QUEENS エッジの効いたロックとキレッキレダンスのアイドルに打ちのめされた

新年早々観に行ったアイドルイベント<新宿系ガールズミーテイング2019>、EMPiREを筆頭に、劇場版ゴキゲン帝国にグーグールル、・・・・・・・・・と鶯籠にヌュアンス、クマリデパート……こんなメンツ行くしかないだろと意気揚々に新宿LOFTに出向いたわけですが。予想外、完全にノーマークだったアイドルに打ちのめされちゃったという話。

バックビートに乗る、切れ味抜群のギター

久々に観たグーグールルがすごくよかったなぁと思っていた矢先、出てきたのは派手めのイマドキな女の子たち。どこか垢抜けないような子も多いインディペントなアイドルイベントには珍しい“芸能人”っぽさ。アイドルというよりも、ダンス&ボーカルグループに近い印象だったので、エレクトロサウンドが響くかと思っていたら、打ち鳴らされたのはロックバンドの爆音。しかも、エッジィでソリッドなサウンド。タイトにバシバシキマるバックビートに乗る切れ味抜群のカッティングギター、うごめくゴリゴリのベース……おいおい、なんだこれ?

お次の曲も同じ系統のソリッドなロック。ダンサブルなビートに合わせて6人の女の子たちがキレッキレに踊る。なにこれ? このサウンドにこのダンスをつけるの? 完成度の高い楽曲とオケ。抜群にカッコいいじゃねぇか。目を瞑ったら、完全にロックバンドだし。でも、今ステージにはブロンド髪やら色とりどりの女の子たちが歌い踊る。これ、アイドルでやる必要ある?!

何者なんだ、QUEENS

妙に悩ましげな腰使いの子、ハーフっぽい子、読モっぽい子、ショートの子の軽快な動き、黒髪が1人しかいないの珍しいな、赤髪の子がめっちゃいい声してるぞ、……などなど。ズバ抜けて目立つ子はいないが、6人それぞれのキャクターが確立されていてバランス良い。ちゃんと基礎ができていることがわかる安定感のある歌と、軸のしっかりとしたキレのいいダンスがすこぶるカッコイイ。何より、ライブ運びが見事。ダンサブルでノリの良い楽曲ということもあるが、本人たちの煽り含めたフロアの士気の上げ方がうまい。技量を見せつけるわけでもなく、全力感でもない、余裕を見せながら攻めていくという、貫禄すら感じさせるステージングは、同シーンの他グループと比べても頭4つくらい抜けている印象だ。

何者なんだ……。すっかり、QUEENSにヤられてしまった。

家に帰って、ウェブサイトはもちろん、MV、そしてSoundCloudにアップされている音源をチェック。CDも探した。変わった名前のグループが多い中、潔い名前はすぐに覚えられるし、検索的にもサジェストでなんとかなる時代だ。調べると、タレントのぺこ&りゅうちぇる、モデルの山本優希らが所属するスターレイプロダクションのグループだと知る。メンバーに垢抜けた印象と、ステージングにしっかりとした基礎が感じられたのは、きちんとした芸能事務所だからか。ミュージックビデオもクオリティが高い。

はじめて観ただけではわからないこともある。勢いに飲まれただけかもしれない。そう思って数日後、確認の意味を含め、あらためてライヴに足を運ぶ。「おや?」そう思ってまた数日後ライヴへ、あれ? 普通にハマってるじゃん、おれ。

ニューウェーヴパンクなサウンド

「歌って踊れるロックアイドル」——そんなQUEENSが攻めるのは、エッジィでソリッドなバンドサウンド。ラウドなパンクやHR/HMサウンドが多いアイドルシーンの中で、この音はかなり異端。ダンサブルでありながら、ファンクやR&Bといった黒っぽさではなく、パンク〜ニューウェーヴを通ってきたギタリストの作った楽曲、という印象を受ける。「アンディ・ギルがアイドル曲をプロデュースしたら……」なんていう表現が適切かどうかはわからないが、そんなにおいがするのである。室姫深がソロからSPINに移る過程の“東京ダーリング”の頃にやろうとしてたことに似ているとでもいうべきか。どこか、“古き良き”部分を感じざるを得ない楽曲とサウンドだ。とにかく、辻剛、渡部充一、石垣愛……この辺のギタリストが好きな人は絶対に好きな音だ。

ものすごくキャッチーでありながら、ポップに寄せていないところも、ロック味を感じさせる。CDクレジットには“Uma:soniK”という名前があるが、まったくもって正体不明である。

日本人離れしたスモーキーな歌声の赤髪の子、NANAMIは元々バンドマンとのことで、ギターを弾き作曲をすると知り妙に納得。悩ましげな腰つきのRINAは小さい頃からダンスね、これも納得。ハーフではなく、クォーターだったEMIRYが在籍していたという前グループ、PiiiiiiiNって、どこかで聞いたことある名前だと思ったらWACKのサウンドプロデュースでお馴染み、松隈ケンタが楽曲提供をしていたグループだった。そうそう、QUEENSと一緒のイベントに出演していたbuGGというグループが、衣装と振り付け、頭のてっぺんから爪先まで、BiSH、BiS、GANG PARADEのいいとこ取りという趣で。そのオマージュを超えたリスペクトっぷりに感心していたのだけど、肝心の楽曲がまったく似ていないという、相当な確信犯だった。それでいて、めちゃくちゃ楽曲クオリティが高い。

と思ったらこのグループ、QUEENSと同じ事務所だった。

むむむ、このスターレイプロダクション、相当やり手なA&R、制作ディレクターがいるぞ

エッジィなロック好きにオススメしたいQUEENS


あらためて、QUEENSの魅力をいうなら、エッジィなロック好きにオススメしたいグループだ。女性ヴォーカルのロックバンドとして聴いても相当カッコイイ。これまで説明した通り、ギターにビビビっきたロックファンもいるはず。多くの楽曲がデジタルモノではなく、生バンドの音で構成されているところもポイントだ。2018年1月結成。まだまだこれからのグループである。

ダンサブルなナンバーとは打って変わって「Believer」で聴ける、いちヴォーカリストとしてのNANAMIのポテンシャルにも今後期待が高まる。

アイドル曲には珍しく、オープンハイハットでシャン、シャン、シャン、シャン、\ズギャーーン!!/とはじまる曲も多いので、こんなんライヴでブチ上がるしかないじゃないか。ライヴでのオケの出音も良いのだが、曲間が絶妙だと思った。オケを繋げればいいというものではないし、コンマ数秒のタイミングが大事。そこに合わさる本人たちの間の取り方も絶妙なのである。

音源もいいが、ライヴはもっといいぞ。

ああ、好き。

Flagship
QUEENS
FIVERIDGE MUSIC
Release: 2018/10/24

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