表現者としてのプライドであったり。そんなこと本来は当たり前のことなんだけど、それこそ個性だとか、存在含めてアイドルシーンの中では異端なんて呼ばれて、“アイドルDD”な人たちからは敬遠されてた。時に内輪受けとかも言われてたけど、そもそもアイドルシーン自体が音楽シーン/エンターテインメント界の中では極地帯ですから。今はいろんなアイドルがロックバンドとのコラボだったり、ロックフェスへの参加だったり、他ジャンルへの裾野を広げようとして。ロック好きがアイドルに目覚めることも少ないけど、どちらかと言えば、やっぱり嫌ってる層のほうが多いわけ。単に偏見の部分だけでなく、興味はあっても「CDたくさん買わなきゃ行けないんでしょ」「握手会行かなきゃいけないんでしょ」という。そこに楽しさを見いだす人もいれば、そこを嫌う人もいるんだということ。だから、興味があっても入り込みづらいのが今のアイドル市場。「フェスで観られるから、それだけで満足」というのは、バンドにおいても今当たり前になっちゃってるから、アイドルだったら尚更。

『アジアン セレブレイション』 (MV)

そういう意味では、Berryz工房は今のアイドルの楽しみ方(というよりも応援の仕方)じゃない部分で勝負出来る、根本的なエンタメの楽しさを兼ね備えてたと思う。歌唱やパフォーマンススキルに関しては申し分ないわけだし、そこを越えたライブの楽しさだったり。ただ、この楽しさというのも紙一重で。アイドルやハロプロといういわば、局地フォーマット化された中では正直“悪目立ち”に映る場合も多く、本質の楽しさはハロプロの他グループのファンにもあまり伝わってなかったとも。ただ、それは特定の物差し基準にそぐわなかっただけだと思う、きっかけ含めて。ももちのブレイクだって、あそこまでお茶の間に浸透するなんてファンの誰も思ってなかったし。それこそ古くから“嗣永プロ”と呼ばれる逸話もあったけど、あれこそヲタだからこそ解る話だったわけで。

敷居が高そうに見えて、普遍的で古典的で結構単純なんですよ。ももち然り、「熊井ちゃんは誰が何と言おうと176cm」のような解りやすい予備知識さえ併せ持てば、誰でも入り込める。自嘲しても他人を卑下せず、陰口も暴露も下ネタも言わない、人のコンプレックスに関しては触れない、歌やダンスは出来て当たり前、努力アピールをするものではない、なんて、誰でも解りやす過ぎるじゃないですか。いわゆるファンや“ヲタ”を長くやると麻痺してしまうことなんだけど、内向的なものが実は一番訴求力があることだったりするわけ。そうした部分を考えるともっと色んなところに攻めることは出来たはずだし、攻め方も考えることも出来た。むしろ、攻めるべきは非・アイドルヲタだったと思ってる。

『サヨナラ ウソつきの私』(Dance Shot Ver.)

そういうこと言い出すと、ももちブレイクの際にグループをねじ込むことを何故しなかったのか?みたいな話になるんだけど(爆)。でも例えば、ハロプロじゃなかったとして、他の事務所だったら、もっと賢い売り込みも出来たかもしれない。でも逆にハロプロに守られてきたから、ここまで自由に育ったのもあるし。まぁ、どちらにせよ今更何に言ってんだっていう、妄想レベルの話なんだけど。いや、でもこういう個人レベルの妄想がいろいろと出来るということ自体が素晴らしいわけ。何となく、ルーチン化されたようなアイドルマネジメントの中で色んな可能性を秘めてたし、だからこそ今改めて惜しいと思えるなんて、そうそう中々いるものじゃない。

“可能性”を残しつつの有終の美

モーニング娘。が9期加入でフレッシュ感を出し、℃-uteが今のアイドルシーンに寄り添って変わって行く中での疎外感はあったと思う。だから内輪受けとも言われたし、一時は停滞感があったことも否定は出来ない。そんな中、ももちのブレイクで他メンバーの意識が変わった。いや、変わったというよりも、今までやって来たことに対しての自信を明確な形に現した、という感が強い。「私たちのやってることは間違ってなかった」という。

「cha cha SING」フラッシュモブ (屋内編Full ver)

見てる側からすれば、数字だとか動員だとかという上辺の結果よりも、グループから生み出される可能性に秘められた“何か”をもっと知りたかった、観たかったということだったり。その“何か”とは具体的なものではなく、予想のつかない面白みという。活動停止が発表されたとき、そうした色んな意味での可能性があることを、本人たちが気が付かないまま終わってしまうんだったらどうしよう、なんていう懸念もありました。だけど、やっぱりそうじゃなかった。思い返せば、色々闘ってたなと。誰よりも自分たちのことを解ってたし、解ってたからこそ終わりにしたんだと。それを身にしみて感じた7ヶ月であり、ちゃんと形で証明した最後の4日間でした。よく解らない理由で解散、停止、それこそ大人たちが見え隠れたりするアイドルや、今再結成されて伝説のバンドと持ち上げられてるバンドの多くだって、当時はろくな終わり方はしてないし。そんな中、惜しまれつつ、まだ可能性を残しつつも有終の美を飾ったのは、ホントすごいなって。何よりも本人たちが満足感溢れていて、幸せそうだったな。うん、これが一番大事。

今のアイドルブームのヲタ・ファンが作り上げたアイドル像って少し形骸化されてしまった感がある。全力感やサクセスストーリーだとか。でも、芸能・エンターテインメント自体がそもそも非現実的なものでしょう。本来、親近感とは無縁なところにある。全力で必死にパフォーマンスするよりも、余裕綽々としてるほうが、ものすごくスターっぽいじゃないですか。

『永久の歌』(Promotion Ver.)

自分のように今のアイドルブームに疑問符を感じてる人、多いんじゃないかな。そういう人にこそ薦めたい。遅くないよ。アイドル的な応援の仕方を用いずとも、楽しめたグループだったから、この先も楽しめると思うんです。むしろ、現在進行形ではないからこそ、上辺の競争に左右されない本質を知ることが出来るんじゃないかなと思う。ビートルズやBOØWYのようにリアルタイムを知らない世代が知っていくってすばらしいじゃない。それくらい、彼女たちの残したものって大きいんですよ。まだ知らない人たちが、もっと早くに知っておけばよかったと思いながら掘り下げていくんだよ。うん、良いものは語り継がれ、聴き継がれていくんだよ。

今のアイドルブームがどうなっていくのかは誰にも解らないけど、ブームは必ず終わりが来るし、その終わりは明確なものではない。後々になって、あのとき…なんて思い返すものなんです。そのとき、Berryz工房の話なくしてアイドルは語れない、ということになるのも想像するに容易いなって。

『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』 (Promotion edit)

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