アーティストは保証されてる職業ではないし、バイトしながら音楽やってるバンドマンだって少なくないのに「マイナビBLITZ赤坂」ってキツい。
ヤナミューBLITZワンマン
オルタナ〜グランジ世代の心をがっちりつかんでいる、ヤなことそっとミュートがついに赤坂BLITZでワンマンライブを開催。後半がバンドセットという、往年のBuono!形式。アイドルのバックをバンドがやる場合、「なんだかなぁ」と思うことが多いんだけど、常日頃より音響にとことんこだわっているヤナミューに関してはそういう心配は一切してません。
「ヤなことそっとミュート」と「マイナビBLITZ赤坂」で踏める。
ミシェルツアー
MIGMA SHELTERがこのところ観るたびに凄みが増してきている。ヨネコのリーダー降格からの新メンバー募集諸々の動きが結果的にいい刺激になったのかなぁ、と。東名阪ツアーやるし、いろいろ盛り上がってまいりました。
・・・・・・・・・のキレキレ動画
そして、今月に入り毎日筋トレ配信をしたり、2ndシングルの鑑賞会を16時間?配信したり、斬新すぎる形態の3rdシングル「∞」を販売したりと、常人の発想の遥か斜め上を行く戦略で我々をブン殴ってくる、・・・・・・・・・。
「アイドルと芸術」、………の 3rdシングルの0曲入り0分CD「∞」展示開始しました!以下スケジュールで訪れる・ちゃんたちが、その場でご購入のCDに楽譜を書き入れます😊ぜひ手に入れてください〜 pic.twitter.com/MsCWQ1z9af
— ・・・・・・・・・ (@dotstokyo) 2017年10月15日
そんな相変わらずの面倒くささ(褒め言葉)は一見さんにとってはハードル高そうに見えるものの、ハマると抜け出せなくなる恐れあり。しかしながら、こんな奇を衒ったような活動が決してイロモノで終わらないのは、クオリティの高い音楽性と楽曲、そして本人たちのパフォーマンススキルがあってこそ。
映像をフルに使いながらの怒涛のシューゲイズ大洪水も、脳を抉るような爆音ノイズもこのグループの魅力ではあるけど、こういうマスロック+コンテンポラリーをシンプルに見せてこそ、みたいなところはある。
・・・・・・・・・しかり、ヤナミューもMIGMA SHELTERも、言うならば、運営の思惑を当人たちが超えていく瞬間があって、今がまさにそれのような気がして。これからますます面白くなっていく予感しかしないわけです。
かつて、つんく♂氏が“自分の分身”としてモーニング娘。および、ハロー!プロジェクトをプロデュースしていたように、音楽マニアな人たち(バンドマン、ミュージシャン含め)がアイドルというフォーマットで芸術表現をしていく、というのが現在のインディーズアイドルのひとつのスタイルとして、ここ1〜2年ですっかり定着したことを強く感じております。流行など、ビジネス的なものが直に反映されているわけではない、ロックシーンにおいてのインディーズならぬ、インディーというべきもの。ライブハウスではそうしたアイドルたちが日々ライブを行っている。煌びやかなアイドル像とは違った世界であり、パブリックイメージとしての“地下アイドル”とも少し違うのかなぁとも。聴き手側も「アイドルを聴いてる感覚」というよりも、「女性ヴォーカルを聴いてる感覚」のほうがしっくりくる。
ただ、そこで聴き手が「アイドルじゃなくて、アーティストなんだ」なんて言い出してしまうとそれはお門違いで。かつて「オレ、顔ファンじゃないし」的な免罪符、“楽曲派”なんて言葉が生まれたわけだけど、それを主張することは“スイーツ(笑)”扱いになっていきました。だけど最近は“楽曲派アイドル”なんて括りができていたり、それを自ら名乗るアイドルもいたりしていて。物販で「楽曲派アイドルの〇〇です!今ニューシングルを買うと握手券と2ショットチェキが、」なという呼び込みをしてるんですもの。数年前であればネタであったようなこと。そんな状況ですから、あの頃からだいぶ年月が経ったのか……と。
ブームの中で生まれ、死んでいった言葉が、時を経て違う形で使われだすことは今に始まったことではない、この既視感。アイドル文化とヴィジュアル系シーンが酷似していることは何度か触れてきたけど、やっぱり同じだと思った次第。
アイドルとしてよりも、先に何か感じるもの
自分はやはり“楽曲派”という言葉を使うのには抵抗があって。そんなアイドルグループの代表格でもある気がする、Maison book girl(メゾン・ブック・ガール、以下ブクガ)のMV、YouTubeに気になるコメントが書かれておりました。
「こういっては何だがアイドルとして魅力を感じないけど音楽としての芸術性は現代のアイドル界に一石を投じるものがある。ライブには行かないけどプレイリストにはいい曲として入れたい曲」
言い得て妙。書き手のことはもちろんわからないが、「メディアが作り、ヒットチャート至上のアイドルに飽き飽きしている音楽(ロック)ファンの反応」の代表例でもあるだろう。好き嫌いはひとまず置いておいて、洋邦問わずいろいろ聴いてきた音楽ファンであれば、ブクガの音楽を聴いて「おや?」と思うのではないだろうか。
amiinAは、いろんな音楽を経て、いろんなタイプのアイドルを見てきたような人でないと、良さや凄さは伝わりづらいのかなと思ってみたり。
もっともわかりやすいところで言えば、BiSH。とくにこれまでアイドルに興味を持ってこなかった若いロックファンが多くハマっているのも頷けるはずだ。
こういうグループを見たり聴いたりすると、アイドルに抱く感情よりも先に、何か感じるものがあると思う。
自分はそういう感性大事にしたいなぁ、って。
そこから「かわいいなぁ」「かっこいいなぁ」って、思うことあるんだよ。