トリオのバンドって絵面的にもいいですよね。
それがギャルバンだったらもっといいですよね。
三人組・三姉妹・三人娘って、響きもいいですよね。
そんなガールズバンドの紹介です。
Giana Factory
member: Louise Foo (vocals, drum pads), Sofie Johanne (bass, synth), Lisbet Fritze (guitar)
暗い!暗い!妖しさ際立ってるジャケットやアー写の期待を裏切らないデンマークのバンド、Giana Factory(ギアナ・ファクトリー)です。ドラムが居ません。ヴォーカルの Louise Foo(ルイ・フー)が歌いながら叩くのはドラムパッド。
グローファイ且つサイケデリックでゴシックで、でもただ暗いだけではなく北欧ならではのメランコリックなきらびやかさを兼ね備えている、個人的にはかなりツボってる。
このスタジオセッションが突っ込みどころもありつつ、妖しさとシュールさ、そしてどこかカワイさがあって不思議なバンド像が良く表れている、そしてコワイくらいのカリスマ感あるし、文句ナシにカッコイイ。映像、演奏、音質、かなりクオリティ高い。
気がつくと一緒に「すぃー はー ちゅぺん、すぃー はー ちゅぺん、すぃー はー ちゅぺん、ちゅぺん」って、口ずさんでるだろ。 *正しくは”Sweetshearts trippin’ and trippin'”です。
暗いんだけどものすごいキャッチーなところがたまらんです。私が楽曲の重要性として常日頃から力説してる「ポップじゃないけどキャッチー」まさにこれです。かなり極端な例だけど。完全に参りました。
というか、このボーカルマイク、もしや白クジラ?(SENNHEISER MD421)すげーな。
ベースが居ない分、アナログシンセで補ってます。泣く子の黙る超名機KORG-MS10。これにしか出ない低音だよなぁ、ぶっ太くて暖かい。ドラムパッドはRoland SPD-Sですね。昔はサンプラーのトリガーとして鳴らしてるバンドも多かったけど近年はあまり見かけなくなりました。久々にアナログシンセで遊びたくなる。
MVもすごいことになってます。
ヴォーカルのLoui FooはTHE REVONETTESのSharin Fooの妹さんです、エライ美人姉妹だこと。
3月に発売された世界デビューアルバム『SAVE THE YOUTH』、日本盤とiTunes, Amazon MP3には彼女たちの日本では未発売だったデビューシングル『Bloody Game』とプラスアルファ、全20曲収録されたお得な2枚組になっております。輸入盤には「すぃー はー ちゅぺん」が入ってないので注意。
Novella
member: Hollie Warren (Guitar/Vocals), Sophy Hollington (Guitar), Suki Sou (Bass)
こちらもドラム居ませんが、ライブはちゃんとサポート迎えて普通のバンド編成です。ロンドンのバンド、ガレージ、、、でいいのかな、Novella、発音は「ノヴェッラ」と表記するのが近いみたい。
ローファイ、ガレージは近年のロンドンやブルックリンのインディーズシーンではキーワードで、クラシックロックリバイバル、それを逆手にお洒落感覚のトレンドの一つになってるんだけど、このNovellaに関してはそんな他バンドとは違うところがある、ギターの音が汚い(褒め言葉)。小型のチューブアンプをフルドライブさせるとか、ファズでノイジーな音奏でるなんてことじゃなくて、昔の通販のおまけでついてくるようなHarmonyやAirline辺りの小型トランジスタアンプが壊れかかったような。『Don’t Believe Ayn Rand』なんて途中でギターがクワーっと来て位相がごっちゃになって、アレ?あれ?
どこかのレビューで「スーパーカーのスリーアウトチェンジの青春の香り」なんてのを見かけたけど、まさにそれだ!
こんなお嬢さんたちにこんな音出されたらおじさん、キュンキュンしちゃうよ。
そんなNovellaの最新EP『Novella』はイギリスの ITARIAN BEACH BABES からのリリース、アナログ盤のみ、iTunesとAmazon MP3ではデジタル販売もあります。
それにしてもジャケット、アメリカンサイケっぽくもあり、どこか昭和レトロ感もあり、最高です。
HAIM
member: Danielle Haim, Alana Haim, Este Haim
LAの三姉妹バンド、HAIM(ハイム)
最初このメンバー名を見たとき、疑似三姉妹だと思ったんだけど本当に姉妹っぽい。だってアメリカ疑似兄弟バンド多いんだもん。White Stripesだって、兄妹だと思ってる人、未だに多そうだし。
このバンド、自主制作EPをフリーDLとしてアップしたところ、耳の早いリスナーの中で話題になり、とまぁ近年よく見かける話。
彼女たちの代表曲がこれなんですが
中盤のよく解らない振り付けは置いておいて。楽曲はちょっと前の王道アメリカンポップス!ちょっと無理矢理入れてるギターとか亜流で好きなんですが。まぁ、正直そこまでピンとは来なかった。ダニエル(Vo&Gt)が美人さんだなぁと思い(そこかよ)、他の映像探したんですが、
なんだ、この凶暴に太鼓叩いてる姿はっ!?演奏もスゲーロックだし。
これはカッコイイぞと。ちなみにこの映像14分となってますが、4:06でおしまいです。Virginさんそんな仕事してるから、、、
ダニエル嬢、パーカショニストとしてのアーティスト経験があるらしい。
現在はポリドールと契約して新作を制作中のご様子。まさにこれからのバンドですね。
フリーで配布していたEPは現在iTunesで販売中。
Stealing Sheep
member: Becky (Key), Emily (Guitar), Lucy (Drum)
UKリバプールの三人娘、Stealing Sheep(スティーリング・シープ)
ベッキー、エミリー、ルーシーなんていう誰もが思い浮かべそうな英国人名も語呂が良いじゃないですか!三声のハーモニーボーカルが心地よく、サイケデリック・フォークながらも暖かみのあるメランコリックなメロディー、民族音楽要素を詰め込んだパーカッション、色彩豊かというべき鍵盤類、いくら知識豊富な音楽家と言えど、こういう解釈・音選びは男性じゃ絶対無理。女の子ならではの感性というべき。
特筆すべきはエミリー嬢のギター。エフェクトを駆使するわけではなく、基本音色は一緒。フレーズと弾き方で様々な表情と色を添えている。一見目立たないけど、良く聴くと何気に凄いことやってる職人芸。
カワイイゾ!タノシイゾ!見ていて思わずニヤニヤしてしまいそうなライブ映像です。
エミリータソのギター、アームを持ちながら弾くのがお家芸で。まぁ。シューゲイザーバンドではよくやる奏法だけど、あれジャズマスター/ジャガーのゆるゆるのフローティングトレモロだから成り立つものであって、ストラトの可変が大きいシンクロトレモロでやるのは結構キツイ、単音フレーズでやってるし。アームの効きから想定してかなり緩めのようだから相当セッティングを突き詰めてると思われる。右で弾いてるけど、実は左利き。他二人含めて器材もかなり拘っているというか、マニアライクなのでその辺踏まえてこの3人のギーク娘っぷりを垣間みることが出来るので、個人的にはポイント高いです。
ビートールズで有名なアビーロードスタジオでのセッションライブ。楽曲もさることながらダークさといい、かなり良い雰囲気を醸し出しております。
ヘッドフォン女子心をくすぐるどこか昭和レトロ感たっぷりのヘッドフォンはTASCAM DT150。これ、私も持ってました 笑
ルックスに惹かれたけど別に名機というわけではないです。音楽聴くのには音が素直過ぎてあまり向いてないかもしれない。結構昔の商品だし、今売ってるの見たことないよ?調べてみたけど、メーカーのHPには製品概要が載っているものの、どこの販売サイトでもヒットしませんでした。
アビーロードに常設してある器材なのかなとも思ったんだけど、どのスタジオセッションでもこのDT150を使用しているので、本人たちの所有物っぽいですね。流石の拘りです。
このStealing Sheep、去年の11月に日本向けでインディーズデビュー(日本向けアルバム『Golden Fleece』)してるんですが、楽曲もデザイン周り含め如何にも女の子路線狙いすぎで。(デザインはメンバーが絵を描いたりしてるんだけど)実は音もセンスも結構通好みだったりするから、肝はそこのバランスかな、なんて思ってます。8月にイギリスのインディレーベル、Heavenly Recordings(最近インディーロック好きで話題になってるTOYが所属してる)でリリースした『Into the Diamondsun』のほうが可愛さ暗さが共存するサイケって感じでこのバンドの良さが良く出てるんじゃないかと思っています。
Nelson Can
member: SELINA: LEAD VOCALS + extra, SIGNE: BASS + vocals, MARIA: DRUMS + vocals
Nelson Can(ネルソン・カン)、デンマークのバンドです。
正直よく解らない。というかなんと表現すべきなんでしょうか。Yeah Yeah Yeahsの内に秘めた凶暴性みたいなものを感じるし、ギターは居ないけど、White StripesやBlack Keysあたりのストレートながらもどこか捻くれたロック魂が伝わってくる、それを彷彿とさせるリズム、リフもあるし。とにかくカッコよくて、カワイくて、適度に不気味。
もうMV最高です。
最高にカワイイんだけどシュール、、、センス抜群です。ちなみにこちらのPanikさんという女性は先代のドラマーさんです。現在のドラマーはMariaさん。
もうこっちのMVなんかね、
アフォだ!アフォだ!サイコーだ!もっとやれ!
かなり中毒性高いバンドですね。あまりにも情報が少ないんですけど。
ちなみに音源は10000recordsというインディーズレーベル。Nelson Can含め、現在まだ2アーティストしか所属してないようで、Naloson Canとしてのアルバムリリースはまだない。コンピレーションとリミックスの音源がiTunesで販売されています。
今後、凄い楽しみなバンドだ。
しかし、このNelson Canといい、一番最初に紹介したGiana Factoryといい、どこか漂う無機質感と民族的な要素というのはある意味、デンマークインディーズシーン独特のものなんですかね。イギリスのStealing Sheepあたりだともっと土臭く感じるといいましょうか。北欧の音楽ってどこか陰みたいなものを感じる。影じゃないんだよね、単純に暗いと言うわけではないところ。思えばデンマークのバンドと言えば、MEWが居るのか。何となく解る気がします。
デンマークと言えば、北欧だけどドイツと隣接していたり、にも関わらず、首都コペンハーゲンは本土ではなくスウェーデン寄りの島にあったり。なんでも陸続きの欧州の中では一番他国からの移住が困難と言われてる国らしいですね。消費税25%で福祉が充実しているとか、あとはやっぱりレゴ(LEGO)のイメージが強い。
それが関係してるのかどうか解らないけど、デンマークのインディーズシーン、かなり注目かもしれません。