ベリキュー合体曲 つんく♂トリックの『ヒットしない楽曲を大事にすること』

この件は正直スルーするつもりでいたんだけど。

軽く触れておきますね。いや、どうせ触れるなら軽くではなくてガッツり書きます。
諸々の経緯はこの記事が上手くまとまってるかな

私は涸れたなんて一度も思ったことないですよ。

Berryz工房 『Because happiness』 (Music Only)
℃ ute 『幸せの途中』 (Music Only)
Berryz工房×℃-ute 合体バージョン (Music Only)

2曲を同時再生で1曲になるというのは、それほど珍しくはない作曲手法なんだけど、有名どころではコーネリアス『Star Fruits Surf Rider』があるけど、歌とトラックという印象だし。ASIAN KUNG-FU GENERATION『サイレン』を上げる人もいたけど、あれは明らかに同じ楽曲の別バージョン。
洋楽だとThe Flaming Lipsの4枚同時再生アルバムとか、他にもテクノや現代音楽の分野で探せばもっとありそうなという手法でもあるけど、どちらかというとそれらは実験音楽の領域に近い。

だから、別にどれが凄いというわけないんだけど。アイドルの分野でこれをやったという以前に、「歌モノポップスで成立させた」ところに面白さがあると思います。
ちなみにAira Mitsukiも数年前に携帯着うた同時再生なんてことやってましたが、このベリキュー合体曲で注目すべき点は??

この合体曲の魅力とは

1. 異なるグループで行った

作曲者と編曲者が同じであるとはいえ、歌い手が異なる時点でそれぞれ別の作品であるし、両曲が単体楽曲として認知されていた。
特にBerryz工房『Because happiness』はアルバム発売後の評判はかなり良かったし、3月頭から始まったツアーで当初は歌われることはなく、ツアー後半に指しかかった段階でようやく初披露されたとき、まさに誰もがライブで聴くことを待ち望んだ楽曲だったでしょう。
改めてこのネタバラシがあったあとで「そう言えば、、、」なんて後出しだし、「バラバラに聴くとスカスカ」と言ってる人は、80年代あたりのスペーシーなディスコ、ニュー・ウェーヴポップスあたりをだな(ry

2. シングル楽曲ではなく、アルバム曲にさりげなく入っている

異なるグループでもシングル同時発売のような解りやすい伏線があったなら、すぐに話題にもなったかも知れないし、同時再生をセールストークにも出来ただろうけど、それをやらなかったということ。
のちの話題性を求めるのであれば、ヒントなんて出さずそれこそ夏のハロー!プロジェクトのコンサートでいきなりやるほうが良かったかもしれないけど、ちゃんと各アルバム発売前にブログにて「トリックが隠されている」ことを言ってるところに「おまえらなら見つけてくれるだろ」というファンへの信用・愛を感じます。今までも洋楽オマージュなど、ファンの耳を肥えさせてきたプロデューサーならでは。

3. 楽曲としてのクオリティ

元々あった楽曲を二分割したとか、そんな過程はどうでもよくて、先述のように両楽曲がそれぞれのファンによって良曲として認識されていたところがあって。アルバムを買って何回も聴いて、ツアーで歌われて、、、その過程があったからこそ、より感動できた
両極端なアレンジなのも興味深いですね。打ち込みのディスコアレンジがBerryz工房で、アコースティックなバラードアレンジが℃-uteというのも対照的なこの2グループのカラーをよく表していているし。
合体したときのディスコビートに対するピアノの絡みも素晴らしいけど、サビ頭のオーケストレーションでシンバルが重なるところなんて鳥肌モノじゃないですか。これのオケのみVer.を是非聴いてみたい。
歌に関して言えば、歌詞が重なるところ、バッチリ譜割りがハマっている。後で弄ってる感じではないので、これは歌い手のリズム感と、それを統制している制作側のディレクション能力が凄い。
メンバーのブログ見ると、歌ってる本人たちも知らなかったみたいですし、おそるべしハロプロ制作陣営、、、
ヲタ的に見れば、間奏明けの落ちサビが夏焼さんと岡井さんの掛け合いになってるのもアツイですよね。

4. ファンがすぐに気が付かなかった

自分はまったく気が付きませんでした。確かにこの2曲に何かあることは皆感じていたことだったと思うし、中にはシンクロしているんじゃないか?と言っていた人も居たと思う。でも真逆の楽曲が最初っから最後までここまでの事になっていたとは、、、というのが本音でしょうね。
寧ろ、解りやすくパッヘルベル『カノン』の一節が入ってたりしているのでそちらに気を取られていたと思う。
同じハロプロ内、同期である諸々の背景はあるにしろ、全く方向性が違うところに進んできた2つのグループであり、ファンも色んな意味で二手に分かれたところもあるだろうし。
去年、大々的にシングル〜ツアーというコラボがあり、本来の活動に戻った矢先にですから。各アルバムに『青春劇場』なんていう合同で歌った配信楽曲がそれぞれ別Ver.収録されていたりもしたから、それがある意味、アルバムに対する印象を分散させるところにもなったんじゃないかと。それ、狙ってたのかな、、、

外向けではなく、ハロー!プロジェクトキッズとしてデビュー10周年を迎えるBerryz工房と℃-uteのメンバーへ、そしてそれを支えてきたファンへのサプライズな要素が強く。それはシングルのようなリリース形式を取らなかったことからも解る。
同期でデビューしたけど、別々のグループに分かれてそれぞれ真逆の個性の道を歩んで行った2グループが10年を経てこういう形で結びつくとはね、素晴らしいじゃないですか。

発売後からこの仕込みがバレるまでのこの約二ヶ月がつんくPにとって長かったのか短かったのかは解らないけど、早く気が付いて欲しかったのならもう少し解りやすいヒントでも良かっただろうし、発覚してからオフィシャル解説が出るまでの動きが速かったので、バレたらすぐに種明かしする準備はされていたのかなとも思える。

ファン向けとは言え、楽曲クオリティとしても申し分ないし、ファン以外の反応もジワリジワリと広がっているみたいだから。
ブームとはいえ、アイドル関連のニュースと言えば、どこそこが何位だったとか、何枚売れたとか、誰それが卒業とか、、、そういった表面的なニュースばかりの中、こういった音楽的側面で話題になるというのは、非常に意味があることなんじゃないかと思います。


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