インディーロックの“インディー”ってなに?“インディーズ”と違うの?

Indie Label, Indie Rock, Indie Pop…

洋楽ロックを語る上で避けて通れないのがこの〈”Indie” インディー〉呼称。

「そもそも“インディー”って何?」

これ、解っているようで実は解ってない人、または間違って解釈してしまっている人…… 意外と多い気がします。日本における〈インディーズ〉と混同してしまいがちですが、根本的な意味合いと成り立ちが異なるため、同列に考えるのは難しいです。
 

“インディー”と“インディーズ”って同じ意味じゃないの?

日本の音楽シーンで使われている“Indies(インディーズ)”は和製英語です。海外において“Indies”とは東インド諸島を指す言葉になります。

海外においての”Indie(インディー)” とは「どこにも属さない」「独立した」という意味の”Independent(インディペンデント)”の略称。日本でもインディーズといえば、インディペンデント的な意味合いでも使われていますが、どちらかといえば、自主制作的な意味合いが強いです。海外ではメジャーレコード会社のグループに属してない独立資本のレーベルを”Independent Label”と呼んでいます。

欧米では、自社で製造、販売、流通まで出来るレコード会社をメジャーと呼んでいます。〈3大メジャー:ユニバーサル・ミュージック・グループ/ワーナー・ミュージック・グループ/ソニー・ミュージックエンターテインメント〉。それ以外のレコード会社はすべてインディーレーベルになります。その解釈を日本での音楽業界にあてがうのなら、ユニバーサル、ソニー、ワーナーに加えてエイベックスくらいしかメジャーと呼べません。

電機メーカーが資本となっていた日本のレコード会社事情もあったり、そもそも“メジャーの定義”が海外と異なるため、メジャーとインディーズ、インディーレーベルの関連性を日本と海外、同列に考えてしまうのは正直、無理があります。

 

インディーレーベルで活動するアーティストがインディーロック?

間違いではありませんが、そういうわけでもないのです。インディーロックとは「反商業音楽、流行から離れた独自性の音楽」という意味合いのほうが強いです。

インディーロックの発端は80年代〜90年のイギリス・マンチェスターで発生したムーヴメントと言われています。当初はやはり、自主制作やインディーレーベルで音楽活動を行っていることを前提としたものでしたが、90年代のオルタナティヴロックの台頭以降、メジャーにおいてのインディーロック市場が確立されていきます。NIRVANAをはじめとしたグランジ、RED HOT CHILIPEPPERSやRADIOHEADなどが、その代表格。

現在の音楽シーンにおいてのインディーロックは、メジャーやインディーなどのレーベル会社は関係なく、「大衆性と離れた独自の信念、独創的な音楽性を貫いている」という広い意味での言葉という解釈がよいでしょう。

もちろん、日本のインディーズのように自主制作的小規模で活動する海外アーティストもいるわけですから、それらを日本の解釈で“海外のインディーズ”と呼ぶことは間違ってはいません。
 

日本にもインディーロックはあるの?

インディーとインディーズを混同してしまっている人が多く、レコードショップを始め、日本の音楽業界でもそういう間違えた解釈をしている場合が多いです。

流行に囚われない独自の音楽性という部分を見れば、ハードロックやパンクロックもそうなんですが、それらをインディーロックとはあまり言いませんね。どちらかと言えばガレージロックやポストロック、はたまたエレクロニカなど、音楽ジャンルには留まらない、広い意味での“オルタナティヴロック”です。

そう考えると日本にインディーロックとほぼ意味が同じ言葉があります。

〈ロキノン系〉です。

元々はオルタナティブ・ロック〜ブリットポップ流れの下北沢界隈で盛り上がった、ギターロックから発生してきたものだったと思うんですが。
流行の音楽を避けてきたアーティストが、他とは違った観点からの音楽雑誌『ロッキング・オン・ジャパン』に出たいと思うようになり、いつからかそんな雑誌に出るアーティストたちを指す言葉が生まれ、そして〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL〉や〈COUNTDOWN JAPAN〉に出るようなアーティストを指す言葉になりました。

しかし、近年はそこに出たとか出ないとかは関係なくなってきて。音楽性を説明するときにも「ロキノンっぽい」っでなんとなく説明ついてしまう。別に音楽ジャンルで括られているわけではなく、シーンの総称という意味合いが強いです。タイアップやカラオケ、オリコン至上といった90年代の商業的な音楽市場からの反骨精神、いうならばメディアよりもライヴ&フェス向きの音楽というべきでしょうか。そういう意味では海外におけるインディーロックの成り立ちと酷似する部分を多く感じます。

社名がそのまんま言葉になってるのがどうかという部分はあるものの、ロッキング・オン・ジャパンという雑誌自体が他と一味違った観点からの内容だったぶん、熱心な読者を獲得した背景もあるのですが。ロキノン系のアーティストは好きだけど、雑誌自体は好きじゃないという人も多いだろうし。ただ、シーンをひと括りに纏められる言葉として非常に使い勝手が良いですね。

日本ではインディーズという言葉の意味合いが強すぎて、今更インディーロックという言葉だと、混同・誤解する場合が多いと思うので、そう考えると〈ロキノン系〉、実に都合の良い言葉であるかと思います。良くも悪くも。

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インディーロックの“インディー”ってなに?“インディーズ”と違うの?

Indie Label, Indie Rock, Indie Pop…

洋楽ロックを語る上で避けて通れないのがこの〈”Indie” インディー〉呼称。

「そもそも“インディー”って何?」

これ、解っているようで実は解ってない人、または間違って解釈してしまっている人…… 意外と多い気がします。日本における〈インディーズ〉と混同してしまいがちですが、根本的な意味合いと成り立ちが異なるため、同列に考えるのは難しいです。
 

“インディー”と“インディーズ”って同じ意味じゃないの?

日本の音楽シーンで使われている“Indies(インディーズ)”は和製英語です。海外において“Indies”とは東インド諸島を指す言葉になります。

海外においての”Indie(インディー)” とは「どこにも属さない」「独立した」という意味の”Independent(インディペンデント)”の略称。日本でもインディーズといえば、インディペンデント的な意味合いでも使われていますが、どちらかといえば、自主制作的な意味合いが強いです。海外ではメジャーレコード会社のグループに属してない独立資本のレーベルを”Independent Label”と呼んでいます。

欧米では、自社で製造、販売、流通まで出来るレコード会社をメジャーと呼んでいます。〈3大メジャー:ユニバーサル・ミュージック・グループ/ワーナー・ミュージック・グループ/ソニー・ミュージックエンターテインメント〉。それ以外のレコード会社はすべてインディーレーベルになります。その解釈を日本での音楽業界にあてがうのなら、ユニバーサル、ソニー、ワーナーに加えてエイベックスくらいしかメジャーと呼べません。

電機メーカーが資本となっていた日本のレコード会社事情もあったり、そもそも“メジャーの定義”が海外と異なるため、メジャーとインディーズ、インディーレーベルの関連性を日本と海外、同列に考えてしまうのは正直、無理があります。

 

インディーレーベルで活動するアーティストがインディーロック?

間違いではありませんが、そういうわけでもないのです。インディーロックとは「反商業音楽、流行から離れた独自性の音楽」という意味合いのほうが強いです。

インディーロックの発端は80年代〜90年のイギリス・マンチェスターで発生したムーヴメントと言われています。当初はやはり、自主制作やインディーレーベルで音楽活動を行っていることを前提としたものでしたが、90年代のオルタナティヴロックの台頭以降、メジャーにおいてのインディーロック市場が確立されていきます。NIRVANAをはじめとしたグランジ、RED HOT CHILIPEPPERSやRADIOHEADなどが、その代表格。

現在の音楽シーンにおいてのインディーロックは、メジャーやインディーなどのレーベル会社は関係なく、「大衆性と離れた独自の信念、独創的な音楽性を貫いている」という広い意味での言葉という解釈がよいでしょう。

もちろん、日本のインディーズのように自主制作的小規模で活動する海外アーティストもいるわけですから、それらを日本の解釈で“海外のインディーズ”と呼ぶことは間違ってはいません。
 

日本にもインディーロックはあるの?

インディーとインディーズを混同してしまっている人が多く、レコードショップを始め、日本の音楽業界でもそういう間違えた解釈をしている場合が多いです。

流行に囚われない独自の音楽性という部分を見れば、ハードロックやパンクロックもそうなんですが、それらをインディーロックとはあまり言いませんね。どちらかと言えばガレージロックやポストロック、はたまたエレクロニカなど、音楽ジャンルには留まらない、広い意味での“オルタナティヴロック”です。

そう考えると日本にインディーロックとほぼ意味が同じ言葉があります。

〈ロキノン系〉です。

元々はオルタナティブ・ロック〜ブリットポップ流れの下北沢界隈で盛り上がった、ギターロックから発生してきたものだったと思うんですが。
流行の音楽を避けてきたアーティストが、他とは違った観点からの音楽雑誌『ロッキング・オン・ジャパン』に出たいと思うようになり、いつからかそんな雑誌に出るアーティストたちを指す言葉が生まれ、そして〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL〉や〈COUNTDOWN JAPAN〉に出るようなアーティストを指す言葉になりました。

しかし、近年はそこに出たとか出ないとかは関係なくなってきて。音楽性を説明するときにも「ロキノンっぽい」っでなんとなく説明ついてしまう。別に音楽ジャンルで括られているわけではなく、シーンの総称という意味合いが強いです。タイアップやカラオケ、オリコン至上といった90年代の商業的な音楽市場からの反骨精神、いうならばメディアよりもライヴ&フェス向きの音楽というべきでしょうか。そういう意味では海外におけるインディーロックの成り立ちと酷似する部分を多く感じます。

社名がそのまんま言葉になってるのがどうかという部分はあるものの、ロッキング・オン・ジャパンという雑誌自体が他と一味違った観点からの内容だったぶん、熱心な読者を獲得した背景もあるのですが。ロキノン系のアーティストは好きだけど、雑誌自体は好きじゃないという人も多いだろうし。ただ、シーンをひと括りに纏められる言葉として非常に使い勝手が良いですね。

日本ではインディーズという言葉の意味合いが強すぎて、今更インディーロックという言葉だと、混同・誤解する場合が多いと思うので、そう考えると〈ロキノン系〉、実に都合の良い言葉であるかと思います。良くも悪くも。

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