先日、Giana FactoryとNelson Canを紹介したときに「デンマークのインディーロック、面白い」と改めて思い立ち、デンマークのシーンを色々調べたりしたのですが。前からいいなと思っていたアーティストがデンマーク出身だったり。やっぱり何となく〈北欧〉という括りで見ちゃっていた部分があって、スウェーデンあたりとごっちゃになんて、お恥ずかしい。
そこで改めてデンマークの面白そうなアーティストをまとめてみました。
北欧独特の陰の部分とひねたポップ性、US/UKではあまり見ることの出来ない独自のオルタナティブ感覚。これがある意味、デンマークの特徴なのかもしれません。
前々から気になっていたアーティストも居たり、今回初めて知った人も居たり。かなり絞りに絞ったつもりなのですが、それでも多くなってしまったので前後半に分けます。前半の今回は女性アーティストに特化しました。
どことなくシュールで不気味ながらも、ちょっとキモカワイイオシャレなMVが多いのも特徴です。
アーティスト名の読み方が解るものはカナをふってますが、日本においての情報量があまりにも少なく、正確な読み名に自信のないものもあります。デンマーク語だったり、ドイツ語だったりなので、カナ表記解らなかったりするので。
言っとくけど、ちょうかわいいよ。
Oh Land
1985年生まれ、Nanna Øland Fabricius(ナナ・オーランド・ファブリシャス)によるソロプロジェクト、Oh Land(オー・ランド)
母はオペラ歌手、父はオルガン奏者という音楽一家、自らはバレエダンサーを志しながらも音楽活動を続け、2008年にデビュー。現在はアーティスト兼、モデル業もやっているクールビューティー。
生楽器と電子音のバランス、上質なポップさの融合と言いましょうか、「スウェーデンにLikke Li(リッキー・リー)がいるなら、デンマークにはOh Landあり」と言ったところでしょう。
なんともドリーミーな展開が楽しげなMV。コケティッシュな映像美もさることながら、流石バレエダンサーというダイナミックかつ軽やかなダンスも魅力的。
風船に囲まれながらのスタジオライブ。歌はもちろん、完成度の高い楽曲と無駄のない魅せるパフォーマンス、なんとも言えません(褒め言葉
アルバム『Oh Land』の印象的なジャケットワーク、(ブックレットの中身も素敵)は同じくデンマーク出身の現代アーティスト、Eske Kathという人が手掛けたらしい。この人の作品素晴らしいです。
The Asteroids Galaxy Tour
デンマーク少女たちのカリスマ!デンマーク女性たちファッションアイコン!モデル級超絶美人、Mette Lindberg(メッテ・リンドバーグ 26歳)率いる、The Asteroids Galaxy Tour(アステロイズ・ギャラクシー・ツアー)
このバンド、2008年にiPod TouchのCMに起用され、ヨーロッパを中心に大ブレイク。勿論日本でもCM放送されてましたが、宣伝などは一切されず、日本盤どころか輸入盤ですら中々手に入らなかった。iPod Touch CM曲なのにiTMSでも売ってねぇんだよ、これが。
ホーンセクションが印象的な6人組。レトロでサイケデリックでファンクネス!もう気分は70’s!バンド名の「銀河系小惑星の旅」なスペイシーサウンド!!Cyndi Lauper with Sly & The Family Stone!!!!でも古さをあまり感じさせないというか、アレンジはそっち系なんだけど、楽曲自体はやっぱり北欧独特のひねたポップ感があるといいましょうか。アメリカだともっとゴージャス感、泥臭いソウルっぽい雰囲気が出たり、イギリスだともっとスタイリッシュな方向になってしまうんだろうな。結構細かいアレンジが斬新だったりもする。ちょっと斜に構えた気怠いMette嬢の歌い方と表情が素敵です。
こういう格好しても似合っちゃうMette嬢の恐ろしさよ。
生楽器の音が抜群に良いんです。対してボーカルに結構凄いディレイ掛けてたり、Cメロ付近のアレンジも斬新。
メテかわいいよメテ (;´Д`)
iPod Touch CM曲はこれです。
メテかわいいよメテ (;´Д`)←
Fallulah
85年生まれのシンガーソングライター、Maria Apetri(マリア・読めません)のソロプロジェクト、Fallulah(ファルラー?でいいのかな)
Florence + The Machine、Bat For Lashesあたりが好きな人にはドンズバじゃないかと、幻想感とフォークトロニカが良い塩梅です。そしてそこに北欧独特のひねたポップ感が共存してます。
奇怪なダンスがなんとも印象的なMV。
打って変わって、木漏れ日の中でのアコースティックライブ。フルート2本編成はあるようでなかった、とてもステキです。どこかの寺院の中庭でしょうか。何となく墓地に見えなくもないような、、、だとしたらかなりシュールだ。いや、彼女ならやりかねないなと思って。
Marybell Katastrophy
Marie Højlund (vocals, guitar, stuff)、Emil Thomsen (keys, vocals)による男女エレクトロユニット、Marybell Katastrophy(メアリーベル・カタストロフィー)
過去にはデンマークのグラミー賞的存在でもある“Critics’ Awards in Denmark”の〈バンド・オブ・ザ・イヤー 2009〉の受賞、Bat For Lashesのドイツ・ツアーにゲストとして迎え入れられた経歴を持つ。
エレクトロ・クラッシュのドリームポップと言いましょうか、きらびやかさと毒々しさが共存するダイナミック且つ、サイケデリックな音世界。
ちょっと、凄過ぎて何言っていいかわかりません。
Darkness Falls
Josephine Philip (ジョセフィーヌ・フィリップ vocals & organ)、Ina Lindgreen (イナ・リンドグリーン bass & guitar)という二人組、Darkness Falls(ダークネス・フォールズ)。暗いぞ、暗いぞ!
ダークなエレクロ、フォークトロニカ、重厚なベース音に煌めくようなシンセとギター、そこにのる淡い歌声と、暗さの中にもなかなかドリーミーで甘美な世界観を構築していたり、なかなか多彩な美しさを兼ね備えたユニットです。
シンプルながらも美しいMVです。シンベの音がたまんねぇー。
こちらはシンプルに聖堂でのアコースティックライブ。こうして聴くと、楽曲と歌の良さが解ります。
Kúra
Fanney Ósk Þórisdóttir(lead vocals & lyrics)、Brynjar Bjarnfoss(producer, vocals & lyrics)、Rasmus Liebst(producer, guitarist, vocals & lyrics)という3人組、Kúra(クラ、クーラ)
ダークなアンビエント、EBM、余計な音は一切入っていないミニマルなリズム、トラック、それに乗るメロディアスな冷たい女性ヴォーカル。なんとも言えないこの完成度の高さは流石は北欧デンマークというか、なんというか、やっべ、やっべ、、、とにかくゾクゾクしますわ、、、
クオリティ高い映像美と、この何とも形容しがたいMVの世界観、ただものじゃねぇ
iTunes
Emma Acs
最後に紹介するのは、現在デンマーク音楽シーンにおける重要グループ、Emma Acs(エマ・アクス、エマックス、スペイン語なのかな?)、”EMM∆°∆CS”と表記することもあり。
Emma Acsというのは赤髪が印象的なボーカルEmma Acs嬢(20歳)の名前で、そのまんまグループ名になってます。メンバーは Sebastian T.W Kristiansen (Guitar, Vocals), Adam Olsson (Bass Guitar, Vocals), Hell Madsen (Electric Mandolin, Vocals), Atusa Zamani (Sitar & Percussion), Mathias Hoeg (Drums), そして、Emma Acsの6人組。
フレンチポップを思わせるキッチュなヴォーカルポップにサイケフォーク。そして何と言ってもシタール。シタールのAtusa嬢がエライ美人さんなんだこれが(そこじゃないだろ)。インド音楽への影響も垣間みることができますが、そういった、いかにもな音楽性ではなく、あくまで本来のこのグループのポップ性を重視した楽曲の色付けとしてシタール等を効果的に入れているのは流石です。
このEmma嬢、本国では「サイケ・プリンセス」としてその才能を高く評価され、そのキュートなルックスからトレードマークの赤髪をアイコンに同性からの支持も厚いらしく、彼女をモチーフとした似顔絵、CGアイコンなども見かけます。
http://www.youtube.com/watch?v=Cbe0cOiuoJM
もうなんなの、これ。すげー良いんですけど、すげーカワイイんですけど。
湖に浮かばせるシタールの構図がシュールすぎる。
こちらは少し郷愁感溢れるナンバー。もうさ、なんなのデンマーク。
このEmma Acs、『Champagne』というアルバムが発売されておりますが、Amazon、iTMSはじめ、残念ながら日本での取り扱いは現状ありません。
そこで、デンマークのアーティストのCD購入の仕方なんですけど、imusicという心強いデンマークのネットショップがあります。
Amazon US/UKでは手に入らないデンマーク、北欧関係のCDはほとんどここで手に入ります。
英語対応、PayPalではなくクレジットカード直の決済です。海外発送完全対応、日本への発送もしてくれます。
細かい注文方法は省きますが、通常の海外ネットショップと変わりません。
デンマークはユーロではないので、(1kr デンマーク・クローネ = 約17.24円、2015年3月現在)換算面倒くさいです。CD小売り価格の相場は日本とさほど変わりません、アルバム1枚2,500円〜3,000円相場。輸入盤はアメリカの印象が強いので高く感じるかもしれませんが、ドイツやフランスなどのヨーロッパ諸国は大体日本と同じです。
私も数回利用したことありますが、アルバム1枚送料込みで4000円でお釣りが来るくらいでしょうか。若干高いけど、それしか手に入れる方法がないのだから仕方ありません。大体1週間くらいで届きます。Amazon以上に仰々しい段ボールで届きます。この辺りはAmazonの梱包もよく話題になったけど、日本の梱包技術がいかに優れているか痛感します。
頼むときは自己責任でお願いしますね(ヲイ)。心配な人は「imusic.dk」で日本語サイト検索すると、MEW好きな人や北欧ロック好きな人が実際頼んだブログが複数ヒットするので、比較的その道では知られてるサイトです。
さてさて、デンマークのインディーロックシーン、今日は女性アーティストを並べてみましたが想像以上というか。
みんな奇怪な踊りが好きだな!
後編の男性アーティスト編もあわせてどうぞ