一度成功したアーティストが売れることを手放して、本当に奏でたい音を鳴らしたいように鳴らしている姿って、とても素敵だと思うのです。
yuiこと、YUIが覚醒してる
この時期になるとどこからともなくよく耳にする「CHERRY」。それとは裏腹に投下されたこのミュージックビデオに鳥肌が立ちました。
国民的な人気を誇りつつも、いろいろあったことは今更触れませんが。このFLOWER FLOWER、結成当初は「すべてを捨ててまでやりたかったことはこれなのか……」なんて、勝手なことを思っていたり。そしたらまたなんかいろいろがいろいろで。昨年活動を再開したときにふと目に入ったのがこちらのMVで。いいじゃんいいじゃん。
ひねくれたポップ感とでもいいましょうか、日本ロックに足りないのは、狙ってるわけではない、こういう“さりげない外し方”なんだよなぁ。
人気絶頂だった彼女がいろいろあって(以下省略)そして今、正直ヒットチャートとは程遠い音楽にも関わらず、きちんと売り出しているソニー・ミュージックの心意気もすごいなと。
シュールな世界観がオリエンタルなメロディを際立たせている
真っ白な世界に、同じ白なのにイングヴェイ御大の“DUCK“のようなヴィンテージ感たっぷりのラージヘッドストラトのコントラストが美しく。ユウ嬢の御御足とのコントラストも美しく。「ストラトって大きいんだな」とあらためて感じる華奢なユウ嬢のシルエットが息を飲むほど美しい。ストラップの長さ、ネックの角度、ストロークする右手の起動、どれをとってもフォトジェニック。
GO!GO!7188から“ポップ性”を思いっきり抜いたような、チリヌルヲワカ。それでいて奇妙なキャッチー性は健在で、結果として生まれているシュールな世界観はどこかアイロニカルかシリアスか、そんな達観した独自のスタンスを感じさせる。
ザ・コレクターズ時代から独特な存在を放っていたQちゃんこと、阿部耕作のニヒルなドラミングもこのバンドのカラーにばっちりハマっている。
クールな2人をよそに、唯一ポップでアツイ存在感のイワイエイキチも、奇抜なフレージングとMVごとに変えてくるベース選びで、そこはかとない変態な香りを醸し出しているのがたまらない。ひとむかし前の初心者ご用達モデル、フェルナンデスFRBだって、持つ人が持てば“敢えて使ってる”ように見えるんだ。
3人編成になって、不思議な感覚が増すと同時に妙な中毒性をさらに感じるようになりました。すき。