愛おしてくてたまらないグループ、アイドルのニュースタンダードを掲げる少女隊、代代代(だいだいだい)の待望のニューアルバム『むだい』。これ、ちょっと凄すぎて笑いがとまらねぇ。なんなんだよ、このアルバム。禍々しくて不気味で狂ってる……もはやアイドルに対する誉め言葉じゃないな。
もうジャケットからして最高。なにこの外し方。ドアタマ「クラウスイハ」のスペイシーサイケな雰囲気でトランス味のあるハードコアテクノでアゲアゲに飛ばしてきたと思ったら、次曲「凶ぺ(まがぺ)」で一気に地獄に叩き堕とされる。なんだこれ、呪詛だ、インダストリアル呪詛。
https://www.youtube.com/watch?v=xUdHrg8V5XY
「ZZアリン」は先行で発表されて、「アタマおかしい」と思ってた曲だけど「凶ぺ」からの流れで聴くとますます狂い度が増す。M4「TENPENCHii!!」は80年代ハードコアの2000年解釈とでも言いましょうか、THE MAD CAPSULE MARKETSやcali≠gariが一時期やってたようなデジタルハードコア。サビは一転してアイドルソングっぽいポップなメロが挟み込まれるんだけど、アレンジと声の重なり方含め、なんか不気味なんだよ。
個人的にもっとも代代代っぽい曲だと思っているバキバキバキバキソング「血湧き肉DANCE」。反復される暴力的なデジタルビートと流麗なメロディへと変わるカオスティックさが最高っす。Atari Teenage RiotにCoaltar Of The Deepersが殴り込んでくる感じ。アルバム用に追加された不穏なイントロ部もステキ。昔は、こういうアルバムミックスにイントロ追加する技をみんなやってたけど、最近やらなくなっちゃいましたよね。
なんだかんだラスト曲「ワールドワイドハピネス」にたどり着いたときのこの上ない達成感。なんかものすごい難解なファミコンゲームをようやくクリアして、拍子抜けするようなエンドロールを迎えた感じ。ええ、褒めてますよ。こんな濃いアルバム、アイドルどころかアーティストのものだってそうはないよ。プロデューサーの自己満足じゃなくて、当人たちもちゃんと“個”を放ってる面白さ。
恐るべし代代代、恐るべし小倉ヲージ。
https://www.youtube.com/watch?v=hyQ9DxyIk4w