毎年、話題になるグラミー賞 <Grammy Awards>。
しかしながら、「グラミー賞」ってなに? と訊いて答えられる人はどのくらいいるのでしょうか?
歴史が古く、大変権威のある音楽賞、ということ以外は意外と知られていないのかもしれません。日本の「レコード大賞」みたいなものだと思ってる人が多いのでは? 確かに、レコード大賞はグラミー賞を意識して作られたものですが、中身は大分違います。
簡単に説明すると、音楽業界人と学生がセールスを度外視して選ぶ「いまもっとも注目すべきアーティスト(作品)」に贈られる賞です。
グラミー賞とは?
グラミー賞は1959年に初めて授賞式が開催。National Academy of Recording Arts & Science(NARAS:全米レコード芸術科学アカデミー)という組織にて主催されています。このNARASとは、音楽市場の発展とその文化の発展・向上、音楽教育・育成(スタッフ・エンジニアなど)、レコーディング環境の保全などを目的とするもの。
大きく2つに別れており、
・GRAMMY U (GRAMMY University Network) ・・・音楽業界で働くことを目指す大学生/専門学生
で構成されています。
第一線で活躍する業界人とそれを目指す音楽好きな若者たち、こういった人たちが主催しているのがグラミー賞なのです。
NARASの会員数は正式には発表されていませんが、2013年現在約2万人と言われています。この無類の音楽好きの2万人が、メジャー/インディー、一切関係なく、ロック、ヒップホップ、カントリー、ジャズ、クラシック、、、ジャンル問わず「良い!」と思った楽曲を選ぶ。プロ、学生関係なくガチな多数決投票制。レコード会社やマネジメントの宣伝政治力は一切ありません。無論、売上枚数なんてグラミーの前では無力です。いかにもアメリカ的な民主主義発想ですよね。これで盛り上がらないわけがない。
「たくさん売れたら賞が取れる」のではなく、「賞を取った(ノミネートされた)ことにによって注目される(売上が伸びる)」のがグラミー賞なのです。
音楽自体のセールスや愉しみ方が大きく変わろうとしている現在だからこそ、グラミーのようなリスナーが選ぶ音楽の価値観を問うような存在が重要になってくる気がします。