Glendale Guitarsブリッジ換装 テレキャスター最高峰パーツの異名は伊達じゃなかった

先日、テレキャスターのブリッジをGOTOH In-Tune BS(ブラス)に換装しまして。

GOTOH In-Tune テレキャスター3wayサドルでこんなにもオクターブが合うなんて

オクターブチューニングが合わないことはテレキャスターの宿命だと思っていたのですが、そんな概念を覆してくれました。さすが世界に誇る日本の後藤ガット。

そして、もうひとつの変化はそのサウンド。とにかく明るい響きになった。交換した当初は新しいこともあり、ブライトすぎる感じもあったんだけど、馴染んでくると角が取れ、金属的な倍音も収まっていい感じに響くようになりました。明るいんだけどうるさくはない、「キーン」ではなく「ピーン」と鳴ってくれる。生音の大きさは1.2倍に。うん、私好みに近づきました。こうした変化はサドルと弦の接触面積が少ないことも影響してるのかなと。これはナットにも言えることで、溝に埋まっているのはなく三角形の頂点に乗っかってるだけ、という風なナット形成のほうが各弦の分離感が良いというのが、私がアコギでいろいろ試した結論でして。アコギに近い鳴りが求められるテレキャスターはそういうナットにしてます。ストラトキャスターなど、トレモロ付きのギターだとまた話が変わってくるのですが。

ここまで変わるブリッジの存在、侮れんぞ、とあらためて思い直し。となると気になるのが、Glendale Guitarsのパーツ。ブリッジはもちろん、ボリュームノブ換えただけで音が変わる!などなど、世界中のテレキャスターヲタクを唸らせている、知る人ぞ知るアメリカのパーツブランド。テレキャスターしか弾かないギタリスト、Dale Clarkが50年代のブラッグガードのリプレイストメイントパーツとして立ち上げたものであり、James TylerやRS Guitarworksなど、テレキャスター作りに定評のあるブランドもここのパーツを使用してます。ギターも作っておりますが、Pualownia(ポロウニア)、日本でいう桐を使った激軽テリーが有名です。その軽さなんと2kg前半。

以前からずーっと気になっておりましたが、結構いいお値段がするので躊躇っておりました。

というわけで、買ってしまいました、Glendale


じゃーん! 買ってしまいました。

ブリッジプレートとサドル。

アメリカンな取説がカッコいい

私が購入したのは、裏通しとブリッジ通しの両方が使用可能なトップローダーで、メッキなし磨きなしの”Raw-Deal”仕様のブリッジプレートThe “Top-Loader” Blackguard “No-Cut” The “Raw-Deal”。それと、1〜4弦はブラス、5,6弦をアルミにしたサドルセットThe “Twang”という、Glendaleでは基本中の基本の組み合わせ。日本では、なぜか不人気なトップローダーですが、ジム・カンピロンゴやジュダ・バウワー(The Jon Spencer Blues Explosion)はトップローダーのテリーを好んで使ってます。弦のテンションを考えると1,2弦だけトップローダーにしてみたいという思惑もあったり。


ブリッジプレートから漂う“凄み”。日本製ではこうはならないよなというオーラがあります。日本製フェンダーと本家フェンダーのギターって、明らかに雰囲気が違うじゃないですか。金属自体も舶来メーカーってなんか違いますよね。管楽器やってる人はわかると思うけど、ヤマハとバックのトランペット比べると同価格帯でもバックのほうがなんか凄みがあるというか。作りもそうなんだけどなんか素材感が違うぞ、みたいな。ああいうのなんなんですかね、本もCDも輸入盤って雰囲気あるじゃないですか。インクのにおいだったり。そんな“凄み”がこのブリッジプレートにはあります。

元々ついていたブリッジ(右)と並べてみました。これはSCUDブランド(GOTOH製?)のもので、1弦側のサイドウォールをカットしているしメッキも剥がしてあるんだけど、それと比べても「鉄!!」って感じがします。よくGlendaleのパーツは叩くと良い音がすると言われるのですが、叩いてみると確かに良い音がなりました。でも、SCUDも叩いたら良い音が……。でも明らかに倍音の違いが。SCUDは「チーン」でしたが、Glendaleはもっと低くて「カーン」。どっちが良いというわけでなく、好みじゃないでしょうか。重さはSCUDが59g、Glendaleが57g。SCUDは加工してあるので、一般的なテレキャスターブリッジプレートよりも軽いです。ですので、それより軽いGlendaleの存在。CallahamやJoe Burdenのブリッジは重くする方向で作られているので、真逆な考え方なわけです。


いわゆるサドルに角度のついたコンペンセイテッドサドル。サドル自体は筒状ではなく、底辺が平面になってます。底面にも刻印されている丁寧さ。ブラスサドルの重量は一般的なものと同じ8g(ネジ含まず、In-Tuneも8g)。アルミサドルは4gしかありませんでした。

サドルをプレートに組み込んでみるとわかりますが、一般的なコンペンセイテッドサドル比べて急な角度になっており、その角度に合わせて隣のサドルに当たる面を斜めにカットされていて隙間がありません。コンペンセイテッドサドルの欠点は弦の横ズレとサドル自体の横ズレにより、弦間隔が安定しづらいところにあるのですが、そうした問題は解消されそうです。

換装してみた。そのサウンドはいかに……?

肝心のサウンドですが、中域が強調され落ち着いた鳴りに。良く言えばヴィンテージ感、悪く言えば野暮ったい感じになりました。生音はIn-Tunesに比べると0.8くらいと小さくなりました。ただ、音自体は小さいのですが明らかに鳴り方が変わった。In-Tunesはアコギのようなトップ(表板)が鳴って音が前に出てくる感じだったのに対し、Glendaleはバックから全体に響いていくような。どちらがいいというわけでもなく、Martin D-45からGibson J-45に変わったような、別のベクトルを向いている感じ。ただオクターブは、GOTOHには到底及びません。

そして、不思議なことにアンプに通すと、ローが程よく削れていい感じに暴れるようになりました。でも、なんだか甘くてコクのある音がします。生音とアンプの音は別モノなんだなと勉強になりました。予想以上に5,6弦のアルミサドルがいい仕事してます。金属パーツは軽ければ軽いほど良いという、私の持論は間違っていなかった。

総じて、Glendale、テレキャスターのポテンシャルを最大限引き出そうとする、すごいパーツだなと。“最高峰”といわれるに相応しい。ただ、完全に弾き手を選ぶパーツであることは間違いなく。完全にヴィンテージ志向のパーツなので、エフェクターを多用したり、ジャキジャキギャンギャンかきむしりたい人には向いてないと思います。エッジが立つ、みたいなベクトルではないので。

私は正規代理店のあぽろんから購入しました。ちょっと変わった舶来メーカーをたくさん扱っている新潟の楽器屋さんです。プレートとサドル、合わせて3万円強。単価だけ見れば本家サイトから個人輸入したほうが安いのですが、日本までの国際送料8000円+関税(6月時点Paypal決済)とのことで、ブリッジ+サドルだけだと日本で買うのとそれほど変わらなかった。それにYahoo!ショッピングで買えるのでPaypayやらTポイントやら消費者還元やらで結構安く買えました。もっと、まとめていろいろ買うのなら本家サイトからのほうが安く済むと思います。

テレキャスター・オーソリティ
YOUNG GUITAR special hardware issue (シンコー・ミュージックMOOK)
Release: 2011/07/14

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Glendale Guitarsブリッジ換装 テレキャスター最高峰パーツの異名は伊達じゃなかった

先日、テレキャスターのブリッジをGOTOH In-Tune BS(ブラス)に換装しまして。

GOTOH In-Tune テレキャスター3wayサドルでこんなにもオクターブが合うなんて

オクターブチューニングが合わないことはテレキャスターの宿命だと思っていたのですが、そんな概念を覆してくれました。さすが世界に誇る日本の後藤ガット。

そして、もうひとつの変化はそのサウンド。とにかく明るい響きになった。交換した当初は新しいこともあり、ブライトすぎる感じもあったんだけど、馴染んでくると角が取れ、金属的な倍音も収まっていい感じに響くようになりました。明るいんだけどうるさくはない、「キーン」ではなく「ピーン」と鳴ってくれる。生音の大きさは1.2倍に。うん、私好みに近づきました。こうした変化はサドルと弦の接触面積が少ないことも影響してるのかなと。これはナットにも言えることで、溝に埋まっているのはなく三角形の頂点に乗っかってるだけ、という風なナット形成のほうが各弦の分離感が良いというのが、私がアコギでいろいろ試した結論でして。アコギに近い鳴りが求められるテレキャスターはそういうナットにしてます。ストラトキャスターなど、トレモロ付きのギターだとまた話が変わってくるのですが。

ここまで変わるブリッジの存在、侮れんぞ、とあらためて思い直し。となると気になるのが、Glendale Guitarsのパーツ。ブリッジはもちろん、ボリュームノブ換えただけで音が変わる!などなど、世界中のテレキャスターヲタクを唸らせている、知る人ぞ知るアメリカのパーツブランド。テレキャスターしか弾かないギタリスト、Dale Clarkが50年代のブラッグガードのリプレイストメイントパーツとして立ち上げたものであり、James TylerやRS Guitarworksなど、テレキャスター作りに定評のあるブランドもここのパーツを使用してます。ギターも作っておりますが、Pualownia(ポロウニア)、日本でいう桐を使った激軽テリーが有名です。その軽さなんと2kg前半。

以前からずーっと気になっておりましたが、結構いいお値段がするので躊躇っておりました。

というわけで、買ってしまいました、Glendale


じゃーん! 買ってしまいました。

ブリッジプレートとサドル。

アメリカンな取説がカッコいい

私が購入したのは、裏通しとブリッジ通しの両方が使用可能なトップローダーで、メッキなし磨きなしの”Raw-Deal”仕様のブリッジプレートThe “Top-Loader” Blackguard “No-Cut” The “Raw-Deal”。それと、1〜4弦はブラス、5,6弦をアルミにしたサドルセットThe “Twang”という、Glendaleでは基本中の基本の組み合わせ。日本では、なぜか不人気なトップローダーですが、ジム・カンピロンゴやジュダ・バウワー(The Jon Spencer Blues Explosion)はトップローダーのテリーを好んで使ってます。弦のテンションを考えると1,2弦だけトップローダーにしてみたいという思惑もあったり。


ブリッジプレートから漂う“凄み”。日本製ではこうはならないよなというオーラがあります。日本製フェンダーと本家フェンダーのギターって、明らかに雰囲気が違うじゃないですか。金属自体も舶来メーカーってなんか違いますよね。管楽器やってる人はわかると思うけど、ヤマハとバックのトランペット比べると同価格帯でもバックのほうがなんか凄みがあるというか。作りもそうなんだけどなんか素材感が違うぞ、みたいな。ああいうのなんなんですかね、本もCDも輸入盤って雰囲気あるじゃないですか。インクのにおいだったり。そんな“凄み”がこのブリッジプレートにはあります。

元々ついていたブリッジ(右)と並べてみました。これはSCUDブランド(GOTOH製?)のもので、1弦側のサイドウォールをカットしているしメッキも剥がしてあるんだけど、それと比べても「鉄!!」って感じがします。よくGlendaleのパーツは叩くと良い音がすると言われるのですが、叩いてみると確かに良い音がなりました。でも、SCUDも叩いたら良い音が……。でも明らかに倍音の違いが。SCUDは「チーン」でしたが、Glendaleはもっと低くて「カーン」。どっちが良いというわけでなく、好みじゃないでしょうか。重さはSCUDが59g、Glendaleが57g。SCUDは加工してあるので、一般的なテレキャスターブリッジプレートよりも軽いです。ですので、それより軽いGlendaleの存在。CallahamやJoe Burdenのブリッジは重くする方向で作られているので、真逆な考え方なわけです。


いわゆるサドルに角度のついたコンペンセイテッドサドル。サドル自体は筒状ではなく、底辺が平面になってます。底面にも刻印されている丁寧さ。ブラスサドルの重量は一般的なものと同じ8g(ネジ含まず、In-Tuneも8g)。アルミサドルは4gしかありませんでした。

サドルをプレートに組み込んでみるとわかりますが、一般的なコンペンセイテッドサドル比べて急な角度になっており、その角度に合わせて隣のサドルに当たる面を斜めにカットされていて隙間がありません。コンペンセイテッドサドルの欠点は弦の横ズレとサドル自体の横ズレにより、弦間隔が安定しづらいところにあるのですが、そうした問題は解消されそうです。

換装してみた。そのサウンドはいかに……?

肝心のサウンドですが、中域が強調され落ち着いた鳴りに。良く言えばヴィンテージ感、悪く言えば野暮ったい感じになりました。生音はIn-Tunesに比べると0.8くらいと小さくなりました。ただ、音自体は小さいのですが明らかに鳴り方が変わった。In-Tunesはアコギのようなトップ(表板)が鳴って音が前に出てくる感じだったのに対し、Glendaleはバックから全体に響いていくような。どちらがいいというわけでもなく、Martin D-45からGibson J-45に変わったような、別のベクトルを向いている感じ。ただオクターブは、GOTOHには到底及びません。

そして、不思議なことにアンプに通すと、ローが程よく削れていい感じに暴れるようになりました。でも、なんだか甘くてコクのある音がします。生音とアンプの音は別モノなんだなと勉強になりました。予想以上に5,6弦のアルミサドルがいい仕事してます。金属パーツは軽ければ軽いほど良いという、私の持論は間違っていなかった。

総じて、Glendale、テレキャスターのポテンシャルを最大限引き出そうとする、すごいパーツだなと。“最高峰”といわれるに相応しい。ただ、完全に弾き手を選ぶパーツであることは間違いなく。完全にヴィンテージ志向のパーツなので、エフェクターを多用したり、ジャキジャキギャンギャンかきむしりたい人には向いてないと思います。エッジが立つ、みたいなベクトルではないので。

私は正規代理店のあぽろんから購入しました。ちょっと変わった舶来メーカーをたくさん扱っている新潟の楽器屋さんです。プレートとサドル、合わせて3万円強。単価だけ見れば本家サイトから個人輸入したほうが安いのですが、日本までの国際送料8000円+関税(6月時点Paypal決済)とのことで、ブリッジ+サドルだけだと日本で買うのとそれほど変わらなかった。それにYahoo!ショッピングで買えるのでPaypayやらTポイントやら消費者還元やらで結構安く買えました。もっと、まとめていろいろ買うのなら本家サイトからのほうが安く済むと思います。

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どうせ何か買うならココ↓踏んでから買ってくれるとうれしい