PINK CRES.が振りまく新感覚ガーリー&ハッピーオーラ

Berryz工房 夏焼雅率いるPINK CRES.のアルバム『crescendo』がリリースされたわけですが。これが非常に良くできているアルバムでビックリした。「名盤」という表現とは違うんだけど、良くできている。うん、これがしっくり来るな。すごいぞ、夏焼雅、すごいぞ、アップフロント。




このアメリカンなリリックとリズムが絡むサクサク感が絶妙

K-POPっぽいEDM〜R&B、アメリカンなガールポップから80sシンセポップ、今どきっぽくもありどこか懐かしさもある。テイラー・スウィフトとHAIMがLMFAOを連れて騒いでいたと思ったら、どさくさに紛れてカイリー・ミノーグがいた!とでもいうか。イケイケのガーリーなユニットかと思っていたら、意外な懐の深さを感じられた全9曲。それぞれの楽曲の方向性が異なってるんだけど、不思議な統一感があり、どれもJ-POP特有のサビの押し付けがましさがない。悪く言えば、突発したような楽曲はなく、インパクトは薄いのだけど。サクっと繰り返し聴けるこの感じ、この手のアルバムはずっと聴くことができるんだ。残念なのはJ-POP歌謡らしい“歌い上げ”系の楽曲がないため、夏焼雅の艶めかしい歌声を堪能するにはちょっと物足りないかな。そのぶん、ハロー!時代よりキィ低めの曲が多いので新鮮に聴こえる。

サウンドは打ち込み主体にも関わらず、音数もそれほど多くなく、音像も柔らかいので耳障りが良い。制作はアップフロントワークスなんだけど、明らかにこれまでにない音質であり、全曲通して感じられる不思議な統一感はこのサウンドプロダクトによるところが大きい。◯◯っぽいというわけでもない。ガールポップにありがちなコンプをガチガチにかけた派手なトラックではない、新感覚ガーリー&ハッピー感満載のPINK CRES.特有のサウンド。最近はハロプロもバキバキ音質になってしまったからねぇ。




チューバ的な中低音ホーン含め、これまでのUFにはなかった斬新なアレンジ

肝心の楽曲は、PLATINUMなるグループの手によるもの。夏焼さんのSNS見るまで存じ上げなかったのだけど、アップフロントには縁の無さそうなガールズグループ。DJ JURIもそうなんだけど、この謎の人脈は夏焼さん本人のブレーンなのでしょうか? どこか漂うカイリー・ミノーグっぽさは、どうやらテレ朝ミュージックの手腕のようで、妙に納得。もうこれ、アップフロントは元締めというだけで、実質外部制作みたいなものです。

夏焼雅のチート感

「夏焼雅が動きだす」と言って行われたオーディション。蓋を開ければ該当者なしという状態で。YouTubeの情報番組の司会やってる姿を見ながら「おれは歌っている姿が見たいんだ!」と、やきもきしているのをあざ笑うかのように、最終オーディションを見守る夏焼の表情はこの先のビジョンがしっかり見えているように思えた。ああ、この人を侮っていた。何も考えていないようでちゃんと考えている、と見せかけて実は考えていないのかもしれない。うん、直感だとか感性がズバ抜けているのです。

私は残念ながら、夏焼雅がやることすべてを受け入れる度量は持ち合わせていない。去年夏の初お披露目イベントは正直「う〜ん」という感じだったし、<Buono! Festa 2016>で武道館に立った3人の印象もあまり覚えていない。ただ、今どきのサマーソングを歌っているグループという。

完成されたものが好きなんだ。それはアイドルでもバンドでも。だから、デビューしたてのグループが成長する過程を、、、みたいなスタンスは向いていない。であるから、あのときのPINK CRES.をどうこう判断できる余裕もなかったわけ。だから、それ以降の活動は追ってはいたものの、出演イベントには行っていない。

それが、アルバム完成。先日<Buono!ライブ2017 ~Pienezza!~>で先行販売されたこの『crescendo』を聴いたとき、その完成度におどろき、これはちゃんと見ておかないと、と思った。

出演した学園祭のライブ会場は大きめの講義室で、音響も照明もお世辞にも良い環境とは言えなかったが、なんだかよくわからないキラキラオーラに打ちのめされた。自分が好きだった夏焼雅がそこにいた。

ピンククレスのピンクな雰囲気

PINK CRES.の3人の雰囲気はとても良い。10年以上トップアイドルグループのフロント張ってきたスターと、昨日まで大学生だった女子が一緒のグループで活動して一緒のステージに立つなんて、普通どこかギクシャクしてしまうもの。それがちゃんと成立するのだから、すごい。それでいて、気をつかっている様子もまるでなく、普通に仲が良い。

よく、夏焼雅の人間性を表わすと「クラスカーストがダントツトップなのに、いつも教室の片隅で一人本を読んでいる根暗にも屈託なく話しかけてくる美女」なんて言われることがあるのだが。

みや「いつも一人で何読んでるの? どれどれ」

根暗「あ、」

みや「あ〜、私には難しくてよくわからないや」

友人「みや、よくあの子と話できるね?」

みや「え? なんで?」

みたいなさ。

ラジオをはじめとした3人のやり取りを見ていると、ちゃんとフラットな対等の関係が保たれていて。もちろん、表現者としての夏焼さんは一人別格なんだけど、逆に自分にはない大学生やアルバイト含めた社会経験のある2人を、1人の人間としてリスペクトしているところがあったりする。ただ興味本位なのかもしれないけど。あとは、Berryz工房やBuono!の肩書きがなくなった自分のポジションをちゃんとわかってる節も多々あって。そういう過去の実績を鼻にかけないところは、本当にすごい人だなと。

変にセクシー路線でないのも良い。ガールズグループはギスギスか、女子会のきゃっきゃしてる感か、女子なのに男子校ノリか、だいたいそんな感じに分類されるのだが、PINK CRES.は二番目に見せかけて、ちょっと違うぞと。なんか、海外欧米グループによく見られる“女の園”臭がしてしまうのは私の心が汚れているからでしょうか、きっとそうでしょう。PINK CRES.というユニット名もそういう意味に思えてきました。恋愛話する二瓶さんが“ギャルにへちゃん”じゃなくて真面目モードで「私、そっちも大丈夫ですよ」と口にしても驚かないもんな(ヲイ




楽曲もそうだがこの動画がアップされたときも「UFっぽくない!!」と全力で思った

ハロー!プロジェクトを卒業して、進退を自分で決めて自らが中心となって結成した音楽グループとしては初になるわけで、それはハロー!以外のアイドルにおいても「アイドルからアーティストへ」という卒業後の活動の模範になるかもしれないし。

今、PINK CRES.は面白くなってきたのだ。

PINK CRES.
WEBSITE TWITTER
PINK CRES.
crescendo
UP-FRONT WORKS
Release: 2017/06/28

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PINK CRES.が振りまく新感覚ガーリー&ハッピーオーラ

Berryz工房 夏焼雅率いるPINK CRES.のアルバム『crescendo』がリリースされたわけですが。これが非常に良くできているアルバムでビックリした。「名盤」という表現とは違うんだけど、良くできている。うん、これがしっくり来るな。すごいぞ、夏焼雅、すごいぞ、アップフロント。




このアメリカンなリリックとリズムが絡むサクサク感が絶妙

K-POPっぽいEDM〜R&B、アメリカンなガールポップから80sシンセポップ、今どきっぽくもありどこか懐かしさもある。テイラー・スウィフトとHAIMがLMFAOを連れて騒いでいたと思ったら、どさくさに紛れてカイリー・ミノーグがいた!とでもいうか。イケイケのガーリーなユニットかと思っていたら、意外な懐の深さを感じられた全9曲。それぞれの楽曲の方向性が異なってるんだけど、不思議な統一感があり、どれもJ-POP特有のサビの押し付けがましさがない。悪く言えば、突発したような楽曲はなく、インパクトは薄いのだけど。サクっと繰り返し聴けるこの感じ、この手のアルバムはずっと聴くことができるんだ。残念なのはJ-POP歌謡らしい“歌い上げ”系の楽曲がないため、夏焼雅の艶めかしい歌声を堪能するにはちょっと物足りないかな。そのぶん、ハロー!時代よりキィ低めの曲が多いので新鮮に聴こえる。

サウンドは打ち込み主体にも関わらず、音数もそれほど多くなく、音像も柔らかいので耳障りが良い。制作はアップフロントワークスなんだけど、明らかにこれまでにない音質であり、全曲通して感じられる不思議な統一感はこのサウンドプロダクトによるところが大きい。◯◯っぽいというわけでもない。ガールポップにありがちなコンプをガチガチにかけた派手なトラックではない、新感覚ガーリー&ハッピー感満載のPINK CRES.特有のサウンド。最近はハロプロもバキバキ音質になってしまったからねぇ。




チューバ的な中低音ホーン含め、これまでのUFにはなかった斬新なアレンジ

肝心の楽曲は、PLATINUMなるグループの手によるもの。夏焼さんのSNS見るまで存じ上げなかったのだけど、アップフロントには縁の無さそうなガールズグループ。DJ JURIもそうなんだけど、この謎の人脈は夏焼さん本人のブレーンなのでしょうか? どこか漂うカイリー・ミノーグっぽさは、どうやらテレ朝ミュージックの手腕のようで、妙に納得。もうこれ、アップフロントは元締めというだけで、実質外部制作みたいなものです。

夏焼雅のチート感

「夏焼雅が動きだす」と言って行われたオーディション。蓋を開ければ該当者なしという状態で。YouTubeの情報番組の司会やってる姿を見ながら「おれは歌っている姿が見たいんだ!」と、やきもきしているのをあざ笑うかのように、最終オーディションを見守る夏焼の表情はこの先のビジョンがしっかり見えているように思えた。ああ、この人を侮っていた。何も考えていないようでちゃんと考えている、と見せかけて実は考えていないのかもしれない。うん、直感だとか感性がズバ抜けているのです。

私は残念ながら、夏焼雅がやることすべてを受け入れる度量は持ち合わせていない。去年夏の初お披露目イベントは正直「う〜ん」という感じだったし、<Buono! Festa 2016>で武道館に立った3人の印象もあまり覚えていない。ただ、今どきのサマーソングを歌っているグループという。

完成されたものが好きなんだ。それはアイドルでもバンドでも。だから、デビューしたてのグループが成長する過程を、、、みたいなスタンスは向いていない。であるから、あのときのPINK CRES.をどうこう判断できる余裕もなかったわけ。だから、それ以降の活動は追ってはいたものの、出演イベントには行っていない。

それが、アルバム完成。先日<Buono!ライブ2017 ~Pienezza!~>で先行販売されたこの『crescendo』を聴いたとき、その完成度におどろき、これはちゃんと見ておかないと、と思った。

出演した学園祭のライブ会場は大きめの講義室で、音響も照明もお世辞にも良い環境とは言えなかったが、なんだかよくわからないキラキラオーラに打ちのめされた。自分が好きだった夏焼雅がそこにいた。

ピンククレスのピンクな雰囲気

PINK CRES.の3人の雰囲気はとても良い。10年以上トップアイドルグループのフロント張ってきたスターと、昨日まで大学生だった女子が一緒のグループで活動して一緒のステージに立つなんて、普通どこかギクシャクしてしまうもの。それがちゃんと成立するのだから、すごい。それでいて、気をつかっている様子もまるでなく、普通に仲が良い。

よく、夏焼雅の人間性を表わすと「クラスカーストがダントツトップなのに、いつも教室の片隅で一人本を読んでいる根暗にも屈託なく話しかけてくる美女」なんて言われることがあるのだが。

みや「いつも一人で何読んでるの? どれどれ」

根暗「あ、」

みや「あ〜、私には難しくてよくわからないや」

友人「みや、よくあの子と話できるね?」

みや「え? なんで?」

みたいなさ。

ラジオをはじめとした3人のやり取りを見ていると、ちゃんとフラットな対等の関係が保たれていて。もちろん、表現者としての夏焼さんは一人別格なんだけど、逆に自分にはない大学生やアルバイト含めた社会経験のある2人を、1人の人間としてリスペクトしているところがあったりする。ただ興味本位なのかもしれないけど。あとは、Berryz工房やBuono!の肩書きがなくなった自分のポジションをちゃんとわかってる節も多々あって。そういう過去の実績を鼻にかけないところは、本当にすごい人だなと。

変にセクシー路線でないのも良い。ガールズグループはギスギスか、女子会のきゃっきゃしてる感か、女子なのに男子校ノリか、だいたいそんな感じに分類されるのだが、PINK CRES.は二番目に見せかけて、ちょっと違うぞと。なんか、海外欧米グループによく見られる“女の園”臭がしてしまうのは私の心が汚れているからでしょうか、きっとそうでしょう。PINK CRES.というユニット名もそういう意味に思えてきました。恋愛話する二瓶さんが“ギャルにへちゃん”じゃなくて真面目モードで「私、そっちも大丈夫ですよ」と口にしても驚かないもんな(ヲイ




楽曲もそうだがこの動画がアップされたときも「UFっぽくない!!」と全力で思った

ハロー!プロジェクトを卒業して、進退を自分で決めて自らが中心となって結成した音楽グループとしては初になるわけで、それはハロー!以外のアイドルにおいても「アイドルからアーティストへ」という卒業後の活動の模範になるかもしれないし。

今、PINK CRES.は面白くなってきたのだ。

PINK CRES.
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crescendo
UP-FRONT WORKS
Release: 2017/06/28

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