本日9月7日は長渕剛、58歳の誕生日です。
デビュー36年を迎えたオールタイムベストも結構売れてるみたいですね。好きな人はとことん好きだけど、苦手な人も多い。中には昔好きだったけど、肉体改造マッチョ化してからなんだかなぁと思ってる人も多いかと。でも以前よりクリーンなイメージはついてるようで。ドラマ『とんぼ』以降の男だらけのライブ会場もいつからか若い女性が増えてます。
以前こんなのを書かせてもらったのですが、
オールタイムベストが出ると同時に、まさかのあの伝説的ライブであった『LIVE’86~’87 STAY DREAM』が映像化されるなんて。フォークなんて過去の遺物、ボブ・ディランもニール・ヤングもアコギ持つのやめたりしてた時代に敢えて「ギター1本でステージに立つ」という意義。アコースティックライブが持て囃されるようになったのはエリック・クラプトンの『アンプラグド』以降のはなし。そして、今や当たり前になっているワイヤレスシステムやらエレアコやら、当時としては画期的なことを取り入れた公演であったこと。内容が凄いのはもちろん、そういう時代背景やらを感じ取ってもらえればなぁ、なんて。
こちらは「オールタイムベストで学ぶ長渕入門編」といったところ。音楽的にどうこうのような楽曲自体のそれよりも、そこにまつわるエピソード的なところを。マニアックになりすぎず、いい塩梅で。
本文中にもありますが、書ききれなかったこともあったし、もっと言うのなら、オールタイムベストに入らなかった名曲だってあるんだ!ということで、強さや怒りのイメージと同等に長渕節として定評のある、美メロの極上バラードを選んでみました。
マリア
アルバム『時代は僕らに雨を降らしてる』(1982年)
アルバム『LOVE SONGS』(1986年)
「Aメロ、Bメロ、サビ」の概念は90年代のタイアップ至上において確立されたものと言って良い。特にフォークソングはそういった形式にとらわれていないものが多く、童謡的でもある。そんな、楽曲構成が掴みづらく、ふと口ずさみたくなる単純なメロながらも美しい曲。独特のリバーブ具合は風呂場で録音されたもの。
君は雨の日に
初期長渕歌唱の代表的なファルセットを多用した屈指の名曲。日本の歌でファルセットが美しい曲といえば、女性曲は八神純子「みずいろの雨」。男性曲は間違いなくこの曲だ。
LONG LONG TIME AGO
シングル『勇次』B面(1985年)
アルバム『LOVE SONGS』(1986年)
アルバム『長渕剛 SINGLES Vol.2』(1997年)
オープンDチューニングとフィンガーピッキング、カーターファミリー奏法を巧みに利用した、アコースティックギターの魅力を存分に堪能できる楽曲。押尾コータローで一躍有名になったボディートップをパーカッシブに叩くなどのハイテク奏法などが随所に盛り込まれている。当時そのような奏法といえばインストの世界では、マイケル・ヘッジズがいたが、1985年の日本の歌謡界でこのようなことをやっていたのが興味深い。この美しいアコギの響き含め、ギター弾き語りの極みだろう。
祈り
シングル『祈り』(1979年)
アルバム『逆流』(1979年)
アルバム『LIVE』(1981年)
彼女が天へ旅立ってしまうという、実体験を元に書かれた涙ながらに聴けない楽曲。感情を叩きつけるような弾き語りの神髄を魅せるライブアルバム『LIVE』に収められているオリジナルバージョンは必聴である。
12色のクレパス
アルバム『Captain of the Ship』(1993年)
素朴な日本の歌。歌って、変なひねりも大袈裟なアレンジも要らないんだなって実感する。ライブビデオ『LIVE’94 Captain of the Ship』に収録されているアレンジがこれまた懐かしさと和情緒溢れていて実に素晴らしい。
愛してるのに
アルバム『時代は僕らに雨を降らしてる』収録(1982年)
アルバム『SUPER LIVE IN 西武球場』(1983年)
ファンが思う「隠れざる名ラヴバラード」の中ではおそらく、ダントツの人気を誇る曲。ピアノの弾き語りで歌われることが多く、マイナーなシングル曲よりも知られているが、そこまでライブで多く歌われてきた、というわけではない。『SUPER LIVE IN 西武球場』Ver.は本当に神懸かっているので、迷わず聴いてほしい。
交差点
アルバム『時代は僕らに雨を降らしてる』収録(1982年)
これもおそらくラヴバラードの中で1,2を争う人気名曲。歌、詞、そして笛吹利明と織り成す2本のギターアレンジも素晴らしい。
恋というもの
シングル『友よ』C/W(1995年)
ファンの中でも知る人ぞ知る曲。和のメロディと爪弾くギター。アルバムには収録されてないし、ライブでも歌われたことはないはず。本当の意味で隠れざる名曲中の名曲だと思っています。
菊一輪の骨
アルバム『FRIENDS』(2009年)
男の寂しさというか、わびさび感がたまらないTHE・日本の歌。
何の矛盾もない
アルバム『LISENCE』収録(1987年)
ピアノバラードってこういうものなんだよ、っていう。もうメロ、歌詞、すべて泣けます。『LICENCE』ツアー当時、婚約発表した志穂美悦子夫人のシルエットが、、、色んな意味で泣けます。
以上。ホントはもっと入れたかった曲あったのですが、キリがないので。
