たまたま見つけたバンド。すごくグっときた。
私は知らなかったんだけど、結構話題になってるようですね。ちょっとハスキーな声と、行き過ぎないハードロック感、すごく好き。女性ヴォーカル特有の“とっぽい不良性”やマイナーメロが往年のビーイングを彷彿とさせると思っていたら、この楽曲の作曲・プロデュースはZYYGの後藤康二氏。この手のガールズロックやったら右に出る者はいないであろう人。ここ数年は乃木坂46やSKE48に楽曲提供もしてるけど、やっぱり編曲まで手がけてるのが好き。ガッツリギターが気持ちよいんです。
LoVendoЯが本気出してきた
7月1日にメジャーデビューを果たした、LoVendoЯの新曲がすごく良い。
まりんちゃん美しい、まりんちゃんかわいい、まりんch(ry
というのは、ひとまずおいときまして。カワイイとカッコイイの共存。「不器用」「イクジナシ」の流れでなんとなく、方向性は見えた気がしてきたのですが、メジャーデビューでこうきたか!待ってました感ハンパない。
もう、「元モー娘。の田中れいなのバンド」という肩書きは完全にいらなくなったんじゃないかと。楽曲はもちろん、バンドの雰囲気、空気感がものすごい良くなってるんですよね。4人がキャラ立ちしてるというのもあるんですが、ヴォーカル×2+ギター×2という、全員が「バンドの花形」になれるポジションにいるというのも良い方向に出てます。MVに見られるような4人が輪になる絵面も、通常の編成ではこうはいかないだろうし。
先週、リリースイベントに何ヶ所か行ってきました。販促系のイベントってショッピングモールとか、通常のライブでは味わえないものがあるから、なんか好き。音響にしても整った環境でないところだからこそ、見えるものがあるというか。アイドルだと、全力だとか、実力以上の力を発揮することに魅せられる場合もあったりするけど、70%くらいの力で見る者をどれだけねじ伏せられるかってことに、“プロフェッショナル”を感じるのです。与力を残して余裕綽々にこなしていく様。自分はやっぱり、そういうのが好きですね。アイドルもアーティストもバンドも完成度の高いものが好き。単に技術の話じゃないよ。
LoVendoЯでいえば、ギターがマルチエフェクターのラインだし、そりゃ、いなたさもあるんだけど、だからステージングの見せ方、絵面も重要になってくる、やっぱり歌。
歌・発言・存在自体が“ザッツ・ハロプロ・アイドル”を体現したような、田中れいなに対し、一歩も引かない岡田万里奈に大物気質を感じてはおりましたが、それが本格的に開花し始めた感。「見せる、見られる」ことに余裕が出てきたとでもいうか。マイク持つ左手の指をパタパタする癖とか、右手のちょっとひねり入ったリズムの取り方だとか。まぁ、20そこそこのヴォーカリストではないよなっていう、すごく安心して見ていられる感。天海祐希に似てるし。
田中れいながもう少し、バンドのヴォーカルらしい意識になれば、なんて思ったりもしてたんだけど、それで良かったし、この先もこのままでいいんじゃないかと。結果として普通のバンドじゃ生まれないようなバンドマジックが生まれてきてる。ギター二人しかり。この先ますます面白いバンドになりそう。
アップフロントは自社完結の会社だから、メジャーもインディーズもさじ加減ひとつじゃないかと思ってたけど、なんだかんだ「メジャーデビュー」って変わるもんだね。
ツアーも始まりますし。林束沙、清、Megu… なんていう、ベーシストをみても、スタジオミュージシャン然としてない、“タイプは全然違うけど、解る人にはグっとくる”絶妙なサポート人選も、バンドとしての経験値として功を奏してる気もする。固定ではなく、定期的に変わるのも、意図的でしょう。おそるべし制作陣営。
サイサイってなんかいいよね
それこそ、偏見もいろいろあるバンドだけど、ちゃんと本人たちがバンドやりたくて始めたという気持ちが充分に伝わってくる。以前スペシャの番組で「ロックバンドとして見られない」という悩みを明かしておりましたが、それに対して「モデルでバンドやってるなんて最強じゃねぇか」「モデルさんはお高くとまって、バンドマン見下すくらいがちょうどいい」と応えた、コレクターズの加藤・古市両氏はさすがだった。これはファン側としても目から鱗的な発言ではないのかと。灯台下暗し、それを売りにして何が悪いんだというね。どうしても偏見を持たれる場合、「ちゃんと聴いて」とか音楽的講釈を用いて説明してしまいがちなんだけど、そこを色々拗らせて変な方向に行ってしまうと大変だから。
でも、サイサイはなんかそこを逆手に取ってるんだよね。「ロックバンドとして見られない」ことに歯がゆさはもちろんあると思うんだけど、かといって、そこに固執するわけでもなく。ロックって、ある種、男チックなものじゃないですか。だから女の子でも、「オラオラ」と男ノリを出してみたり。だけど、サイサイってちゃんと女の子っぽさをしっかり体現してる。こんなにガーリーでキュートさを打ち出しているバンドっていたっけ?芸能的なビジネスを感じるアイドルバンドはたくさんいましたが。
だから、ものすごく確信犯な気がするんです。セルフプロデュースの高さを感じる。
最初は、正直好きでも嫌いでもないというか。もちろん、女の子が憧れるのも、男から見て可愛いと思う気持ちは解っていたものの、自分には縁のないバンドだと思ってた。ただ、やけに耳に残るメロディが気になって、アルバムとかいろいろ聴いたらそのクオリティの高さに驚き、今やすっかりハマってしまった。
バンドとアイドル性を使い分けるという意味で、ものすごくうまくやってるバンドだと思う。
それにしても、ひなんちゅのドラムいいんだよね。ビっとした美しい姿勢で、リンゴ・スター的な説得力のある8ビートを叩く。
なんだかんだ、SCANDALってすごいな
ローリング・ストーン誌の裏表紙見て、「けしからん!けしからん!」と思いながら、とりあず2冊買ってきたよ。
この手のバンドでトップに君臨してるのは、やはりSCANDAL。彼女たちの「見せ方のうまさ」は度々触れていますし、ライブレポもやらせてもらいましたが。
メンバーがバンドやりたくて集まったバンドではないし、ある程度コンセプト的なところもあったので、偏見はもの凄く多かっただろうけど。そこをうまい具合に自分たちなりに昇華してきたものがある。だから、変なアーティスト病的な“自我の芽生え”もなく、自然な感じで今の姿があるというか。この新曲、なんかいいよね。
今のJ-Rockメジャーシーンで、このテンポのアメリカンロックでシングル切るって、かなり勇気いる大英断だと思う。四つ打ちやダンスビートだとか、BPM競ってばかりで麻痺した喉を潤す清涼剤のような。
昨年のGIGS10月号で、かなり印象的なインタビューがあったのだけど、
自己顕示欲の塊のようなアーティストばかりの中で、この発言は本気ですごいなと思った。BUCK-TICKかよ。
アイドル的に見られてしまうことに対し、
ハイ。ごめんなさい…。
もう、なんか達観してるよ、この子ら。
このあたりのガールズバンドを見てるとね、アイドル側がファン含めて、“アーティスト病”になってしまう中で、バンドのほうが柔軟な考え方を持ってるなと思う。変な論争繰り広げてるのがアホらしいというか。バンドじゃなくとも、「ギタ女」なんて流行ってるけど、インディーズや、それよりアマチュアに近い、弾き語り女性シンガーソングライターのひとたちに、アイドルヲタ的なファンがついてきてる現状もある。なんか、アイドル、アイドルで、色々疲れてしまった人たちが流れてきてるのかなぁとも思ってみたり。
「自分たちが曲作ったら偉い」「バンドなんだから自分で曲作れ」なんてことは、完全にお門違いだとも思うし。オルタナティブロックやポストロックとか、ちょっと複雑で奇をてらった音楽やってるからすごいとか。もういいよね、そういうのも。
ローリング・ストーンズに音楽性も演奏力も誰も求めないじゃないですか。ジーン・シモンズが舌ベロベロして火を吹けば、KISSじゃないですか。そういう、見てすぐに「いい!かっこいい!」というロックの初期衝動的なところを思い出させてくれるんすよ、この辺のガールズ・バンドって。うん、同時に自分も歳取ったなぁなんて思うんだけど。
かわいい、きれいな女の子たちがバンドやったり歌ったりするのって、美しいじゃないですか。結局そこかよ。
某メタルアイドルユニットとかの周りを見てると、本人たちを褒めてるのか、バックバンドを褒めてるのかよく解らないんですよ。あれって、完結にいうと「かわいい、おもしろい」がすべてだろ、と思うんです。もちろん、話のネタ、切り口だったり、はたまた自分の中で免罪符的に何とか正当化しようとするのは解るんだけど。でも、ちょっとおかしな方向に行きすぎてないか?って。アイドルとかアーティストとか、ロックだとか、なんだとか。別にもういいじゃないですか。どうでもいいアンチノミー。観る、聴く側が判断して臨機応変に使い分けていけば。最終的に自分が好きかそうじゃないかですからね。まぁ、とりあえず、みんな「かわいい!」「好きだー!」はどんどん言ったほうがいいよ。素直になりましょう。