「世界のロックから」本日はインディーロック&インディーポップ大国、カナダです。
カナダのインディーバンドって、ハズレがない。そこは好みの問題かもしれませんが。
でも洋楽好き、特にインディーロック・ポップが好きな人なら絶対注目している、いや、そこまで行かなくともここのアーティストの音は一度は耳にしたことがあるだろうカナダを代表するレーベルがあります。
今年で10周年を迎える Art & Crafts(アーツ・アンド・クラフツ)
それでもまだ良く解らないと言う人は今年6月に行われるこのダイジェストを
Arts & Crafts 10th Anniversary Field Trip Festival
行きてー、行けるわけないけど、行きてー。
このレーベル、サウンドもそうだけどアートワークがカッコいいんですよね。
さてさて、この度10周年記念盤『ARTS & CRAFTS: 2003-2013』が発売になりまして、レーベル所属の代表曲と未発表を集めたCD2枚組(LP4枚組)。こうして並べて聴くと改めて良いアーティストばかりだななんてしみじみ感じたりする。所属バンドを知らない人は勿論、知ってる人も改めてこのレベールの素晴らしさを改めて感じる作品です。
Arts & CraftsのYouTubeチャンネルでは出し惜しみなく、このアルバムの全曲試聴ができます。(全34曲140分以上)
というわけで、このアルバムに収録されているアーティスト・楽曲の中からお勧めなものを幾つかピックアップしてみたいなと。
Broken Social Scene – 7/4 Shoreline (2005)
言わずもがな、Arts & Craftsの象徴、レーベル発足の発端となったバンドですね、Broken Social Scene(ブロークン・ソーシャル・シーン)
1999年にKevin Drew(ケヴィン・ドリュー)とBrendan Canning(ケビン・ドリュー)を中心に結成、その後、Feist(上記曲でヴォーカルとってる)やStarsのメンバーなどのレーベルメイトがバンドに参加したりと、作品・楽曲毎に流動的なメンバー編成となっており、20人以上の大所帯バンドになったり。Emily Haines (Metric) やLisa Lobsinger (Reverie Sound Revue) などレーベル外のアーティストも参加しているまさにカナダのインディーシーンを牽引するポジション。
このアットホームな感じが好きです。Feistのアツイ歌の印象が強い曲ですけど、対象的にクールな歌声のこちらも中々。そんなステキなヴォーカルはLisa Lobsinger (Reverie Sound Revue)。
Feist – Mushaboom
ハイ、そんな Feist(ファイスト)様です。
凄い好きな方なんで語りだすと止まらないんですが(そう言えば佐野史郎も彼女のファンらしい)。出て来た当時は第2のジョニ・ミッチェルなんて言われたりもしていたのですが、元々はパンクバンドのヴォーカリスト、ハスキーボイスに潔いステージング、特にギターの弾きっぷりが男前過ぎる人ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-CtBPUc2vsg
ワルそうなギターの音と絶妙なカッティングがもの凄い“彼女らしい”んですよね。Guild Starfireをメインで使ってる人はこの人か、若かりし頃のジョージ・ベンソンくらいでしょう。彼女、157cm?くらいとのことですが、小柄でも335セミアコサイズが不釣り合いにならないところが凄い。
Stars – Elevator Love Letter
カナダでは大人気なのに日本ではいまいち支持されてないのが不思議なバンド、Stars(スターズ)
単純な名前だけにこのご時世、ネットで検索しにくいというのもあるんでしょうかね。男女ツインヴォーカルの甘いメロディーとシンセで彩られたアレンジが美しいバンド。
個人的にはこのバンドのサウンドがカナダのインディーバンドを代表する音っぽいなと思ってるんですけど。深い意味はない、直感イメージだけの話です。
Amy Millan(エイミー・ミラン)とTorquil Campbellのこの優しいハーモニーが絶妙すぎる。
The Most Serene Republic – Content Always Was My Favourite Color
出て来たときは結構話題になりました、美大生6人組、The Most Serene Republic(ザ・モスト・セリーン・リパブリック)
最初何か聴かなかったんですよ、別に理由はありませんが。で後追いで聴いてビックリしたというよくあるパターン。
最近はごちゃまぜ感をセンス良く鏤めてるアーティストも多くなりまして、“カラフルなアートロック”なんていう言い回しは簡単だけど、彼らはその言葉だけじゃ足りない何かがある、漠然とし過ぎてるんだけど。
メンバーチェンジしたし、紅一点Emma Ditchburn嬢が居なくなってしまったのは残念なんですけどね。
Timber Timbre ‘Demon Host’
Timber Timbre(ティンバー・ティンブァー、カナで書くとこうかな?ややこしい)は3人組フォークバンド。
ゆったりとしていてちょっとサイケで良い感じに枯れている。優しい歌声とギター。この曲はほぼ弾き語りですが、他曲ではオートハープも入ったり、哀愁感たっぷり。ローファイで僅かにトレモロ掛かったヴォーカルのリバーヴが時折裏返る歌声に滑稽さを与えている不思議な世界観。
Dan Mangan – Rows of Houses
正統派フォークロックシンガーソングライター、Dan Mangan(ダン・マンガン)
実際今回初めて知った方なんですけど、凄い良いです。包容力のある力強さと優しさが共存する歌声、豪快なギターロックあり、サザンロック風あり、じっくり聴かせるアコースティックあり。
Los Campesinos – You! Me! Dancing!
Gareth Campesinos!, Tom Campesinos!, Neil Campesinos!, Kim Campesinos!…
メンバー名見てるだけでわけが解らなくなりそうな Los Campesinos!(ロス・キャンペシーノス)
なんだかよく解らなくともとりあえず、楽しい!楽しい!深いこと考えるな!と思わせてくれるバンドです。
ギターのファズトーンとmicroKORG、そしてヴァイオリンのピチカート奏法を交えた音の使い方、特異なことというわけじゃないけど、こういうサウンドの絡ませ方に抜群のセンスを感じます。
ヴァイオリンがこのバンドのアクセントだと思ってたんですけど、Harriet嬢辞めちゃったんだよなぁ、、、
こんな感じです。
カナダにはまだ素敵なアーティストがたくさんいるので、また徐々に触れていきたいなと思っております。