「世界のクロサワ」こと、黒澤明監督作品とアメリカンなルーツ・ミュージックが融合した。アメリカのバンド、Ben Miller Band(ベン・ミラー・バンド)の楽曲、そのタイトルはズバリ「Akira Kurosawa」。2018年1月リリースされた最新アルバム『Choke Cherry Tree』からのミュージックビデオである。
ブーミーなギターリフ、土着的なリズムに反覆するキャッチーな歌がモノクロームな映像と相俟って、妙なコミカルさと中毒性を生み出している。歴史的映像作品と粋なルーツ・ミュージックの融合は、和洋互いに共通する「古き良き、」……そんな言葉の情緒を醸しだす。
Ben Miller Bandとは?
Ben Miller Bandはミズーリ州ジョプリン出身、2005年より活動しているバンドである。ブルース、フォーク、カントリーをベースとし、激しく足を踏み鳴らして躍る“Stomp(ストンプ)”を昇華した独自のスタイルは、“Ozark Stomp”、 “Mud Stomp”とも言われる。
ヴォーカル&ギターのBen Miller(ベン・ミラー)を中心に、自作の洗面桶1弦ベースを奏でる、Scott Leeper(スコットリーパー)、ギター/ベース/パーカッションのBob Lewis(ボブ・ルイス)、ヴァイオリン/チェロ/ギターの紅一点、Rachel Ammons(レイチェル・アモンズ)の4人組。レイチェルはその他に“electric-cactus player”なんて表記もあるのだが。「電気サボテン」ってアレだ、大人のおもちゃの隠語。もちろん、アメリカンジョークである。
2010年にアルバム『1 Ton』『2 Ton』2013年、ZZ Topのオープニングアクトを務め、そのステージが絶賛された。精力的な活動とオリジナリティあふれるハイクオリティな音楽性で今注目のバンドである。