ジャック・ホワイト主宰 “Third Man Records”の独創的すぎる面白さ

Jack White(ジャック・ホワイト)がアナログ盤を広めた一つの具体例としてあるのが、主催のThird Man Records(サードマン・レコード)

2001年にジャックが自らの音源をアナログ盤でリリースするために設立された。White StripesやDead Weatherなどの自身のバンドはもちろん、The Black BellsやPokey Lafarge、そしてWanda JacksonやSeasick Steaveなど、若手からベテランまで所属しているレーベル。
ジャケットや盤のアイテムとしての物品価値に重きを置き、ジャケットを複数揃えると一つになるものや、玩具的なもの、蛍光色盤面や前代未聞の8インチシングルなど、独創的な発想の元、一風変わった仕様で発売することで有名なレーベルでもある。ライブ録音から製造、販売までに至る過程を4時間足らずで仕上げてしまうことも話題になった。現在はナッシュビルにレーベル会社としては勿論、ショップ、スタジオ、ライブ会場が併設されている。

ジャックがサウンドプロデュースというわけではなく、モノラル録音、アナログマルチや、“ボイス・オ・グラフ”と呼ばれる電話ボックス型の録音ブースなど、サードマン独自のスタジオ環境でレコーディングされる。




サードマン内の“Voice-O-Graph(ボイス・オ・グラフ)”ブース



NBCに出演し、ボイス・オ・グラフの説明をするジャックとニール・ヤング

コインを入れて受話器に向かって録音したものが、直接レコードに刻まれる。元々は40年代に空港や観光地に置かれ、戦時中に故郷に送る「声の便り」として広く利用されたという。ちなみに現在はサードマンの所有する世界に一台しかないものである。

さて、中でも注目すべきは“BLUE SIRIES”というもの。ややこしいが、言わばレーベル内のレーベルのような位置づけ。その名の通り、青バックに映るアーティスト写真が印象的。色にこだわりのあるジャック(ストライプスは赤、ラカンターズは銅、ソロは青など)らしいアートワーク。本格的にレーベル所属するというよりも、無名・有名問わず、若手アーティストが手軽に7インチシングル(ドーナツ盤)をリリースすることを目的とされている。もちろん、ジャックが気に入るかどうかであるが。

blue siriesblue

近年ではBECKがリリースしたことで話題になったこの“BLUE SIRIES”、ルーツ・ミュージックを愛するジャックということもあって、中々個性的なアーティストたちが多くリリースしている。実はこんな人たちも、という場合も多く、改めて見て行きたいと思う。

割りと名の通ってるアーティストたち、ウチでも幾度となく紹介しているアーティストも多いが、改めて各々の新作MVなどを中心に。

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Dex Romweber Duo




Dex Romweber Duo – “Roll On” (Official Music Video)

ジャックを語る上で避けて通れないバンド、Dex Romweber Duo(デックス・ロムウェバー・デュオ)
Jack Whiteが「自分の音楽に最も影響を与えた」と、White Stripesを結成する際に模範としたバンド、Flat Duo JetsのDex Romweber(デクスター・ロムウェバー)とミステリアスで男前な女性ドラマー、Sara Romweber(サラ・ロムウェバー、姉)がカッコよすぎるロックデュオ。

ロカビリーやガレージといったシンプルなロック、小手先技は抜きにして骨太なサウンドを聴かせてくれる。ギターとドラムのみという編成がルーツ・ミュージックの代表的な形であり、それを模したWhite Stripesがその形を再構築した、そんな祖を感じさせてくれる文句ナシにカッコいいロックンロール。




Dex Romweber Duo “Mexicali Baby”
Dex Romweber Duo
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Smoke Fairies




Smoke Fairies – Shadow Inversions

Katherine Blamire(キャサリン・ブラマイア、ブレーミア)とJessica Davies(ジェシカ・デイヴィス)、ミニスカ英国女子二人組、Smoke Fairies(スモーク・フェアリーズ)

スライド、アルペジオ…、異様に腕の立つ、若い女性とは到底思えない渋すぎるギターと絶妙過ぎるハーモニー。正統派のブリティッシュ・フォークを基としながらも独特の陰鬱感、バンド名さながらのモヤモヤっとした世界観が美しくも妖しく。

Smoke Fairies
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Laura Marling




Laura Marling – Master Hunter

今や、英国を代表するフォーク・シンガーとなった、Laura Marling(ローラ・マーリング)も早い段階でジャックの目に留まった天才少女。

10代の最初っからジョニ・ミッチェルを彷彿とさせる独特のオーラを漂わせていたので、絶対大物になると思ってた人も多いかと。安定感を通り越して全てを悟っているような斜に構えた余裕と、非の打ち所のない卓越したギターテクニック、全てにおいて完璧。

Laura Marling
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First Aid Kit




First Aid Kit – My Silver Lining

Fleet Foxesのカヴァー“弾いてみた”動画がデビューのきっかけになった、Johanna Söderberg(ジョアンナ)とKlara Söderberg(クララ)のスウェーデンの二人組、First Aid Kit(ファースト・エイド・キッド)

北欧民謡と言うべきか、ブリティッシュでもアメリカンでもない独特の雰囲気が強いフォーク。先日リリースされた新譜ではアコースティック・ギターとストリングス、ラップ・スティールを交え、アイリッシュな雰囲気もプンプン。今年はフジロックで来日。

First Aid Kit
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The 5.6.7.8’s




The 5.6.7.8’s – I’m Blue (Live at Dig It Up! Sydney) | Moshcam

映画『キル・ビル』で一躍有名になった日本のバンド、The 5.6.7.8’s(ファイブ・シックス・セブン・エイツ、通称:ゴロッパチ)

元はイカ天出身で、当時から精力的に海外活動を展開。実はジャックとは旧知の間柄でWhite Stripesがブレイクする前から同じステージに立ったり、彼女たちの楽曲をカヴァーしたりと親交も深い。日本人なら誰でも一度は耳にしたことのある童謡「しょ、しょ、しょじょじ〜♪」でお馴染の『証城寺の狸囃子』のカバーをリリースしたというのがいかにも彼女たちとジャックらしい選曲。

“BLUE SIRIES”のみならず、彼女たちの旧譜をリイシューしていることもジャックが彼女たちへのリスペクト愛が伝わる。

The 5.6.7.8’s
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他にも個性的なアーティストが集結しているので、続きは後半戦で。

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ジャック・ホワイト主宰 “Third Man Records”の独創的すぎる面白さ

Jack White(ジャック・ホワイト)がアナログ盤を広めた一つの具体例としてあるのが、主催のThird Man Records(サードマン・レコード)

2001年にジャックが自らの音源をアナログ盤でリリースするために設立された。White StripesやDead Weatherなどの自身のバンドはもちろん、The Black BellsやPokey Lafarge、そしてWanda JacksonやSeasick Steaveなど、若手からベテランまで所属しているレーベル。
ジャケットや盤のアイテムとしての物品価値に重きを置き、ジャケットを複数揃えると一つになるものや、玩具的なもの、蛍光色盤面や前代未聞の8インチシングルなど、独創的な発想の元、一風変わった仕様で発売することで有名なレーベルでもある。ライブ録音から製造、販売までに至る過程を4時間足らずで仕上げてしまうことも話題になった。現在はナッシュビルにレーベル会社としては勿論、ショップ、スタジオ、ライブ会場が併設されている。

ジャックがサウンドプロデュースというわけではなく、モノラル録音、アナログマルチや、“ボイス・オ・グラフ”と呼ばれる電話ボックス型の録音ブースなど、サードマン独自のスタジオ環境でレコーディングされる。




サードマン内の“Voice-O-Graph(ボイス・オ・グラフ)”ブース



NBCに出演し、ボイス・オ・グラフの説明をするジャックとニール・ヤング

コインを入れて受話器に向かって録音したものが、直接レコードに刻まれる。元々は40年代に空港や観光地に置かれ、戦時中に故郷に送る「声の便り」として広く利用されたという。ちなみに現在はサードマンの所有する世界に一台しかないものである。

さて、中でも注目すべきは“BLUE SIRIES”というもの。ややこしいが、言わばレーベル内のレーベルのような位置づけ。その名の通り、青バックに映るアーティスト写真が印象的。色にこだわりのあるジャック(ストライプスは赤、ラカンターズは銅、ソロは青など)らしいアートワーク。本格的にレーベル所属するというよりも、無名・有名問わず、若手アーティストが手軽に7インチシングル(ドーナツ盤)をリリースすることを目的とされている。もちろん、ジャックが気に入るかどうかであるが。

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近年ではBECKがリリースしたことで話題になったこの“BLUE SIRIES”、ルーツ・ミュージックを愛するジャックということもあって、中々個性的なアーティストたちが多くリリースしている。実はこんな人たちも、という場合も多く、改めて見て行きたいと思う。

割りと名の通ってるアーティストたち、ウチでも幾度となく紹介しているアーティストも多いが、改めて各々の新作MVなどを中心に。

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Dex Romweber Duo




Dex Romweber Duo – “Roll On” (Official Music Video)

ジャックを語る上で避けて通れないバンド、Dex Romweber Duo(デックス・ロムウェバー・デュオ)
Jack Whiteが「自分の音楽に最も影響を与えた」と、White Stripesを結成する際に模範としたバンド、Flat Duo JetsのDex Romweber(デクスター・ロムウェバー)とミステリアスで男前な女性ドラマー、Sara Romweber(サラ・ロムウェバー、姉)がカッコよすぎるロックデュオ。

ロカビリーやガレージといったシンプルなロック、小手先技は抜きにして骨太なサウンドを聴かせてくれる。ギターとドラムのみという編成がルーツ・ミュージックの代表的な形であり、それを模したWhite Stripesがその形を再構築した、そんな祖を感じさせてくれる文句ナシにカッコいいロックンロール。




Dex Romweber Duo “Mexicali Baby”
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Smoke Fairies




Smoke Fairies – Shadow Inversions

Katherine Blamire(キャサリン・ブラマイア、ブレーミア)とJessica Davies(ジェシカ・デイヴィス)、ミニスカ英国女子二人組、Smoke Fairies(スモーク・フェアリーズ)

スライド、アルペジオ…、異様に腕の立つ、若い女性とは到底思えない渋すぎるギターと絶妙過ぎるハーモニー。正統派のブリティッシュ・フォークを基としながらも独特の陰鬱感、バンド名さながらのモヤモヤっとした世界観が美しくも妖しく。

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Laura Marling




Laura Marling – Master Hunter

今や、英国を代表するフォーク・シンガーとなった、Laura Marling(ローラ・マーリング)も早い段階でジャックの目に留まった天才少女。

10代の最初っからジョニ・ミッチェルを彷彿とさせる独特のオーラを漂わせていたので、絶対大物になると思ってた人も多いかと。安定感を通り越して全てを悟っているような斜に構えた余裕と、非の打ち所のない卓越したギターテクニック、全てにおいて完璧。

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First Aid Kit – My Silver Lining

Fleet Foxesのカヴァー“弾いてみた”動画がデビューのきっかけになった、Johanna Söderberg(ジョアンナ)とKlara Söderberg(クララ)のスウェーデンの二人組、First Aid Kit(ファースト・エイド・キッド)

北欧民謡と言うべきか、ブリティッシュでもアメリカンでもない独特の雰囲気が強いフォーク。先日リリースされた新譜ではアコースティック・ギターとストリングス、ラップ・スティールを交え、アイリッシュな雰囲気もプンプン。今年はフジロックで来日。

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The 5.6.7.8’s




The 5.6.7.8’s – I’m Blue (Live at Dig It Up! Sydney) | Moshcam

映画『キル・ビル』で一躍有名になった日本のバンド、The 5.6.7.8’s(ファイブ・シックス・セブン・エイツ、通称:ゴロッパチ)

元はイカ天出身で、当時から精力的に海外活動を展開。実はジャックとは旧知の間柄でWhite Stripesがブレイクする前から同じステージに立ったり、彼女たちの楽曲をカヴァーしたりと親交も深い。日本人なら誰でも一度は耳にしたことのある童謡「しょ、しょ、しょじょじ〜♪」でお馴染の『証城寺の狸囃子』のカバーをリリースしたというのがいかにも彼女たちとジャックらしい選曲。

“BLUE SIRIES”のみならず、彼女たちの旧譜をリイシューしていることもジャックが彼女たちへのリスペクト愛が伝わる。

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他にも個性的なアーティストが集結しているので、続きは後半戦で。

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