今さら訊けないウェス・ボーランド入門 怪奇な風貌で荒れ狂いながらヘヴィリフをかき鳴らす変態紳士

X JAPANのライブ、『~YOSHIKI復活の夜~』から<コーチェラ・フェスティバル(Coachella Valley Music and Arts Festival)>へのゲスト出演もあって、ウェス・ボーランド(Wes Borland)で、ウチのサイトにたどり着く人が結構いるようで。

ジョンです ウェスです ジムです「化粧オバケ変態ギタリスト三銃士です!」


 
考えてみれば、前回ゲスト出演した『攻撃再開 2008 I.V.~破滅に向かって~』から10年経つわけだし、Limp Bizkitは先日、<Vans Warped Tour Japan 2018>含めて来日したばかりとはいえ、ブレイクしてから20年……、そりゃ、知らない世代が多くなっているのも頷ける。

このウェス・ボーランドというギタリストの凄さをバンギャ的の説明すると、hideと今井寿(BUCK-TICK)を足してNARASAKI(COALTAR OF THE DEEPERS)で因数分解したジェームス小野田(米米CLUB)。え? たとえが昭和だって? まぁ、控えめに言って宇宙人。

Limp Bizkit – Gold Cobra(2011年)

ミクスチャーロックブームの立役者、Limp Bizkit

Limp Bizkitは1997年にデビュー。KORNの弟分であり、日本における90年代後半ミクスチャーロックブームの立役者。ラップヴォーカルにヘヴィサウンドというスタイルは、“ラップコア”なんて呼ばれ、メジャーからインディーズまであげればキリがないほどフォロワーバンドを生み出した。ちなみにミクスチャーロックもラップコアも和製英語なので、日本でしか通用しません。向こうだと、“Rap metal”。ただ、Limp Bizkitは普通に“Nu metal”の括りだけど。

Limp Bizkit – Break Stuff(1999年)

Rage Against The MachineやKORNのようなダークな雰囲気が少なかったのも日本での人気に拍車をかけたのか、前2バンドより幅広いロックファンが聴いてた印象が強い。当時、渋谷のチーマーとか、カラーギャングとか、あの辺のにおいと共通するものがあったり。ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』も流行ったしね。

そんなB-BOY的なストリートファッションのメンバーの中で、1人奇天烈な存在だったのがウェス。黒目だけのコンタクトにはじまり、次第に白塗りやらなんやらエスカレートしていき、ボディペイントまで。その辺りは“Wes borland makeup”などと検索してみると山ほど出てくるはず。

最初はメイクしてなかったんだけどね Limp Bizkit – Counterfeit(1997年)

ギタリストとしては、初期はKORNと同じくIbanezの7弦ギターを使用していたわけだけど、6弦に低音弦を足すことがほとんどの中(そもそもそういう設計)、高音弦を足して張っていた。Limp Bizkitのチューニングは基本1音半下げなので、下から C# F# B E G# C# C# つまり1弦2本。奇妙なモジュレーションサウンドを多用するプレイゆえに復弦的な響きを求めた結果なのだろうか。さぞかし奥ゆかしいこだわりなのだろうな、と思いきや、2ndアルバム『Significant Other』リリース後くらいに、あっさり7弦をやめて6弦に持ち替えている。

Limp Bizkitを2回脱退

Limp Bizkit – Take A Look Around「Mission Impossible II」(2000年)

2000年、映画『ミッション:インポッシブル2』(Mission: Impossible II, M:I-2)のテーマ曲を担当して、Limp Bizkitの勢いも人気も絶頂を迎えるわけだど、そんな最中の2001年、音楽性の相違によりウェスは脱退。その後、Danny Lohner(Ba/Nine Inch Nails)、Josh Freese(Dr/A Perfect Circle)、Richard Patrick(Vo/Filter)という、名前見ただけで失神しそうなスーパーバンド、The Damning Wellを始動させようとするも、わずか2曲制作しただけで頓挫。その後、ソロとして活動を模索する傍で、2004年、Limp Bizkitに復帰。そして、2006年、ヴォーカルのフレッド・ダースト(Frederick Durst)と喧嘩して再び脱退。

BLACK LIGHT BURNS “Mesopotamia” (HD)

2007年には、ソロワークスから発展したバンド、Black Light Burnsの1stアルバム『Cruel Melody』をリリース。このバンド、ウェスがヴォーカルでフロントマンを務め、ギターを弾かないのがポイント。これが、なかなかいい声してます。サウンドの方向性含めて、マリリン・マンソン(Marilyn Manson)あたりが好きな人は、好きだと思う。

そして、2008年のX JAPAN復活に際し、ゲスト出演! となるわけですが、そもそも「どういう繋がりなんだよ!」って思う人も多いかもしれません。ちょうどこの頃、YOSHIKIのプロジェクト、Violet UKに参加してました。リチャード・フォータス(Richard Fortus/Guns N’ Roses)とSUGIZOと一緒にね。だからこの3人のゲスト出演はわりと自然な流れでもあり。あれ? Violet UKってどうなっt、、、(ry

結婚は3回

Queen Kwong – The Strange Fruit ft. Wes Borland

ウチでも以前紹介したことがある が、Queen Kwongこと、Carré Callawayというイカしたねーちゃんがいまして。トレント・レズナー(Trent Reznor/Nine Inch Nails)のプロデュースで登場したグランジの姫なのだが、いつのまにかウェスがプロデュースを務めるようになった。そして、いつのまにか結婚してた。ちなみに3人目の奥さんです。

コメントしづらい Big Dumb Face

そして、もうひとつ、ウェスの音楽活動に欠かせないプロジェクトがありまして。Limp Bizkitと並行してずっと活動しているサイドプロジェクト、Big Dumb Face。学生時代のバンドの延長戦上にあるとも言われ、こちらが本職? とも。まぁ、あたたかい目で見てくれ。

Big Dumb Face – Duke Lion

な? コメントしづらいだろ……?
念のために言っておきますが、フロントでマイク持って暴れたり赤いギター弾いたりしてるのがウェスです。

こう見えても、泣く子も黙るLimp Bizkitのギタリストなんだぜ……。

現在はLimp Bizkitのギタリストとして(2009年〜再々復帰)、その他、Black Light Burns、Big Dumb Face……ソロ活動含めて精力的に活動しています。

ガチなネコ好き

そんな、怪奇な風貌で荒れ狂いながらヘヴィリフをかき鳴らす変態紳士、ウェス・ボーランドですが、実は無類のネコ好き

@catcafemocha

Wes Borlandさん(@thewesborland)がシェアした投稿 –

氏のInstagramはネコの登場率高いので、ネコ好きなロックファンはチェックすべし。

氏のインスタグラムにみる今回の日本滞在スケジュールをまとめると、

東京タワー→猫カフェ→渋谷→猫カフェ→スカイツリー→Xリハ→猫カフェ→Xライブ本番

ウェスかわいいよウェス。

Chocolate Starfish & The Hot Dog Flavored Water
Limp Bizkit
Interscope Records
Release: 2000/10/07

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