筋肉少女帯は自分にとって、そのむかし「オレ、大人になったらアンテナ売りになるんだ」とほざいてたくらい屈折した厨二病を発症したバンドなんですが。再結成直後は興奮気味だったものの、安定期に入ってからは熱心にチェックしていたわけでもなく、、、(ヲイ)
そんな中、飛び込んできた「エニグマ」に度肝を抜かれたわけです。
まさに筋少の音楽の良いところしか詰まっていないこの楽曲。イロモノに見られるけど、音楽性と演奏力は凄まじいこのバンドだからこそ為せる業。橘高文彦のギターや三柴エディのピアノは言わずもがな、オーケンのヴォーカルだって、英詞で歌えばSICK OF IT ALLなんだと長年言い続けておりますが、まさにそんな真骨頂を見せてくれました。
さて、先日リリースされたニューアルバム『Future』ですが、べつに「エニグマ」が良かったからとて、この路線のアルバムのわけはない。相変わらずの振り幅、つかみどころのない感じは変わるはずもなく。大槻ケンヂの歌があるからこそ成立するであろう、強引なまとめ方とでもいいましょうか、そういうところが筋少だと思っています。
筋少にしても10代の頃に聴いていたバンドはもう自分の血となり肉となっているので、今熱心に追いかけるという感じでもなく。たまに無性に聴きたくなる時期もあったり、こうしてふとしたときに「おっ」と思わせてくれることがあったり。そういういい距離感で。ああ、もう一生好きなんだろうなと思っています。
民生先生のDIYアナログレコーディング
そして、同じくバンドブームのレジェンド。パーマかけて、すっかり松鶴家千とせになっていた言わずと知れた奥田民生先生。
ギターやアンプなどヴィンテージ機材マニアであると同時に、カーステレオにDATを積んだり、などなどサウンドへのこだわりが半端ない御大ですが、楽しげな企画をはじめておられました。
アマチュアでもハードディスクレコーディングが当たり前、Pro Toolsとプラグインで無限トラックレコーディングが可能なこのご時世に、アナログ1/2インチテープ、8トラックオープンリールテープレコーダーでスイッチをガチャンコ、ガチャンコやりながらのDIYレコーディングなんてドキドキしますな。
【#1-3:リードギターREC】奥田民生「カンタンカンタビレ~トキオドライブ編~」[wp-svg-icons icon=”play” wrap=”i”]
【#1-4:コーラスREC】奥田民生「カンタンカンタビレ~トキオドライブ編~」[wp-svg-icons icon=”play” wrap=”i”]
【#1-5:ギター&ボーカルREC】奥田民生「カンタンカンタビレ~トキオドライブ編~」[wp-svg-icons icon=”play” wrap=”i”]
最近の若者には全く伝わらないであろう「ピンポン録音し忘れてトラック足りなくなった」なんていう“昭和生まれバンドマンあるある”に思わず涙。布団被っての歌録りもやったなぁ。それにしても、ほぼ一発録りでこのクオリティすごい。
最後はカセットテープ(しかもノーマルテープ!)にトラックダウン。パンもフェーダーもいじりながらの落とし込み。「つく」なんて言葉も、下手すりゃ最近のバンドマンには通じませんからね。
そんな、おっさんホイホイなレコーディング。これで終わりかと思ったら、まだまだ続くようで2曲目に突入で現在進行中。
ミストーン出たところをパンチインアウトしてます。ハードディスクRecであればマーキングして自動録音だけど、アナログだと本当に一苦労。エンジニアのいない自宅での1人作業だと、パンチインアウトするためのフットスイッチを導入してだな、、、踏んでるときだけ録音されるんだよ。わかるかなぁ、わっかんねぇだろうなぁ。
ギブソン傘下になったティアックの宣伝動画なのはわかってますが、民生先生の器用さとアーティスト性、そして独特の空気感も相俟って素晴らしいシリーズ動画になっております。