ザ・コレクターズに怒髪天、”Just a Rock’n Roller”なジャパニーズ熟年ギタリストを愛でる

コードをバーンとかき鳴らしたとき、圧倒的な存在感を放つ、そんなギタリストが好きだ。もっといえば、ギターを持ってるだけで異様なほど絵になる、そんなギタリストが好きだ。

目を奪われるような速弾きも、目を疑うような超絶プレイもいいけど、とにかく“弾いてる姿がカッコいいギタリスト”が好きなんだ。

ストラップの長さ、構えたネックの角度、ストロークする右手の軌道……、そのシルエットに男のロマンが詰まっている。高度なテクニックよりもその姿だけで魅せる。そんな、日本の熟年ギタリストを紹介していく。昭和生まれのおっさんの私が愛する、“ロケンローラー”なおっさんギタリスト7名。

藤井一彦 – THE GROOVERS

THE GROOVERS「PERFECT DAY」

Fender LeadもGretsch Roc Jetもいいよ!上記動画はTruth ギターだけどな。

自分がバンドやってた頃、この人見て、Bill Lawrenceのピックアップ“L-250”載せて、PEAVEYのツイードアンプ“CLASSIC”買って、アホみたいに繋いでたエフェクトボード全部取っ払って、カールコードで直挿しにした。そんくらい影響受けた。

ヴォーカル取る人の弾くギターって、独特の間の取り方やタイム感がある思うんだけど。この人の「歌に寄り添っていく感じ」がたまらなくてね。そしてなんといっても、意味わからないくらい説得力のあるカッティング。コンプレッサーなしで右手をねじ込んでいくようなカッティング。すっげぇ鋭いんだけど、ものすごくあったかいんだよ。

器用なプレイをするタイプじゃないし、エフェクターすら使わないようなギタリストなんだけど、錚々たるアーティストのサポートやったりしているのは、やっぱりものすごい説得力のある唯一無二なプレイゆえなんだと思う。理屈じゃないというか。仲井戸麗市、石橋凌、SION……などなど、男臭くて土っぽいシンガーに信頼されているというのも頷ける。反面で、三上ちさこ(fra-foa)や、前田敦子といった女性ヴォーカリストもサポートしてたり。

杉本恭一 – LÄ-PPISCH

LÄ-PPISCH/Magic Blue Case ~Live at SHIBUYA-AX in 2012

テレキャスターなギタリストといえば、最近の子は凛として時雨のTKかもしれないけど、もうちょっと上の世代はアベフトシかもしれないけど(2人ともフェンダーじゃないけど)、昭和生まれにとっては狂市こと、杉本恭一(この人も初期はフェンダーじゃないけど)なんだ。JUDY AND MARYのTAKUYAの師匠でもある。

BOØWY「BAD FEELIG」とLÄ-PPISCH「胡蝶の夢」が弾ければ、カッティングヒーローになれた。ナスカの地上絵が描かれたテレキャスターに憧れて。あのペイント、XのHIDEが描いてたヤツの元ネタだよね。

多くのギタリストが、Roland JCで魅惑のクリーントーンを奏でていた時代に、本体の“DITROTION”スイッチを使ってた唯一の人。あの扱いづらいツマミを器用に使いこなせるのは、昔も今もこの人だけだろう。

「VIRUS PANIC」のイントロもすごくてね。James Trussartのギラギラしたテレキャスター弾いてるミュージックビデオもカッコいいんだ。「ビビビ、ビールスパニック」って、今は「ウイルス」だよね。懐かしさを感じる昭和生まれ。

内藤幸也

アレルギー 2014再生

ツボを得た的確すぎるカッティング。オーバードライブとワウペダルくらいしか使わないんだけど、空間系エフェクトを使っているようなどこかニューウェーヴな香りがするトリッキーなプレイ。アンディ・ギルとダニエル・アッシュの良いところを全部合わせたようなゾクゾクするカッコよさ。

ARB再結成の第4期(1998年〜2006年)で初めて知り、すっかり魅了されてしまった。めんたいロックのストレートで硬派なロックのイメージが強かったバンドだっただけに、ヴィンテージストラトキャスターの枯れたトーンでファンキーな小気味のカッティング刻むこのギタリストは何者なんだ? って。Zi:LiE-YAでは、レスポールで60s UKハードロックスタイルをガンガン掻き鳴らすし、THE WILLARDやTHE EASY WALKERSといったむさ苦しいロックも弾いてる。引き出し多すぎ。

KIYOSHI – MADBEAVERS

“雪が降る” Kiyoshi(MADBEAVERS) with 宙也(LOOPUS)

宙也つながりで。多くの人はMEDIA YOUTH〜hide wih spread beaverの“オレンジ色の憎いヤツ”時代のインパクトが強いと思うし、あの頃もカッコイイけどね。Fernandes MYとイカツイ革のストラップでの“両手離し奏法!(hide命名)”とかさ。でも、MADBEAVERS以降、今井寿とのLucy含めて、ちょっとやさぐれたロックやってる感じがたまらないんです。Gibson ES-355とか、ES-175を膝ぐらいでダラダラ弾いてる感じの。もはや、「テクニカルな速弾きやるようなギタリストだったんだよ(インディーズ時代)」と言っても誰も信じないかもしれないけど。

上原子友康 – 怒髪天

怒髪天「赤ら月」@粟津演舞場 [2017.04.09]

楽曲のアクの強さとか、増子兄ィのクセの強さとか。なんせ本人たちがあまりに悠々としているから、そんなこんなで正当に音楽評価されづらいけど、相当演奏力高いです、怒髪天は。

中でも王子こと、上原子友康のギターは絶品。なんだろ、アメリカのメンフィスあたりの酒場で飲んだくれるおっさんがちょっとギター手にしてみたらバカうまだった、という衝撃のうまさ。わかりにくいか。カントリーのギタリストってなんでもサラっと弾けちゃうじゃない? そういう感じなんだ、このひと。それこそ、ロックからカントリーリックから、速弾きまでなんでもサラッとやっちゃう。しかもそれをストラト1本でこなしちゃう恐ろしさ。ハードロックやるからハムバッカーで思いっきり歪ませる、みたいなことしないんですよ。ギター1本でジャンル無双する“流し”のような、職人芸的なうまさです。

NAOKI – SA

SA / MY ONLY LONELY WAR

とにかく太い。ぶっとい音。波形で見たら、音の減退なんかなくて羊羹のごとく四角いんじゃないかと思うくらい。6弦から1弦まで振り下ろすタイムラグなんて、一切存在しないほど一気にバーンって、ハイメガ粒子砲(昭和生まれのたとえだな)みたいに音が出てくる。コード弾くときと単音弾くときの弾き方も変わらないし、小手先で弾いてる感は皆無。かといって、パンクギタリスト特有の全力以上に大袈裟な暴れた感じもなくて、とにかく無駄がなくて安定感がハンパない。攻撃的なんだけど、見ていて聴いていてなんかものすごく安心できるんだ。

古市コータロー – THE COLLECTORS

THE COLLECTORS「愛ある世界」from『THE COLLECTORS live at BUDOKAN』

ここまで紹介してきたギタリストは、右手のピッキングが早い人が多かったんだけど、この人は真逆。撫でるような弾き方をする。でも出てくる音は、やけに鋭くとにかく太い。弦がピックにあたる瞬間よりも弦から離れるときに音が出てくる感じ。弦の張力に添って跳ね返るような手首の使い方が絶妙なんです。弾く=“ひく”というよりも“はじく”という表現が似合うような。鳴らない、弾くのが難しいギターの代名詞、Rickenbackerの操り方には定評のある氏ゆえに、ギター本来の鳴らし方を知ってるんだろうな、とも。

甘い音のするGibson ES-335をこんなにブリリアントにかき鳴らすギタリストなんて、古市コータロー以外にいるものか。

THE COLLECTORS live at BUDOKAN ” MARCH OF THE MODS “30th anniversary 1 Mar 2017
THE COLLECTORS
日本コロムビア
Release: 2017/06/07

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