BeckのニューシングルがJack WihteのThird Man Records『Blue Series』からリリースされるそうで。
この『Blue Series』、その名の通りブルーのバックのジャケット、とそのまんまなんですが、The Black Bells, Smoke Fairies, Laura Marling, Firsr Aid Kid…などなど、私がドンズバな女性ヴォーカルだらけ。且つ日本からはTHE 5.6.7.8’S、そしてTom Jonesなんていう大御所までリリースしてます。
この辺りの感覚というかセンスが私がジャックに心躍らせる理由でもあるわけで。
この注目のBeckシングル、待望のニューアルバム制作途中にレコーディングされたとのこと。ジャックは勿論、Dean Fertita(The Dead Weather)、Karen Elsonも参加しているらしい。過去にはBeckがWhite Stripesをプロデュースしたこともあったけど、久々の共演。現在はThird Man Recordsのサイトから少しだけ視聴が出来ます。
さてさて、BeckとJackの共通項とはなにか?
お互いブルースやカントリーなどのルーツミュージックを土台になんて今更言うまでもない。注目すべきは女性の好み。いや、無闇に“女好き”と言ってるわけではない。Jeff Beckが女性プレイヤーを見い出すことや、Billy Corganが女性ベーシストを見つける才に長けているとするなら、この二人は女性ギタリストに目がな、いや、見つけ出す才能に長けている。
ギターという楽器に魅せられてプレイに特化するギタリストも居れば、音楽表現の一環としてギターを手にするタイプのギタリストも居る。どちらかといえば後者のほうがプロデューサーに近いのかもしれない。『女性ギタリストフェチ Vol.1』で取り上げたのは割とプレイヤー色が強い人たちだったけど、今回は後者寄り。上記2名にその才能を見い出された3人。
スケコマシは美女を呼ぶ、ならぬ、鬼才は才女を産む。
Olivia Jean
via: theeblackbelles.tumblr.com
The Black Bellesのフロントマン、Olivia Jean(オリヴィア・ジーン)
西洋の梶芽衣子ともいうべき凄まじいゴシック美女でございます。
元々はIdée Fixeというサーフガレージのソロバンドをやっていて、後にThe Black Bellesを結成。自らのバンドもさることながら、Jackのニューアルバムでもかなりの割合でギターで参加。Karen Elson(カレン・エルソン)のバックではベースを弾いているし、JackとともにWanda Jackson(ワンダ・ジャクソン)のバックでは6弦ベース(Fender Bass VI)を弾いている。
The Black Belles – Lies (Lost Video)
Karen Elson – The Ghost Who Walks
Wanda Jackson – Thunder On The Mountain
目立ったプレイというわけではないけど、独特の手癖フレージングがあって、その辺りのセンスを含めJackに気に入られている様子。Jackが自分の作品、そして彼の主要プロデュース作品に殆ど参加していることからかなりの信頼を得ていると思われます。
それにしてもゴシック衣装にNational Airline(EastWoodかも?)Duo Jet、EB-3、Bass VI、だなんてビジュアルセンス良過ぎ。
Jessica Dobson
Photo by Ross Reyes
Beckの右腕と言えば、この人、Jessica Dobson(ジェシカ・ドブソン)
メインギターがHarmony Stratotone Juipter、Mercuryというだけで只者ではないことが明確なわけですが。これがまたルーズで渋いギターを弾く。
正直、Beck目当てだったのにこの人にヤラレてしまった人も国内外で多発。Beck Bandを離れたあとは元々活動していた自身のプロジェクト、Deep Sea Diver(ディープ・シー・ダイバー)、そしてまさかのThe Shins(ザ・シンズ)に加入。らしいと言えばらしいのだが、これまたエライ渋いバンドに入ったもんだ。
beck and jessica dobson WHERE IT’S AT
Deep Sea Diver – You Go Running (Live on KEXP)
The Shins – Simple Song
Nicole Morier
photo by jonprc
モデル級のスレンダー長身美人、Nicole Morier(ニコール・モーリエ、ニコル・モリエ)
Beckのサポート、エレクトリックユニット、Electrocute(エレクトロキュート)などで活動し、近年ではCharlotte Gainsbourg(シャルロット・ゲンズブール)のワールドツアーサポートギタリスト兼バンマスとして参加。ギターのみならず鍵盤やらパーカッションやら類い稀なる才能を発揮していた。弾き過ぎず隙間を縫うようなプレイ、ギターと言うよりも楽曲ありきで音色とフレーズを選んで行くセンス。
On the Beat by electrocute
Charlotte Gainsbourg – Set Yourself On Fire (Live)
いつの間にかLykke Liのプロデュースも手掛けてるし、Britney Spearsに楽曲提供などもしている。
Coco Morier名義でソロアーティスト活動を始めていた。
これがまたアンニュイで哀愁エレクトロ、実に良い。Electrocuteのようなガーリーでパンキッシュなエレクトロも良いが、こういう無国籍な古めかしいエレクトロのほうが妖しさ倍増で良い。曲によってはぶっ飛んではいるが。まぁ、美人は何やっても良いということだな。
Coco Morier – Ambulance : Official Video
一環して言えるのは突発したプレイではないものの、あくまで楽曲重視とアレンジ重視、あとギター機種選びのセンスがいい。決して一般受けとはまた違うところの三人、ジャックもベックも随分と個性的なギタリストを持ってきたものだ。ものすごい好み解るけど。
まぁ、私とギターも女性も好みが似ていると言ったところか。