先日はテレキャスター特集<おっさん篇>だったわけだけど、今日は、今チェックしておきたい気鋭のテレキャスター弾きを。
ジャズテレキャスター、ジュリアン・ラージ
いろんなところで絶賛されていて、私が今さらどうのこうのいうギタリストじゃないんですけど、しみじみ「いいなぁ〜」と思わせてくれる、ジュリアン・ラージ(Julian Lage)。
テレキャスターを優しく(“弱く”じゃないよ)しっかり弾くとこんな感じの音がするんですよね。あのフロントピックアップの取っ付きにくさを制覇していくと、リアでもそんな音を出せるようになったり。それでいて特徴的なブリッジプレートならではのサウンド、そこを活かしたピッキングを、だなんて、エフェクターを使わずにテレキャスターだけでいろいろやろうとしている人は、ジュリアンのプレイやサウンド聴いて「そう、そうなんだよね」と思うはずなんだよ。
ジャズの小難しさやプレイが素晴らしいという以前に、とにかくテレキャスターヲタクを唸らせるギタリストだと思います。
イスラエル発のNYジャズ、ギラッド・ヘクセルマン
ジュリアン・ラージしかり、今、ニューヨークを中心としたモダンジャズ界隈は盛り上がりを見せていて。イスラエル出身のギラッド・ヘクセルマン(Gilad Hekselman)もそうしたプレイヤーのひとり。弱い音はひたすら弱く、強い音はひたすら弱く、というダイナミクスの付け方が非常に美しい。
テレキャスター弾いてる動画じゃないけど、これ素晴らしい。
ポストロックジャズ、マシュー・スティーヴンス
そして、モダンジャズ好きにはもちろん、実験音楽、インストポストロック好きにも聴いてみてほしいギタリストがマシュー・スティーヴンス(Matthew Stevens)。カナダ・トロント出身でバークリー音楽大学卒業後、ニューヨークへ進出し、クリスチャン・スコットのグループを中心に活動。エスペランサ・スポルディングのバンドにも参加したり多彩な才を見せている。
幻影的なアプローチの中に見え隠れするロックスピリッツにグッと来る。こういう攻め方ってジャズマスターでいくのが正攻法になってるけど、あえてテレキャスターで。そして、ちゃんとテレキャスターでしか成し得ないサウンドになっている。
テレキャス王子 ダニエル・ドネイト
今更なんだけど、紹介するタイミングを見失っていたので。カントリー界の貴公子、ダニエル・ドネイト(Daniel Donato)。ナッシュビル叩き上げのストリートギタリストで、19歳のとき重鎮ドン・ケリーバンドと競演。
実力もユーモアセンスも兼ね備えたイケメン。ナッシュビルを代表する、カントリー界のエース。
ルーパーの女神、タシュ・スルタナ
最後は女性ギタリストを。とりあえず見てくれ。前置きは長いんだけど、雨でライブが出来るかどうかという話し合いの中、それを決行。どしゃ降りの雨の中、テレキャスターから放たれるファズトーンにヤラれる。
タシュ・スルタナ(Tash Sultana)はオーストラリア出身の1995年生まれの23歳シンガーソングライター。ループペダルを巧みに使い、ギターをはじめ、サックス、トランペット、フルート、ピアノなど15種類以上に及ぶ楽器を自ら演奏し操る。アグレッシヴなギタープレイは“女性版ジミ・ヘンドリックス”とも称される。
1時間に渡るロラパルーザでのステージで見どころは多々あるが、ギターに特化すれば、10:00前あたりからのプレイでその凄さがわかるはず。