フランスといえば、ウィスパーヴォーカルのシャンソンだったり、ジェーン・バーキンやヴァネッサ・パラディ、シャーロット・ゲンズブールなどなど、高貴な感じの女性ヴォーカルをはじめ、エミリー・シモンなど美術要素の高く多方面で才覚を発揮するアーティスト、はたまた、タヒチ80、フェニックスのエレクトロ風味のオルタナロックやダフトパンクも居たりと、さすが芸術の国と言わんばかりの個性派なアーティスト・バンドが数多く活躍しています。
そんな中、日本ではあまり知られていないような隠れざるフランスのインディー・アーティストたちをいくつか。
Shaka Ponk
まずはこのバンドを抜きにフランスのロックは語れない。ウチでも幾度か紹介している、Shaka Ponk(シャカ・ポン)
ハードロック、ヘヴィロック、R&Bからエレクトロ、あらゆるジャンルを網羅した音楽性の高い楽曲とサウンドに、おバカでハイテンションなノリ、メンバー自らが手掛けるMVもハイクオリティ、まさにフランス最終兵器ミクスチャーバンド。
ムキムキ男性陣に囲まれた紅一点、Samaha Sam(サマンサ・サム)の存在感も圧倒的。
Natas Loves You
インディーシーンの実力派5人組、Natas Loves You(ネタス・ラヴズ・ユー?)
優しげなヴォーカルが心地よく、ふわっとしたシンセサウンドが包み込むような幸福感を感じられる。この手のサウンドはそれこそ、タヒチ80などに見られるようなフランス独特のバンドサウンドですよね。
Dionysos
ディオニューソス(古希: ΔΙΟΝΥΣΟΣ, Διόνυσος, Dionȳsos)はギリシア神話に登場する豊穣とブドウ酒と酩酊の神である。
ー Wikipediaより
吹奏楽出身者なら「ディオニソスの祭り」でお馴染の神の名を模したこのバンドは1993年より活動する、6人組。アコースティックサウンドをベースにヴァイオリンやチェロなどを交えた古きフレンチポップスを奏でる音楽集団。
今、“Jack et la mécanique du cœur”(ジャックと機械じかけの心臓)というアニメーション映画がフランスで人気を博しており、この映画の音楽を担当しているのが、このDionysos。そして、原作と脚本、監督、そして、主人公ジャックの声も担当しているのが、このDionysosのヴォーカル、Mathias Malzieu(マティアス・マルジュウ)であります。
この小説をもとにしたアルバムも出しています。(Amazon MP3で31曲350円!)
Cats on Trees
Nina Goern (Vocal, Piano) と、Yohan Hennequin (Rhythms)という男女ユニット、Cats on Trees(キャット・オン・トゥリーズ)
自らの音楽を“Indie, Ambiant, J-POP”と名乗っている。“J-POP”が本気なのかジョークなのかは解らないけど、どことなく日本人に耳馴染の良い音楽かと。まぁ、そもそもフランスの楽曲は日本と親和性高いのだけど。
Ninaの暗くも優しさを感じる温かみのある声、少し古ぼけたフォーキーなサウンドと、童謡的なメロがやけに耳に残るのです。そして、2人以外の音がほとんど入っておりません。基本、ピアノの弾き語りとドラム・パーカッションだけで繰り広げられる音の世界は圧巻。ピアノがリズム楽器でもあることを改めて感じた。伴奏とメロはもちろん、ドラムと絡むリズムの取り方が絶妙。
Concrete Knives
ひとくちに“フレンチ・ポップ”といっても色々あるわけですが、ハッピーでキッチュなのも魅力の一つ。そんな日本人があまり知らない極上のフレンチ・ポップスを聴かせてくれるのが、Concrete Knives(コンクリート・ナイフ)
パンクバンドみたいなバンド名ですが。みんなで歌ってとにかくハッピーに。ガレージっぽく、ぶっきらぼうに聴こえる演奏・アレンジのようでよく聴くとメリハリの利いた、実に練られていることが解るかと。新世代オルタナ感、そういった部分ではオーストラリアのトロピカルなインディー・バンドと似たところもあるのですが、どこかやはりフランスらしさを感じる。中々言葉で説明するのは難しいのだけど。
Hyphen Hyphen
最後はちょっとヘンなバンド、Hyphen Hyphen(ハイフン・ハイフン)
無国籍感のあるギターフレーズと、突拍子もない楽曲構成、クセたっぷりのヴォーカル。エレクトロな雰囲気もあるし。何ともつかみどころのないバンドですが、これがまた中毒性高いというか。
最近活動休止状態だったようだけど、今年は本格活動するらしい。