以前作った、ダグラスファーのテレキャスター(エスクワイア)のネックを替えました。
前から憧れていた極太ネック。フェンダーライセンスの、ALLPARTSブランドです。
メイプル1ピース。形状は“Fat Back”、その極太っぷりから“Baseball bat Neck”と呼ばれてるタイプです。左のアメ色のネックが今まで付けてたヤツ。
元のネックも比較的しっかりとした握りのヴィンテージタイプ(1fの厚み約22mm)なのですが、並べると一目瞭然。
いわゆる“1inch Neck”、1fから12fまでテーパーなし、厚み25.4mm。
オイルフィニッシュにして、センター出してちょいちょいっと装着。
「こんなに硬くて太いの初めて…///」と最初は戸惑いましたが、意外とすぐに慣れました。なんだかとってもしっくりくる握り心地。
やはり音は激変。まず生音が1.5倍くらい大きくなりました。ネック重量にして100gくらい増し、体積もそれなりに増えたわけだから“鳴り方”が変わるのは当然。なんというか、抱いたときのバランスが変わったという印象。ネックだけ重くなったのだから当たり前なんだけど。でも、ヘッドが重くなったわけでもないので、ストラップでもヘッド落ちはないです。全体的に倍音が豊かになって明瞭感が増した。いわゆる「カキクケコ」が綺麗に出るようになりました。
そして、弦のテンション感が増した。0.10-0.46を張ってますが、案外0.09-0.42でもいいかもしれない。昔は、長渕剛の「僕のギターにはいつもヘビーゲージ」なんて、太い弦がステータスみたいに考えてたけど、最近は細めのゲージにすごく興味あります。
テンションがキツくなったぶん、詰まったような鳴りが気になったので、ネックのジョイントプレートを変えたらまろやかになった。これは2mmのアルミ板から作ったオリジナルの“J”oint Plate。一般的なスチール製の1/5程度の重さしかありません。私はペグ、ブリッジはじめ、金属パーツは軽ければ軽いほどいいと思っています。
ブリッジプレートはSCUDブランドのゴトー製。1弦側のサイドウォールをカットして、全体的にメッキを剥がしたもの。サドルもいくつか試したけど、結局SCUDのノーマルのタイプに落ち着いてる。オクターブも気になるほど合わないということはないし。SCUDの金属パーツはゴトーのOEM品であることが多いので、下手なメーカーよりも信頼できます。
あと、細かいこだわりはナット。牛骨よりTUSQ派。軽やかな音がする。溝はかなり浅く、ラウンド弦の2/3が露出するくらい。弦との接触面積を極力少なくするように、横から見たときに直角三角形っぽく整形してます。チューンオーマチックブリッジのように、頂点に弦が乗っかるイメージ。アコギでソロギターやる人はこういうセッテイングにすることが多いです。このほうが音の分離が格段に良くなる。
ストリングリテイナーはいつもの蝶ナットを改造したヤツ。あまり押さえつけちゃうのは好きじゃないし、ナットベンドがやりづらくなるので、1,2弦を3弦のポストの高さに合わせる程度。
ネック交換した感想は、太いネックはいいぞ、ということ。まぁ、好みですけど。
全体的な重量は2.98kg。あれ? 前より軽くなってる!? 秤をいいヤツに変えたからかもしれない。
魅惑の針葉樹ギター
あらためてこのテレキャスターに触れておくと、ボディ材はアッシュやアルダーといった広葉樹ではなく、ダグラスファー(ベイマツ)という針葉樹のホームメイド。針葉樹のギターはいいぞ。フェンダーも、カントリーミュージックの雄、ブラッド・ペイズリーのシグネイチャーモデルに、ポローニアをスプルースで挟んだ針葉樹サンドSEB構造を取り入れております。
針葉樹はアコギの鳴りがするんですよ。シンラインとか、ホロウ構造は「空洞が響く」っていうふくよかな音量が出る鳴り方。針葉樹のギターは音量自体はないけどトップ(表板)が鳴っていてコード感の出る響きがするんです。アコギのトップ材は決まって針葉樹が使われるのも納得。ギブソンのESをはじめとしたジャズギターは広葉樹のメイプルだしね。まぁ、あくまで針葉樹を勧めるのはクリーントーンメインの軽やかなテレキャスターの話であって、ハムバッカー乗せてメタルやるというのなら、おすすめしませんけどね。